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ポルシェ・カイエン・ハイブリッド 既に仕上がりは上々 モデルの中で最有力

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ポルシェ・カイエン・ハイブリッド 既に仕上がりは上々 モデルの中で最有力

もくじ

どんなクルマ?
ー ディーゼルなき今、重要度が高まる存在

ポルシェ 全ディーゼル・モデル生産終了 マカン/パナメーラ

どんな感じ?
ー パナメーラと異なるハイブリッドシステム
ー 電気のみでの走行距離は40km、最高速度は135km/h
ー ハイブリッドならではの滑らかさ

「買い」か?
ー 上質さと楽しさの両方を叶えてくれる

スペック
ー ポルシェ・カイエン・ハイブリッドのスペック

どんなクルマ?

ディーゼルなき今、重要度が高まる存在

すべてのディーゼルモデルのリリースが保留となっている現在のポルシェにおいて、新しいカイエン・ハイブリッドのプレゼンスは従来以上に高まっている。もしランニングコストや税金面を強く意識してカイエンを選ぶ場合、ハイブリッドモデルがその有力な選択肢となってくるからだ。

ポルシェは、今後のディーゼルエンジンを搭載したモデルの生産終了を否定はしているものの、あくまでもその戦略は「検討中」としている。われわれは見守るしかなさそうだ。

このカイエン・ハイブリッドだが、パナメーラ・ハイブリッドのシステムをそのまま転用したと考えるのは間違い。4輪駆動システムが標準となるから、共通する部分はあっても、まったく同じものではない。

ハイブリッド化により、全体的にはプラスの面が多いが、マイナスの面も混在する仕上がりとなっている。

さっそく詳しく見ていこう。

どんな感じ?

パナメーラと異なるハイブリッドシステム

まずカイエン・ハイブリッドに搭載されるエンジンは、パナメーラ・ハイブリッドと同じものではない。パナメーラには2.9ℓのV6ターボが採用されているが、カイエンには3.0ℓV6ターボが選ばれている。

この排気量の選択だが、正しいとは言い切りにくい。

同じエンジンブロックで排気量を小さくするということは、クランクシャフトの設計を見直し、強化させつつ、ピストンのストローク量を短くするということ。それにより、逆にパナメーラSは、446psの最高出力を得ている。つまり、パナメーラ・ハイブリッドの方が、出力では勝るのだ。

カイエンの場合、この排気量が小さく強力なエンジンの搭載は見送られた。と言っても、3.0ℓV6ターボユニットは単独で339psを発生させ、さらにモーターによって135psが加勢される。ちなみにこのモーターは、パナメーラ・ハイブリッドに搭載されているモーターと同じものだ。

このふたつを組み合わせて、総合出力は不足のない475psに達する。

一見すると悪くなさそうだが、パナメーラの場合、ハイブリッドシステムの搭載で320kgもの重量増を招いてしまった。カイエンの場合、まだ正式な認可が下りておらず車重は明らかになっていないが、近似する重量増は必至。パナメーラよりも最高出力が抑えられているエンジンが、良い結果につながるのだろうか。

電気のみでの走行距離は40km、最高速度は135km/h

その次の相違点は、トランスミッション。

パナメーラのすべてのモデルには、PDKダブルクラッチ・トランスミッションが採用されているが、カイエンにはより一般的なZF製の8速ATが採用されている。一見ハイブリッドの仕上がりとは関係なさそうだが、南アフリカを2日間走り回ってテストしてみた結果、とても密接に関係しているようだ。

新しいカイエン・ハイブリッドが、旧モデルとからどの程度速くなっているのか、現段階で説明は難しい。しかし明らかにパワーとトルクは増強されており、0-100km/h加速は5秒をわずかに超える程度となるだろう。最高速度は約255km/hと予想できる。

つまり、充分に速い。

電気のみでの最高速度は、より軽量で車高が低く、空気抵抗も少ないパナメーラ・ハイブリッドは140km/hまで出せたが、カイエン・ハイブリッドは135km/hと若干低くなっている。また、およそ40kmの距離を電気だけで走行が可能だ。

ハイブリッドならではの滑らかさ

今回のハイブリッド化に際して、パナメーラと比較して、カイエンの重量増は小さく抑えられている点は注目できる。恐らく、パナメーラよりもダイナミック性能での要求が少ない、ラグジュアリーSUVというカテゴリーだからだろう。

そして、このパワートレインは極めてスムーズに仕上げられている。エンジンとモーターによる出力を、PDKでは真似できないようなスムーズさで、ZF製のATは制御してくれる。

その結果、この巨体のSUVは、ポルシェが今まで生み出してきたどんなモデルよりも、優れた洗練性を身につけている。まるでショーファードリブンのサルーンの様な滑らかさがある。

さらに、このハイブリッドシステムは、数少だとは思うが、オフロード走行を楽しむオーナーにも恩恵がありそうだ。電動モーターは、エンジンよりも繊細で正確なスピードコントロールが可能だから、岩場を上り下りする際などの、極低速走行時に威力を発揮するだろう。

「買い」か?

上質さと楽しさの両方を叶えてくれる

ハイブリッド自体は、すでに珍しいものではなくなっているけれど、新しいカイエン・ハイブリッドは単純にランニングコストや税金面でのメリット以上の、魅力を備えていると思う。

もし、古いカイエンに搭載されていた様なディーゼルエンジン、特にV8ディーゼルが選択できるなら、おそらくコストやパフォーマンスの面で、ハイブリッドより魅力的なモデルとなっているはず。このレポートでの結論も違っていただろう。

しかし、ディーゼルモデルが欠けている中では、ハイブリッドモデルが質と楽しさの両方を叶えてくれるカイエンだとまとめたい。

ポルシェ・カイエン・ハイブリッドのスペック

■価格 未定
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 252km/h(予想)
■0-100km/h加速 5.3秒(予想)
■燃費 未定
■CO2排出量 未定
■乾燥重量 2400kg(予想)
■パワートレイン V型6気筒2995ccターボ・ハイブリッド
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 475ps/5400rpm(複合/予想)
■最大トルク 69kg-m/1100rpm
■ギアボックス 8速AT

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