7月5日に発表されたスズキ・ジムニー/ジムニーシエラのメカニズムを解説。まずはトランスミッションだ。多段化がトレンドの現代だが、新型ジムニー/ジムニーシエラは、依然として4速ATと5速MTをラインアップする。なぜだろう?
20年ぶりにフルモデルチェンジを受けたスズキ・ジムニー。トランスミッションは、4速ATと5速MTをラインアップする。多段化が進む現代なのに4速AT? え、5速MT?と思う人も多いだろう。
新型ジムニー/ジムニーシエラの燃費性能は? ジムニーの4AT以外は大幅に燃費性能が上がっている!
まずは、4速AT。先代(三代目JB23型)のトランスミッションのスペックを見てみよう。
■ジムニー
4速AT
1速:2.875
2速:1.568
3速:1.000
4速:0.696
後退:2.300
トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:5.375
■ジムニーシエラ
4速AT
1速:2.875
2速:1.568
3速:1.000
4速:0.696
後退:2.300
トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:5.375
となっている。
では、新型はどうだろう?
■新型ジムニー
4速AT
1速:2.875
2速:1.568
3速:1.000
4速:0.696
後退:2.300
トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:5.375
■新型ジムニーシエラ
4速AT
1速:2.875
2速:1.568
3速:1.000
4速:0.696
後退:2.300
トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:4.300
最終減速比こそ違えど、その他はまったく同一だ。つまり、新型の4速AT、トランスファー(副変速機)は、先代からキャリーオーバーされたことがわかる。
細かい点をみていけば、先代のジムニー(軽)の4速ATはロックアップが付いていなかったが、新型ジムニーではロックアップ付になったなど違いはある。
では、どうして2018年登場の新型のトランスミッションが4速ATなのだろうか?
まずはジムニーに要求される信頼性。そして世界中のユーザーが悪路で重宝しているジムニーゆえのリペアビリティも考えてのことだろう。
それから、このクラスでエンジンを縦置きするレイアウトを採るモデルは、ジムニー以外にない、という理由もある。エンジン横置きなら、トランスミッションメーカーにさまざまな選択肢があるが、縦置きとなると、ほぼ唯一と言っていいのが、このジムニー/ジムニーシエラが搭載するアイシン・エィ・ダブリュ製TW-40Eという4速ATと言うわけだ。トルク容量は120Nmと言われていたから(先代のジムニーシエラのエンジンM13Aの最大トルクは118Nm)、新型ジムニーシエラ(K15B型最大トルク130Nm)に対応するために、小改良は加えられているはずだ。
5速以上のATがほしい、となると、ZFにもゲトラグにも、ジヤトコにもアイシン・エィ・ダブリュにも小さいトルク容量の縦置きATは存在しないのだ。かと言って、ジムニー/ジムニーシエラ(海外向けのエルティガ)向けに、新規で5速、あるいは6速ATを開発するのは、コスト的に言って難しいのだろう。
また、悪路走破性を考えるジムニーにとって軽量であることは重要だ。4速ATだと、遊星歯車セットが2セットで済むが、5ATになると、3セット必要になる。その分、長く重くなってしまうというのも、ジムニーのトランスミッションが多段化へ向かわない理由のひとつだろう。
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