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ニューモデル 2018.7.11

試乗 BMW M3 CS F80系に有終の美 高額すぎるスペシャル

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もくじ

どんなクルマ?
ー M5に迫るプライスタグ
どんな感じ?
ー F80系としては最高のでき
ー 明確なキャラクター性に欠ける
ー 鈍るダイナミクス性能での輝き
「買い」か?
ー 受け入れがたいCSの価格
スペック
ー BMW M3 CSのスペック

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どんなクルマ?

M5に迫るプライスタグ

F80シリーズ最後の限定モデルが登場した。現行型BMW M3の終焉を告げる、スペシャルバージョンだ。いまだに少し慣れないけれど、もちろんM3は4ドアサルーンとなる。

去年登場したM4 CSクーペのように、M3 CSにも軽量なカーボンファイバー製のボディパネルがおごられ、2016年のM4 GTSにヒントを得たエアロダイナミクス性能を備えている。比較的柔軟な設定のサスペンションにも手が加えられ、新しい軽量な鍛造アルミホイールに、カップタイヤを装備。エンジンの最高出力と最大トルクも強化された。

CSは決して安くはなく、M3のコンペティションパックよりもさらに2万3000ポンド(335万円)の上乗せが必要。あと5000ポンド(73万円)ほど追加すれば、599psを繰り出すスーパーサルーン、M5も手に届くプライスとなる。

BMWは、現行M3の最終型として需要は充分にあると考え、このプレミアム・バージョンを設定。F80系の別れを惜しむ目の肥えたひとたちのために、1200台の限定生産となるが、すでに1200台の組み立ては終了しているとのこと。とりわけ高価だが、F80系最後の「M」の代表的なモデルとともに過ごしたいのなら、急いで準備建てをしたほうが良いだろう。

ちなみにドアが4枚も必要ないのなら、4シリーズとM4はしばらくの期間は生産されるので、安心されたし。

どんな感じ?

F80系としては最高のでき

真面目な生徒が担任の先生の指示に従うかのように、BMWはF80 M3のダイナミクス性能に関する課題点を、忠実にアップデートしてきた。そんな経緯もあり、この究極ともいえる最終バージョンは、スポーツサルーンのクラスリーダーとして、秀逸の仕上がりを得ている。

その反面、情報量豊かなフィードバックや圧倒的なグリップ、中回転域での力強さや全方位的なドライバーとの密接さなどの面では、名門M3として究極の1台とはいえないとも思う。もちろん、間違いなく2014年の初対面時よりは良くはなっている。2016年のコンペティション・パックよりも、数段いい。

標準モデルのF80に対するAUTOCARとしての不満は、いくつかある。具体的には、日常的なスピードではそれほど魅力を感じられないこと、没入するほどのハンドリングが備わっていないこと、限界付近での挙動が漸進的なものではないこと。加えて、フェラーリ譲りのV6を積むアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオや、ターボ過給されるメルセデス-AMG C63などと異なり、搭載されるエンジンが、想像力を掻き立てるようなユニットではないことも、残念に感じていた。

その点、新しいCSのシャシーは、先述のハンドリングなどの面で大きな改善を遂げている。サスペンションスプリングとダンパーに変更が加えられ、パワーステアリングとeデフの制御ソフトが見直されたのだ。ドライビングモードを問わず、ステアリング操作に伴う情報量も充分なものになった。

ただし、路面との接地感や荷重変化の面で得られた改善のうち、半分くらいは鍛造ホイールとミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤによるものではないかと思えるけれど。

明確なキャラクター性に欠ける

BMWは、M3コンペティションパックよりもわずかにタイヤサイズを下げることで、ステアリングレスポンスやハンドリングを改善させたとしている。この点は、わたしもある程度は同意できる。クルマは常にサーキットを飛ばしているわけではないのだから。

高速道路のジャンクションやランナバウト(ロータリー交差点)などでコーナリングする直前、タイヤはカーブめがけて充分に向きを変えている必要がある。切りはじめのステアリングレスポンスがよく分かる場面。刀のように鋭いステアリングを持つジュリアが登場する以前なら、その挙動を気にすることもなかったかもしれない。アウトバーンでの高速走行でのスタビリティを考えると、ジュリアのハンドリングは際立っていた。

反面、今回BMWの取った手法は、クルマのアジリティ、俊敏さを鈍らせてしまうことにもつながる。また、これはクルマの包括的なキャラクターを左右する部分でもあり、ライバルモデルと比較すると、仕上がりは正直わたし好みではなかったりする。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオの、外科用メスのように鋭いハンドリングは間違いなくベストだといえるし、メルセデス-AMG C63Sのドリフトマシン的な性格も特徴的なもの。一方でM3 CSの持つキャラクターは、そのような簡潔な表現が難しい。

鈍るダイナミクス性能での輝き

今回のBMW M3 CSは、アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオと肩を並べるほど張り詰めたボディコントロール性を持ちつつ、正確性や安全性ではより優れている。しかし、ジュリアやメルセデス-AMG C63Sのように、直感的に、本能的に運転できる仕上がりというわけでもないのだ。

より奥行きのあるドライバビリティを備えていることも事実だが、明確な満足感があるともいえない。速いペースでの走行では、ジュリアよりもビジネスライクに実直に応えてくれるものの、落ち着きや、遊び心のようなものは希薄に感じられてしまう。

CSが搭載する直6ターボエンジンは、F80系M3の中では一番の仕上がり。興ざめしてしまう人工サウンドは少し影を潜め、カーボンファイバー製のボンネットの中から響くエンジンノイズは実際的。でも、そのエンジンノイズを直接聞くには、やはり窓を下ろすしかないけれど。

アルファ・ロメオの中回転域の太いトルクや、メルセデスのV8エンジンの唸り声以上に、7000rpmまで回るエンジンのキャラクターやポテンシャルをどこまで正当化することができるかは、好みによるところもあるだろう。

F80 M3もF82 M4も、ともに完成度の高いパフォーマンスを備えたクルマではある。しかし、プレミアムブランドで比較した時、ライバルモデルの水準が上がったぶん、ダイナミクス性能での輝きやカリスマ性は、従来モデルの時代より弱まっているように思う。

ちなみに、CSのスペックシート上は5.1kg-mのトルクが加算されており、0-100km/h加速は4秒を切る俊足となっているが、実際はそれほど速く感じられないことも付け加えておこう。

「買い」か?

受け入れがたいCSの価格

F80シリーズの最後を飾るモデルではあるとはいえ、すでにM3のオーナーであったとしても、CSの約9万ポンド(1314万円)という価格を受け入れるのは難しいのではないだろうか。

わたしの感覚としては、コンペティションパックにCSと同じホイールとタイヤを履かせれば、ダイナミクス性能でCSに肉薄することは可能だと思う。この組み合わせなら、CSより2万ポンド(292万円)ほど安く仕上げられるはずだ。

さらに、もし仮に9万ポンド(1314万円)の予算があったとして、M3 CSと新しいM5と、どちらを選ぶだろうか。比較記事ではないけれど、兄貴分の一回り大きな車内空間や走りの鋭敏さ、懐の深さを鑑みれば、悩む必要はないように思えてしまう。

Mディビジョンが開発中の新しいG20系の3シリーズと、クーペボディの4シリーズは、V8エンジンを搭載したE92の高みや、記憶に深く刻まれるバランスを備えたE46のような印象を与えてくれるのだろうか。

これまでの「M」の成功を振り返れば、ニューモデルの開発は悩ましいものであるに違いない。しかし、M3に関しては、最高のドライビング体験こそが、成功の鍵であることには間違いないはずだ。

BMW M3 CSのスペック

■価格 8万6385ポンド(1261万円)
■全長×全幅×全高 4372×1874×1445mm
■最高速度 280km/h
■0-100km/h加速 3.9秒
■燃費 12.0km/ℓ
■CO2排出量 198g/km
■乾燥重量 1585kg
■パワートレイン 直列6気筒2979ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 460ps/6250rpm
■最大トルク 61.1kg-m/4000rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ

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(AUTOCAR JAPAN マット・ソーンダース)

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