現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > マセラティ・レヴァンテS試乗 ガソリン車は英国で初 ディーゼルとの比較も

ここから本文です

マセラティ・レヴァンテS試乗 ガソリン車は英国で初 ディーゼルとの比較も

掲載 更新
マセラティ・レヴァンテS試乗 ガソリン車は英国で初 ディーゼルとの比較も

もくじ

どんなクルマ?
ー ガソリンのレヴァンテ 英国では初
ー 3.0ℓV6ターボ 詳細の数値は

マセラティ・レヴァンテGTS フェラーリV8搭載 価格はどうなる?

どんな感じ?
ー レヴァンテS 試乗してみると
ー ステルヴィオ/レンジローバースポーツとの違い

「買い」か?
ー マセラティが好きならば

スペック
ー マセラティ・レヴァンテSのスペック

どんなクルマ?

ガソリンのレヴァンテ 英国では初

レヴァンテSの導入によって、右ハンドル市場にガソリン・エンジン搭載のマセラティのSUVを供給することが可能になった。

レヴァンテのローンチ時、イギリス向けにはV6ディーゼル・エンジン搭載車のみであったが、同社も認めているように、自身のコア・ブランドバリューのひとつである官能的なエンジン・サウンドを欠いていた。

マセラティにとって、レヴァンテは、多くの販売台数を確保することを目的に造られたクルマである。2016年のローンチ以来、比較的経済的なディーゼル・モデルをラインナップしたこともあり、レヴァンテはマセラティの年間生産台数を倍増させている。

しかし、伝統のトライデント・バッジを付けるモデルとしては、物足りないと感じているイギリスの熱心な愛好家は確実に存在している。

だからこそ、ガソリンエンジン投入のおかげでマセラティのクルマが持つ、ラグジュアリー、パフォーマンス、そして選好性を、ゴロゴロという農耕器のような音のするディーゼル・エンジンと共に連想する必要は、もうなくなったと見ることができるのだ。

3.0ℓV6ターボ 詳細の数値は

フェラーリが供給する、ツイン・ターボで過給の3.0ℓガソリン・エンジンは、430psのパワーと59.1kg-mのトルクを4500rpmで発生する。メーカーによれば、0-100km/h加速を5.2秒で駆け抜け、最高時速は262km/hに達するという。

ディーゼル・エンジン・モデルの燃費は、リッター13.8kmを標榜し、ガソリン・エンジン・モデルの燃費はリッター9.1kmで、253g/kmのCO2を排出する。

2018年モデルの導入にあたり、マセラティはふたつの新しいモデルを追加している。レヴァンテ・ディーゼルかレヴァンテSを選択した後は、グラン・スポーツかグラン・ルッソのどちらかの仕様を選ぶことができる。

前者は、ブラックのボディ・トリムやサポート性のよいスポーツ・シート等、スポーティなデザイン・タッチを加え、後者は、エクステリアにクロームやボディ同色の手当てを行い、インテリアにはカーボンファイバーに代えてウッド・トリムをあしらいラグジュアリー性を高める。

他では、電動ステアリング、レーンキープ・アシストや道路標識認識などを含む、レベル2の先進ドライバーアシスト・システムを導入している。

レヴァンテを購入した90%の人は、過去にマセラティを所有したことが無いというから、このクルマは、マセラティが画策する事業戦略上の重要なエントリー・ポイントとして機能する必要がある。

どんな感じ?

レヴァンテS 試乗してみると

レヴァンテSは、パフォーマンスとラグジュアリーの狭間を埋めるために企画された。つまり、このクルマは洗練され、静粛性を備え、しかも快適でなければいけない。加えて、速く、俊敏であることも求められている。マセラティのエンジニア達は、この作業を手短に済ませているが、両者を突き詰めることなく、それなりの成果を出しているのも事実だ。

全てのレヴァンテには、エア・スプリングが標準で装備されているが、初期モデルのそれは、取り扱いに一種のピーキーさがあり、その特性はどのスピード域でも一貫していた。

一方で、このレヴァンテSは、路面からの入力に対するいなしが改善している。もっとも、ポルシェ・カイエンのアイロンで伸ばしたかのような路面を走っている魔法の感覚とは異なるが。

フレームレス/2重ガラスのウインドウは風切り音を遮断し、ガソリン・エンジンのV6のサウンドは、よく調律された美声を発する。

8速オーマティックは、通常のスピードでは、スムーズで不満は出ない。マニュアル・モードを選択して、エレガントなアルミ製のパドルを介し、俊敏に正確なシフト操作を行うことができる。ただしデュアル・クラッチには一歩及ばない。

スポーツを選択すると、パワートレインを奮い立たせ、ギアシフトはよりテキパキとし、アクセルはよりレスポンスを増し、サウンドはよりアグレッシブになる。

エンジンは、シャープでレスポンスよく、気持ちよく回転するばかりか、ディーゼル・エンジンには不在であるパワーの応酬が得られる。

カイエン・ターボのように、アクセルを積極的に踏み込まずとも、速く感じるのも特徴だ。その魅力的なエンジン・サウンドや、より回すことのできるキャラクターからも、このクルマには、ディーゼル・エンジンではなく、ガソリン・エンジンのV6の方が、間違いなく適任と思われる。

ステルヴィオ/レンジローバースポーツとの違い

スポーツ・ボタンをもう一度押すと、車高が20mm下がり、ダンパーは硬くなる。ウインター・タイヤであっても、レヴァンテSのハンドリングは操舵性に優れ正確。速いスピードでコーナーへ飛び込んでも、フラット・ライドと落ち着きを保つ。

同価格帯のアルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオのように、その走りがエキサイティングで、車格を忘れるような俊敏さを持っているわけではないが、かといって、フロントのグリップやコーナーの中腹での車両制御に物足りなさを感じたりすることはないだろう。ダイナミクスの観点からは、このレヴァンテSは、とてもよく仕上げられている。

旧モデルの油圧ステアリングは完成度に欠け、満足ゆくものではなかった。よって電動ステアリングに置換されても、それほどの嘆きはない。新しいシステムは、適度に重く、俊敏で、とても正確である。よって、油圧ステアリングの返り咲きを求める声は上がらないだろう。

レヴァンテのオーナーにオフロードへ臨むことを薦めることは、ほとんど意味のないことであるが、このクルマの正義のために付け加えるなら、泥や轍のひどい悪路や60cm程の水路における、良好な走破性も備える。

通常の走行では全てのパワーを後輪に送る一方で、後輪のスリップを認識したり、オフロード・モードを選択し車高を上げると、半分のパワーが前輪に送られる。

一部に量産品とも思われるトリムが存在するが、それを除けばレヴァンテのインテリアは高品質のレザーと造りの良さで、とても上質な雰囲気を持つ。

レンジローバー・スポーツが持つ、全面に渡る豪華さには適わないかもしれないけれどレヴァンテはこのクラスにおいて良質なキャビンを持つ。

「買い」か?

マセラティが好きならば

もしあなたが、希少性やマセラティ・バッジに好感を示すのであれば、特にこのレヴァンテSを薦めない理由は存在しない。

他のSUVは、よりラグジュアリーで、しかも、スピードがのった時の操作性に優れるかもしれないが、レヴァンテは各速度域でその実力を発揮する。

しかも、クルマのキャラクターを色濃く感じることができる。そして、このレヴァンテSにはマセラティSUVにとってトライデント・バッジに恥ずかしくないエンジンが搭載されている。

ベース・モデルは、7万755ポンド(1061万円)からスタートし、グラン・スポーツ又はグラン・ルッソを選ぶと、7万6995ポンド(1155万円)に達する。

レヴァンテSは、同じパワーを誇るポルシェ・カイエンSよりも少し高価であるが、出力で断然劣る338psのスーパーチャージャーで過給されるV6を持つレンジローバー・スポーツよりも若干安価である。

マセラティ・レヴァンテSのスペック

こんな記事も読まれています

レクサス、新型SUV「GX550」を今秋に発売! さらに100台限定で“オーバートレイル+”も先行抽選販売へ。
レクサス、新型SUV「GX550」を今秋に発売! さらに100台限定で“オーバートレイル+”も先行抽選販売へ。
くるくら
レクサスが新型「GX550」の限定モデル“OVERTRAIL+”を抽選で発売
レクサスが新型「GX550」の限定モデル“OVERTRAIL+”を抽選で発売
@DIME
F2王者プルシェール、F1参戦叶わなければインディカーフル参戦も視野に? オーバル挑戦にも前向き「チャンスがあれば当然やりたいよ」
F2王者プルシェール、F1参戦叶わなければインディカーフル参戦も視野に? オーバル挑戦にも前向き「チャンスがあれば当然やりたいよ」
motorsport.com 日本版
ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
レスポンス
全国各地で地震が多発! クルマまわりの防災設備をさらに強化しつつ「モバイルトイレ」にも期待【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
全国各地で地震が多発! クルマまわりの防災設備をさらに強化しつつ「モバイルトイレ」にも期待【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
LE VOLANT CARSMEET WEB
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
くるまのニュース
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
VAGUE
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
レスポンス
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
Auto Messe Web
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
LE VOLANT CARSMEET WEB
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
Webモーターマガジン
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
motorsport.com 日本版
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
日刊自動車新聞
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
Webモーターマガジン
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1299.02349.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

306.82295.0万円

中古車を検索
レヴァンテの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1299.02349.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

306.82295.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村