現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ボルボXC40試乗レポート プレミアムコンパクトSUVのトップに躍り出た実力

ここから本文です

ボルボXC40試乗レポート プレミアムコンパクトSUVのトップに躍り出た実力

掲載 更新
ボルボXC40試乗レポート プレミアムコンパクトSUVのトップに躍り出た実力

素晴らしくレベルの高いSUVだということを冒頭からお伝えしたい。ここ数年ボルボの変貌ぶりには目を見張るものがあるが、出てくるモデルのレベルの高さには感心させられるばかり。今回のモデルはCセグメントサイズのSUVでコンパクトSUVに求められることを考えて企画されたモデルだ。<レポート:高橋明/Akira Talahashi>

■開発の狙い

ルノー カジャ―試乗レポート こだわりのデザインとダイナミック性能がカジャーの魅力

ボルボのラインアップには90シリーズ、60シリーズがあり、SPAと呼ぶプラットフォームを採用してきた。XC40は40シリーズのSUVで、サイズダウンではなく、コンパクトSUVに求められるもの、を重視して企画されているため、エクステリア、インテリアデザインも上級モデルとは異なるベクトルで開発されている。
つまり、ボルボブランドを表現しながら、上級モデルと共通したイメージやプレスラインなどを持たず、XC40専用のデザインになっているということだ。しかし、言うまでもないがハード部品、パーツの共有化などは当然行なっている。

その「コンパクトSUVに求められるもの」とは何か?カスタマーターゲットとしては賢くて個性を重んじる人であり、近代的な都会の利便性を求めているような人達であると。そのためには、その個性を表現できるクルマであり、自在に操れ、出かけられなければいけない、若々しく、自信に満ちて、思い通りに走れる必要があると考えて企画されたと説明する。

そのためにはXC60のサイズダウン版ではなく、一からコンセプトを立ち上げて造られたわけだ。そのためハードウエアのポイントとしては、コンパクトモデル用の新プラットフォームCMAを採用。コンパクト・モジュラーアーキテクチャーの略で、将来のPHEV用に、ボディ中央にバッテリーが搭載でき、モーターはフロントに設置するFFタイプになっている。60、90シリーズのSPAはリヤにモーターを搭載するタイプであり、このあたりでもクルマのキャラクター設定の違いが分かる。

また、このクルマの使命としては、北米での人気を取り付けることもある。ボルボとしてはCセグメントサイズを北米で販売するのは久しぶりになるが、ビジネスの太い柱として成長する必要がある。現在の生産工場はスウェーデンと中国にあるが、まもなく北米での生産も開始されるということなので、力の入れ方でも理解できる。

■個性あふれる仕立てと全車標準装備の先進安全機能

XC40のサスペンションでは、フロントがストラット、リヤはマルチリンクだが、スプリングには上級シリーズのような樹脂製のコンポジット・リーフスプリングを採用せず、コイルスプリングを使っている。またR-Designには専用の強化スポーツサスペンションを装備し、前後ともに強化スプリング、リヤのダンパーにはモノチューブダンパーを装備している。また、2019年モデルからはアクティブダンパーを備えるモデルも導入する予定ということだ。

ボディサイズは全長4425mm、全幅1875mm、全高1660mm、ホイールベース2700mmというサイズで、最低地上高は210mm、デパーチャーアングル30.4度、アプローチアングル21.7度という本格SUVと同等のクリアランス設定をしている。

搭載するエンジンはT4、T5で、直列4気筒ガソリンターボで、出力違いが現在のところラインアップしている。こちらも前述のように、今後は電動化されたモデルも投入され、また、説明はなかったがディーゼルの投入も考えられる。

また、ボルボと言えば安全というワードが出てくるが、ボルボのポリシーとして2020年までに新しいボルボ車が関わる事故による死者、重傷者をゼロにするという目標を掲げ、このXC40には、持てる安全装備を全車標準装備としている。従来の機能のスライド搭載では、最新版にアップデートされており、追加機能としては、クロストラフィックアラートがアラートだけでなく、後退時自動ブレーキになっている。そして、ACCがドライブモードに連動するようにもなった。

そのドライブモードは、Eco、Comfort、Sportとあるが、モードを切り替えると車線変更したときなどの加速力がモードに連動する。ちなみに車間距離を詰めるような設定はない。いずれも同じ車間距離が維持される。

インテリアでも個性的であるためにボルボならではの専用のアイディアがある。XC40にはフエルト生地をつかった内装を採用し、ドア内貼りにつかったり、オレンジ色のフロアカーペットにしたりと個性的だ。さらに、流木をイメージさせるドリフトウッドをつかったウッドパネルも個性を際立たせている。

もちろんインパネやダッシュボードまわりのデザインにも個性的な形が多く、凸凹を上手に使って奥行きのあるダッシュボードとしたりと、コンパクトSUVに求められるものを追求して、アイディアを投入していることが理解できる。

■試乗レポート

試乗したモデルはR-DesignでAWDのT5エンジンを搭載するモデルだ。最新のボルボの環境エンジンDRIVE-Eのラインアップで、2.0Lの4気筒ガソリンターボエンジン。252ps/350Nmという出力にアイシンAW製の8速ATを組み合わせている。ちなみにT4エンジンは同じく4気筒の2.0Lターボだが、190ps/300Nmという出力になっている。



そして、この試乗車は導入時の『ファーストエディション』という特別仕様車で559万円というプライスだ。装備は、パノラマガラスサンルーフ(20万円)、20インチアルミホイール&タイヤ(15万円)、ハーマンカードンプレミアムサウンド(10万円)、パワーテールゲート(6万円)が装備され、合計51万円分のオプション装備を同等のカタログモデル539万円にプラス20万円という超お買い得車だ。だが、残念なことに完売している。

この後、2018年6月以降からはモメンタムという中間グレードと、トップグレードで、レザーシートなどが標準装備されているインスクリプションの導入が決まっている。

さて、想定されるライバルはメルセデス・ベンツやBMW、アウディ、ジャガーといったプレミアムブランドのSUVで、GLAやX2、Q2、E-PACEなどであろうが、XC40は際立って個性的な印象を受けた。それはエクステリアデザインであり、インテリアデザインだ。ぜひ、実物を見て頂きたい。

そして走り出すとプレミアムモデルに相応しい、高級で上質な走りであることに驚かされる。20インチという大径サイズのタイヤ&ホイールにも関わらず、乗り心地が良くハーシュネスも問題ない。通常は大径の扁平タイヤでは絶対的なエアボリュームが少ないため、ハーシュネスでキツイことが多いが、見事にいなしていく。

ロードノイズも小さく、高速での風切り音も小さい。上手に遮音しているので特別装備されるオーディオの効果もより際立って聞こえてくるのだ。

ハンドリングも素晴らしいのひとことだ。穏やかに切れば穏やかに回頭し、切り足して行くと応答が敏感に反応し不安要素が顔を出さない。ワインディングを軽快に走り抜けることが楽しくなる。エンジンパワーも申し分はないが、アクセルペダルはやや早開きの設定で、北米を意識したセッティングになっている。そしてエンジンの音も小さく聞こえていて、そのサウンドがいい印象なのだ。この味付けは絶妙だと感心した。

まるでスポーツカーのように走れ、ドライビングポジションだけが高くなった、と言えば伝わるか。ロールも小さくヨーを敏感に作りだすので、不安なくカーブを曲がる。クイックだと感じることもなく、全体のまとまりは車格に見合ったダイナミック性能であれば十分なはずが、より上質でスポーティで、期待値を上回る性能にまとめてある印象だ。プレミアムコンパクトSUVのトップに躍り出たと言っていいだろう。

■価格




ボルボ XC40 関連情報
ボルボ 関連情報

関連タグ

こんな記事も読まれています

トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
グーネット
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
グーネット
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
グーネット
レンジローバー初のEVモデル!プロトタイプ車両を公開 過酷なロケーションで走行テスト
レンジローバー初のEVモデル!プロトタイプ車両を公開 過酷なロケーションで走行テスト
グーネット
2023年度のリコール、総対象台数は前年比1.7倍の約810万台 国交省発表
2023年度のリコール、総対象台数は前年比1.7倍の約810万台 国交省発表
グーネット
[新型トライトン]早くも要改善!? ランドクルーザー250並の機能が欲しい……せっかく装備してんだからカメラ目一杯使おーぜ!!
[新型トライトン]早くも要改善!? ランドクルーザー250並の機能が欲しい……せっかく装備してんだからカメラ目一杯使おーぜ!!
ベストカーWeb
衝撃! ”空力の鬼才”エイドリアン・ニューウェイがレッドブル離脱か
衝撃! ”空力の鬼才”エイドリアン・ニューウェイがレッドブル離脱か
motorsport.com 日本版
インディカー初参戦のテオ・プルシェールが次戦も続投へ。「彼の戦い方に感銘を受けた」とチーム代表
インディカー初参戦のテオ・プルシェールが次戦も続投へ。「彼の戦い方に感銘を受けた」とチーム代表
AUTOSPORT web
粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法
粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法
ベストカーWeb
カブト、新グラフィックモデル『KAMUI-3 RIDGE』を追加。2024年4月から発売
カブト、新グラフィックモデル『KAMUI-3 RIDGE』を追加。2024年4月から発売
AUTOSPORT web
ニッサン・フォーミュラE、伝統のモナコへ。連続する好成績に「チームの士気は高い」と監督も期待
ニッサン・フォーミュラE、伝統のモナコへ。連続する好成績に「チームの士気は高い」と監督も期待
AUTOSPORT web
変なあだ名のクルマと言わないで! あだ名は[愛されキャラ]の証なんです
変なあだ名のクルマと言わないで! あだ名は[愛されキャラ]の証なんです
ベストカーWeb
メルセデスの「SL」の始祖は「300SL」だった。ル・マン24時間でも優勝したアイコンはなぜ生まれ、どのように発展したのでしょうか?
メルセデスの「SL」の始祖は「300SL」だった。ル・マン24時間でも優勝したアイコンはなぜ生まれ、どのように発展したのでしょうか?
Auto Messe Web
「4EVER Untamed」のキャッチを掲げた第6世代の新型トヨタ・4ランナーが米国デビュー
「4EVER Untamed」のキャッチを掲げた第6世代の新型トヨタ・4ランナーが米国デビュー
カー・アンド・ドライバー
フォルクスワーゲン「ポロGTI」誕生25周年!記念モデルを227台限定で発売
フォルクスワーゲン「ポロGTI」誕生25周年!記念モデルを227台限定で発売
グーネット
ヒョンデ 新型高性能EV「アイオニック5N」発売!50台限定の特別仕様⾞も設定
ヒョンデ 新型高性能EV「アイオニック5N」発売!50台限定の特別仕様⾞も設定
グーネット
日産 コネクテッドサービス「ニッサンコネクト」が進化!アプリから操作できる機能が倍増
日産 コネクテッドサービス「ニッサンコネクト」が進化!アプリから操作できる機能が倍増
グーネット
メルセデス・ベンツ 「GLCクーペ」PHEVモデル登場!電気モーターのみで118キロ走行可
メルセデス・ベンツ 「GLCクーペ」PHEVモデル登場!電気モーターのみで118キロ走行可
グーネット

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

529.0609.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

205.0544.0万円

中古車を検索
XC40の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

529.0609.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

205.0544.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村