スポンサーシップの先達 写真18枚
マセラティ・エルドラドは、間違いなく、名車と呼べる1台だ。
1958年。モータースポーツの世界とはまったく関係ないブランドのスポンサードを受けた、ヨーロッパ初のシングルシーター・レーシングマシンである。
スポンサーについたブランドは、アイスクリーム・メーカーのエルドラドだった。
国際自動車連盟が割り当てたナショナルカラーではなく、パートナー企業のカラーリングが施されたという点で、今ではモータースポーツの定番となったスポンサーシップの先達と言える。
マセラティは、エルドラド・アイスクリーム・カンパニーのオーナー、ジーノ・ザネッティの命を受けて、レーシングマシンを製作。自身のブランドを国際的にプロモーションしたいと考えたザネッティは、モンツァで初開催される「トロフェオ・デイ・ドゥエ・モンディ」に参戦するため、シングルシーターの製作をマセラティに依頼したのだ。
マセラティが作り上げた420/M/58 は、イタリアンレッドではなく、エルドラドのコーポレートカラーであるクリーム色だった。側面には黒のボールド体で大きく企業名が記され、ノーズと小型ディフレクター下に小さなロゴが配された。さらに、ノーズ中央とリアフィン左右側面には、笑顔のカウボーイのイラストが描かれている。
パワートレイン 左にオフセット
450Sツインカム・モデルに搭載されたV8ユニットをベースとするエンジンは、排気量が4190ccに落とされたものの、410hp/8000rpm の最高出力を発揮。また、超高速バンクを反時計回りにアプローチすることを考えて、エンジンとトランスミッションを左に9cmオフセットして、左右重量配分のバランスを取った。
ギアボックスは2速、ドディオン・リアアクスルにはディファレンシャルすら装着されていない。250F由来のチューブラーシャーシは、F1用よりもサイズを大きくするとともに随所に補強を入れて、モンツァのコンクリート路面で経験する強烈な機械応力に対応した。
その一方で、ハリブランド製マグネシウム・ホイールとファイアストン・ブレイズド・トレッドタイヤを組み合わせ、さらに空気より比重が小さなヘリウムを充填。マシン重量は758kgに抑えている。
マセラティ・エルドラド スペック
ボディタイプ:インディタイプ・シングルシーター
エンジン:90° V8
排気量:4190cc
最高出力:410hp/8,000rpm
トランスミッション:2速マニュアル
シャーシ:チューブラー構造、アルミニウム・ボディワーク
車両重量:758kg
最高速度:350km/h超
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