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ニューモデル 2018.7.9

いまの日本にあって、いちばん美しいクルマ いすゞ ピアッツァXE 試乗 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

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 徳大寺有恒氏の美しい試乗記を再録する本コーナー。今回はいすゞのピアッツァXEを取り上げます。

 1993年に乗用車からは撤退してしまったメーカー、いすゞ自動車。いすゞと聞いて人々がまず思い浮かべるのは、日本車を代表する傑作に数えられる1台、117クーペかもしれません。その117クーペの後継として誕生したのがピアッツァです。

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 ベースとされたのはFRのジェミニ、エンジンも2L DOHCはジェミニの1.8L DOHCをスケールアップしたもの、2L SOHCは117クーペの改良版といささか古く、1984年にはアスカの2Lターボを搭載。ジウジアーロ率いるイタルによるそのデザインは、当時大きな話題となりました。

 1980年代に誕生した往年のいすゞ車 ピアッツァを、徳さんはどう評したか。1981年の試乗記から振り返ります。

※本稿は1981年に執筆されたものです
文:徳大寺有恒
初出:ベストカー2015年6月10日号「徳大寺有恒 リバイバル試乗」より
「徳大寺有恒 リバイバル試乗」は本誌『ベストカー』にて毎号連載中です


■美しさの裏に、残念な部分も

 1979年のジュネーブショウに突然発表され、日本のファンに発売が熱望されてきたいすゞ・ピアッツァがいよいよ発売になった。ピアッツァは、いすゞとイタルデザインの共同作業により生まれたスペシャルティカーである。その特徴はなんといっても美しいボディスタイリングにある。

 いうまでもなく、そのスタイリストがジウジアーロ率いるイタルというわけで、ジウジアーロがスター、そしてメーカーのいすゞはこの大スターのアイデア、ラインをいかに商品化するかという部分を担当したのである。

 ピアッツァのベースはジェミニである。このGMのワールドカーをベースにジウジアーロがデザインしたショウモデルは“アッソ・デ・フィオリ”(クラブのエース)と呼ばれた。

 急傾斜角を持つフロントグラスと1278mmという低いルーフ、全体に丸みを帯びたデザインである。もちろん、大いに魅力的で冒頭に記したごとく、一刻も早く日本で作られることを多くのファンが待ち望んだ。そして、2年少々という早い時間でかなえられたのだが、その短時間は足回りにジェミニのパーツを多用し、パワーユニットにはジェミニや117クーペのものを使うことでかなえられた。

 間違いなく、現在日本で最も美しく、相当に高価でもあるこのクルマにとって、技術的な新味に欠けることは実に残念だし、それを一番感じているのはメーカーではなかろうか?

■日本的な媚のないクルマ

 ピアッツァのスタイリングを美しいと感じるのは自然だ。このクルマには日本的な“あらずもがな”がない。もっといえば、媚がない。クルマとしてのバランスは見事で、そのバランスの上により美しいライン、面が構成されている。

 こういうデザインは従来、日本にはほとんどない。あるとすれば、ジウジアーロがベルトーネ時代に手がけた117クーペだろう。

 ピアッツァの生産型はプロトタイプとかなり変わっている。一番大きなところではフロントグラスが4度持ち上げられたことだ。ジウジアーロはこのフロントグラスにとてもうるさく、VWゴルフの時にもVW側と大激論になったという。

 まぶたを閉じたようなヘッドライトにもこだわりを感じる。ジウジアーロはこの方式に固執したというが、それも納得できる。いま流行のポップアップなんて、これに比べたらイモもいいところだ。“まぶた方式”が全部いいといっているのではない。被さり加減、開き加減の計算され尽くした造形がいいといっているのだ。

■もっと力強さがほしい

 ピアッツァのウエイトはXE 5速が1190kgだ。これはけっして軽くない。パワーウエイトレシオは8.8kg/psだから、絶対的な動力性能はそれほどでもないと予想できる。実際ピアッツァはドライバーに速いと感じさせない。ツウィンカムらしく高回転域に入って伸びがあるというのでもなく、さりとて大きなトルクでグイグイ引っ張るというのでもない。

 これは車重にも関係するが、私はそれよりもエンジンのトルク特性とかギアリングの改良で、もう少々速いと感じさせる力強いフィールがほしい。

 同じツウィンカムでもトヨタのマーク2などに搭載される18RGEU(135ps/17.5kgm)のほうがいい。トヨタのツウィンカムも低速型でそれほど気持ちよくないが、トルクははるかにトヨタのほうが厚い。

 ピアッツァに今最も求められるものは、モアパワー、モアトルクである。ピアッツァをアルファ・ロメオのように走らせてこそ、美しいジウジアーロボディが映えると思う。

1979年のジュネーブショーに出展された“アッソ・デ・フィオリ”。現在はトヨタ博物館に収蔵されている

◎ピアッツァ XE 主要諸元
全長:4310mm
全幅:1655mm
全高:1300mm
ホイールベース:2440mm
車重:1190kg
エンジン:直4DOHC
総排気量:1949cc
最高出力:135ps/6200rpm
最大トルク:17.0kgm/5000rpm
トランスミッション:5MT
10モード燃費:10.5km/L
サスペンション:ダブルウィッシュボーン/3リンク
価格:246万5000円
※グロス表記

◎ベストカーテストデータ
0~400m加速:17秒91
※5MT、路面はウェット

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(ベストカーWeb ベストカーWeb編集部)

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みんなのコメント

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  • con*****|2018/07/09 17:34

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    登場から40年近く経過しても、全く色褪せないデザイン。
    今は制約も多いだろうが、日本車にもっと頑張って欲しい。
  • not*****|2018/07/09 17:39

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    あの眠たそうな顔をしたまあるいピアッツア良かった。
  • min*****|2018/07/09 17:53

    違反報告

    当時は外装はマヨネーズにしか見えなかったけど、
    内装のデザインが当時としてはアバンギャルドだったな。

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