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トヨタ・アイゴ フェイスリフト版に試乗 よりスタイリッシュに、ただしUp!推し

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トヨタ・アイゴ フェイスリフト版に試乗 よりスタイリッシュに、ただしUp!推し

もくじ

どんなクルマ?
ー スタイリッシュな外観 欧州でも人気のモデル

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どんな感じ?
ー 物足りないパフォーマンス 長距離移動には不適
ー 市街地では好印象 インフォテインメントも充実

「買い」か?
ー 立ちはだかるUp!の壁 高級感や価格で劣る

スペック
ー トヨタ・アイゴ 1.0 VVT-i X-Clusivのスペック

どんなクルマ?

スタイリッシュな外観 欧州でも人気のモデル

2代目トヨタ・アイゴは2014年に発売されて以来、日本車としては英国成功しているモデルである。2017年だけで2万2264台ものアイゴが販売されたが、これは競争の激しいシティカー市場の12%を占めるだけでなく、このクラスで3番目に人気なモデルとなっている。

2018年には小規模なフェイスリフトが行われ、競合するフォルクスワーゲンUp!やスコダ・シティゴ、プラットフォームを共有するプジョー108やシトロエンC1に対する競争力を高めた。

モデル中期のフェイスリフトにありがちだが、最新のアイゴは先代とかなり似ている。とは言え、以前のモデルと比べて目立つようになったのは間違いない。

見た目でいうと、もっとも目につくのは魅力的なフロントマスクだろう。「X」状の黒いモチーフは平面から立体状に変更され、ノーズ部分の大きな特徴になっている。

ラインナップ名もよく考えてある。ベースグレードのXに始まり、X-Play、X-Plore、X-Cite、X-Clusivの5グレードが用意され、限定グレードのX-Pressも2500台限定で発売される。価格は9695ポンド(143万円)から1万4595ポンド(215万円)だ。

トヨタの1.0ℓ3気筒ガソリンエンジンに変更はないが、パフォーマンスや燃費は驚くほど向上し、フリクションが抑えられている。パワーは6000rpmで72psと従来の69psからは向上したものの、依然として控えめだ。一方のトルクは、9.4kg-mを4400rpmという高い回転数で発生させるが、これは従来よりも低下している。

どんな感じ?

物足りないパフォーマンス 長距離移動には不適

シリンダーヘッドには新しいデュアル・フューエルインジェクションシステムが採用され、排気口の拡大や燃焼室の形状見直し等も行われたが、いつでもパフォーマンスは不足しているように感じる。

トルクは極小で到底扱いやすいとは言えず、発進するために回転数にかなり気を配らなくてはならない。走り始めてからの加速も非常に遅く、0-100km/h加速(加速と言えるかも怪しいが)はなんと13.8秒もかかる。3気筒の陽気なエンジン音は相変わらずで、市街地を走るだけなら大いに親しみを感じる。ただ、スロットルを全開にして回転数を上げた時には音の粗さが目立ち、ノイズも大きすぎる。

高速道路に入ると、アイゴの性能不足をますます感じるようになる。確かにシティカーが快適に走れる領域を超えているのは間違いないが、高速道路の入り口での加速も時間がかかりすぎるし、同一ギアでの加速もやめたほうがいい。

スピードを出すと、エンジンはその存在を主張し、キャビンにはタイヤのノイズや風切音が盛んに入ってくる。耳障りな音ではないが、しばらくすると長距離移動にうんざりしてしまいそうだ。

市街地では好印象 インフォテインメントも充実

市街地に戻り、アイゴのコンフォート・ゾーンで走らせてやると、もっと期待できるような印象に変わる。操作系は軽く扱いやすいが、著しく短いクラッチの踏みしろには慣れるのに時間がかかるかもしれない。5速マニュアルトランスミッションは少々ゴムのような曖昧な感覚もあるが、ステアリングは適度な重さでダイレクト感があり、フィーリング豊かでなくとも、自信を持ってクルマをコントロールできる。

サスペンションは、前マクファーソンと後トーションビームの組み合わせ。垂直方向の動きはよくコントロールされているが、車高が高く、側面も平らで長いため、高速コーナーでのボディロールは大きい。乗り心地は概ね柔らかいが、くぼみが点在するような道では不快感がある。

2018年のアイゴのアップデートでは、標準装備の充実にも力が注がれている。もっとも大きな変化は新しい7.0インチのタッチスクリーン式インフォテインメントシステムだろう(X-Playグレード以上で標準)。これにはDABラジオやブルートゥース接続機能、リアビューカメラも含まれる。グレードによってはApple CarPlayやAndroid Auto、衛星ナビも選択可能だ。

われわれとしては、Apple CarPlay/Android Autoが使用できるようになるオプションを勧めておきたい。これらのOSはアイゴ標準のソフトウェアよりもずっと使いやすいのだ。

「買い」か?

立ちはだかるUp!の壁 高級感や価格で劣る

スタイリッシュなデザインや改良されたインフォテインメントシステムを考えれば、新型アイゴの持つメリットは大きい。それでもやはり、アイゴはわれわれ一押しのシティカーにはなれない。フォルクスワーゲンUp!ならもっと愉快で洗練されたドライビングが味わえるし、後席にも十分に大人が乗れるスペースがある。また、スコダ・シティゴのほうがUp!のクオリティに近く、しかもずっと安価だ。

さらに、Up!とアイゴではプレミアム感が大違いだ。インテリアにはどちらも硬質なプラスティックが多用されているのに、Up!のほうが高級感がある。

一方、96g/kmというアイゴのエミッション性能はかなり良く、公式発表で29.3km/ℓ(複合サイクル)と燃費もまずまずだ。

とはいえ、最大の問題は価格だ。エントリーグレードのアイゴは9695ポンド(143万円)で、対するUp!は9325ポンド(138万円)から。今回試乗したX-Clusivグレードには5速マニュアルミッションが搭載されるが、その価格は1万3895ポンド(204万円)で、これは5ドアのUp! GTIよりも360ポンド(5万3000円)安いだけだ。

もしわれわれならどちらを買うだろうか。もちろん答えはいつもこうだ。Up! GTIに決まっている。

トヨタ・アイゴ1.0 VVT-i X-Clusivのスペック

■価格 1万3895ポンド(204万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 159km/h
■0-100km/h加速 13.8秒
■燃費 29.3km/ℓ
■CO2排出量 114g/km
■乾燥重量 840-900kg
■パワートレイン 直列3気筒998cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 72ps/6000rpm
■最大トルク 9.4kg-m/4400rpm
■ギアボックス 5速マニュアル

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