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三菱 クーペタイプのSUV「エクリプス クロス」待望の登場と試乗インプレッション

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三菱 クーペタイプのSUV「エクリプス クロス」待望の登場と試乗インプレッション

三菱の久々のニューモデルとなるSUV、「エクリプス クロス」は2017年の東京モーターショーで日本初公開された。エクリプス クロスはグローバル戦略車と位置付けられ、2017年3月のジュネーブショーでワールドプレミアされ、2017年10月に、ヨーロッパ市場向け、11月からはオーストラリア向けの出荷が開始されている。

また、ヨーロッパ(ユーロNCAP)、オーストラリアでの安全性評価テスト(ANCAP)を受け、いずれも最高評価を受けるなど、このニューモデルに対する期待が高まっており、国内でも2017年12月22日から予約注文も開始されている。

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そして東京モーターショーでの日本初披露に続き、ほぼ量産モデルに近い日本仕様のプロトタイプが12月初旬、メディア向けに公開され、短時間の試乗も行なうことができた。

■コンセプトとデザイン

エクリプス クロスは、世界的に販売好調が続くコンパクト・クロスオーバーSUVのカテゴリーとして企画された。企画そのものは2013年頃にスタートを切っていたが、開発途中で性能目標が未達であることがわかり、2015年11月に開発を中断し、プロジェクトをリセットして改めて開発されている。そのため当初の計画より、1年遅れのデビューを迎えたという数奇な経過をたどったニューモデルだ。

エクリプス クロスは、三菱のDNAであるSUVとしての基本性能の高さ、S-AWC(Super All Wheel Control)技術による高次元の運動性能をベースとしながら、SUVの新たな価値観であるスタイリッシュなクーペ・フォルムを採用したスポーティ、パーソナルなSUVとされている。

そのためデザイン面では、ダイナミックなウェッジ・フォルムをベースにしたスポーティな5ドア・クーペのアッパーボディと、たくましいロワボディを組み合わせた斬新なエクステリアを実現。デザイン・コンセプトは「躍動と挑戦」とされている。

このエクステリアに加えて、存在感を高める多コート重ね塗り塗装による、深みがあり、硬質感を表現するプレミアムカラー「レッド・ダイアモンド」の採用などにより、上質感をアピールしている。

インテリアは、インスツルメントパネルを上下で分割したようなダブルボリュームの水平基調のデザインを採用し、ドアトリムの要所にはサテン仕上げの金属調アクセントを採用し、上質感やモダンさを表現している。

■パッケージング、ボディ、シャシー

エクリプス クロスはアウトランダーと共通のプラットフォームを使用し、そのためホイールベースはともに2670mmとなっている。しかし全長は4405mmで、アウトランダーより290mm短いショート・オーバーハング/ボディになっているのが特長。車格的にはアウトランダーとRVRの中間と位置付けられ、C+セグメントに相当する。

ボディは、スポーティでリニアな運動性能を実現するため、剛性を高めるためにフロント周りではスタラットタワー部とカウルトップ補強ビームを結合するガセットプレート、フロントアッパーフレームとAピラー下端のブレース結合、3点止のタワーバーなどを採用している。

またさらにドアの開口部やリヤゲート周り、リヤのホイールハウス周りなどに構造用接着剤を使用し、リヤ周りのボディの結合剛性を高めている。

デザイン的にはクーペ・スタイルのクロスオーバーSUVだが、パッケージングはリヤシートの居住スペースも十分に確保され、リヤシートが犠牲になっているわけではない。リヤシートは前後に200mmのスライド量を持ち、シートバックは16度~32度の範囲で9段階のリクライニングが可能で、リヤ席の快適性を高めている。

またリヤのラゲッジ容量も、最大で9インチのゴルフバッグが4セット、後席のシートスライドを最後端まで下げてもゴルフバッグは3セット積載できるスペースを持っている。

サスペンションはフロントがストラット式、リヤはマルチリンク式を採用。前後のダンパーは微低速時の高減衰を発生するバルブを採用し、乗り心地と操縦安定性を両立。またリヤ・サスペンションのブッシュには中間板入りのブッシュを採用し、最適なトーコントロール性を両立させている。

ステアリングギヤは、エクリプス クロス専用にロックtoロックを2.9回転とアウトランダーよりクイックにして、スムーズでリニアなハンドリングを追求。

■エンジン、S-AWC

エクリプス クロスは、新たに開発された本格的なダウンサイジング・ターボの4B40型を搭載している。排気量1499cc、ボア×ストロークは75.0×84.8mmのロングストロークで、直噴+ポート噴射のデュアル噴射方式を採用している。またターボのアクチュエーターは電動式を新採用している。EGRシステムやリーンバーンは採用していない。

このエンジンはレギュラーガス仕様の1.5Lターボで、出力は163ps/5500rpm、最大トルクは250Nm/1800-4500rpmと、自然吸気2.4Lを上回るトルクを発生する。なお動力性能は最高速200km/h、0-100km/h加速は9.8秒となっている。

トランスミッションは新制御を採用したCVTで、低中速トルク型の新エンジンに適合させ、ATのようなフィーリングのステップアップ変速制御を採用。中間加速時にアクセルの踏み込に対してCVT特有の滑るフィーリングのエンジン回転上昇を抑え、アクセル開度に応じたリニアで力強い加速特性を実現している。なおCVTの変速比幅は6.5。パドルによるステップ変速は8速の疑似変速となっている。

4WDシステムは、JTEKT製の電子制御カップリングを採用している。前後の駆動トルク自動可変配分に加え、前輪の左右独立のブレーキ制御によるAYC、アクティブ・ヨーコントロールを行なうことで、コーナリング時の旋回トレース性能を高めている。またトラクション性能とコーナリング性能を両立させるため、走行モードはAUTO、SNOW、GRAVELの3モードが選択でき、路面に最適な走行性能を引き出すことができる。

エクリプス クロスは都会派のスポーティなクロスオーバーSUVだが、本格SUVと同等レベルの悪路走破性に妥協がないという点は、三菱のSUVのDNAの継承ということができる。そのため電子制御カップリングはJTEKT製だが、4WD可変制御とAYC制御の統合を含めて三菱がソフトウェアを開発している。

また車体側では、最低地上高175mm、アプローチ角20.3度、デパーチャー角30.8度と悪路での走破性を高めるスペックも備えている。

■予防安全、インフォテイメント

予防安全システムも進化している。アウトランダーの場合は緊急自動ブレーキのためのセンサーは単眼カメラとレーザーレーダーで、ミリ波レーダーはアダプティブ・クルーズコントロール専用だった。だが、エクリプス クロスは、アダプティブクルーズコントロールに加え、自動ブレーキのセンサーとしてもミリ波レーダーを使用し、カメラによる歩行者の検知も行なうようになっている。

もちろんレーンデパーチャーウォーニング、前後誤発進抑制システム、ブラインドスポットウォーニング、リヤクロストラフィックアラート、オートハイビームなども合わせて採用され、最新のシステムとなっている。

また、カラー表示のヘッドアップディスプレイも採用されている。このディスプレイは車速などの基本情報以外に、シフトポジション、クルーズコントロール、スピードリミッター、車線逸脱や車間距離の警報なども表示されるなど多彩な機能を備えている。

インフォテイメントは、スマートフォンとのコネクティビティを重視し、Androidオート、Appleカープレイを使用してUSB接続することで、スマートフォン連携のディスプレイ&オーディオを実行することができる。

センターディスプレイに表示されるスマートフォンのアプリは、ステアリングスイッチ、音声コントロール、シフトセレクター横にあるタッチパッド式コントローラーのいずれでも操作できる。なおAppleカープレイのタッチパッド操作の実現は、このエクリプス クロスが世界初だという。

■エクリプス クロス プロトタイプ試乗インプレッション<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

今回披露されたエクリプス クロスはほぼ量産仕様だがプロトタイプのため、クローズドコースでの短時間の試乗となった。

試乗は、スラローム、ウェット路面での旋回、そしてモーグル路、階段路、45度登坂といったメニューだった。スラロームではステアリングの応答性や、加減速でのリニアリティがチェック項目だが、ステアリングの剛性感、ボディの動きの遅れの少なさが印象的で、運動性能のポテンシャルは高いと感じられた。

また、加減速でもCVTのネガとされる滑り感がほとんどなく、アクセルの踏み込みに応じたダイレクト感のある走りで、パイロンの間を抜けるときのコントロール性もステップATに近いフィーリングだと感じた。

ウェット路面での大きく回り込むコーナリングでは、S-AWCの威力を体感するメニューだ。アクセルを踏み込んでのコーナリングでも思っている以上にフロントは外側に逃げず、限界性能はかなり高いことが実感できる。つまり滑りやすい路面でもステアリングに操作に応じたラインを走ることができるわけだ。

今回は、限られた距離のフラットな舗装路面だったので、残念ながら乗り心地や、高速走行は試せなかったので、これは公道での試乗テストを待つしかない。

最後は三菱のSUV4WD性能の底力を見せるデモンストレーションで、傾斜20度のキャンバー路、1輪が完全に浮き上がるモーグル路、階段路面、さらに45度の登坂が行なわれた。走行モードは、リヤの駆動力が最大限になるGRAVELモードだ。

いずれの走行でもサスペンションのストロークが十分に確保され、駆動力がしっかり確保されているのが印象的だった。特に45度の登坂では、一旦最上部からバックし、坂道発進の要領で45度に挑む場面ではディーゼルエンジン並みの低速トルクと、ホイールの空転を防ぐブレーキ制御により、確実に再発進してスロープ最上部まで登り切ることができる実力は、本格SUVと同レベルの実力を持っていることが実感できた。

なお、エクリプス クロスの正式価格は未公表だが、約260万円~310万円の価格帯とアナウンスされている。

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