ホンダの原付二種スクーター「PCX」に、量産二輪車としては世界初となるハイブリッドが登場する。発売開始予定は2018年9月14日、受注生産で43万2000円(税込)というメーカー希望小売価格は、125ccクラスのスクーターとしてはけっして安くはないが、初の量産ハイブリッドオートバイという価値は新しいモノ好きにとって所有欲を満たすのに十分な響きを持つ。
ハイブリッドシステムとしては、48V系リチウムイオンバッテリーをエネルギー源として、ACGスターター(交流発電機)が駆動力を生み出すというもの。ACGスターターはクランクシャフトの出力軸に置かれたコイル内蔵フライホイールと表現するとわかりやすいだろうか、エンジン始動時にギアの噛み合いが不要なためアイドリングストップからの再始動もスムースというのもセールスポイントのひとつだ。そのACGスターターによるアシストは発進時や加速時に約4秒だけ働くというから、まさにモーターアシスト型ハイブリッドといえる。
夏にはハイブリッド、秋には電動 ホンダ「PCX」の進化が止まらない
いわゆる「48Vハイブリッド」は、高電圧対応をせずにすむ、ちょうどいい電圧ということで欧州ブランドの四輪車では一大ムーブメントとなりつつある。四輪のハイブリッドにおいては、いわゆるストロングタイプを中心に展開しているホンダが、二輪では48Vマイルドハイブリッドを採用するというのは興味深い。
モーターアシスト式のマイルドハイブリッドといっても、エンジンが125ccと小さめなので比率でいうとモーターの存在感は大きい。最高出力でいってもエンジンが9.0kWに対して、モーターが1.4kWとなっているし、最大トルクでいえばエンジンの12Nmにモーターの4.3Nmが足される形になる。二輪用小排気量エンジンは、四輪の感覚でいうと高回転型となる(PCXハイブリッドでも最高出力の発生回転は8500rpm)ため、低速域で効くモーターアシストによる上乗せは、パフォーマンスとして実感しやすい傾向にある。
実際、PCXハイブリッドでは、低燃費に寄与する「Dモード」と、アシストを強めてよりスポーツ性を高めた「Sモード」という、2つの特性に切り替えて、モーターアシストのメリットを使い分けることができる。つまり、電動化により“走る楽しさ”を実現するハイブリッドということになる。
二輪における世界シェアで35%近くを占める(2013年データ)、トップメーカーであるホンダ。そのホンダが、量産モデルとして初めてのハイブリッド(電動化車両)において、こうした方向性を見せたことが、どのようなトレンドにつながるのか。フォロワーの動きを含めて、今後の展開が気になるところだ。
(文:山本晋也)
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