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ニューモデル 2017.12.19

フェアレディZはヤマハが試作した!? 徳大寺有恒が語るS30Z

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 日産が誇るスポーツクーペ、フェアレディ。その歴史は長く、日産ではスカイラインと並ぶまさにブランドを代表する車種でもある。なかでもフェアレディZの初代となるS30は、現行型のZ34に至るまでのモデルのなかでも、もっとも造形が美しいモデルと呼ばれている。そんなS30には実はヤマハとの関係があった、と徳大寺氏は言う。日本のみならず北米でも愛された「Z」の誕生に迫ろう。

文:徳大寺有恒/写真:ベストカー編集部
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■フェアレディと"Z"の違いとは!?

 フェアレディZのフェアレディと違うコンセプトはなんといっても「快適な室内で高速クルージングを楽しむためにクローズドボディとした」ことだ。ロードスターかクーペタイプかという問題は決着しかけていた。ロードスターは確かにスポーツムードもあり、"らしい"のだが、高速になればなるほど空気抵抗を受けるし、風の巻き込みで生理的にもきつい。フェアレディZが誕生した'69年頃は高級車ほどクローズドボディを採用し始めていた。

 いっぽうでフェアレディから受け継がれたコンセプトもある。それは量産車のパーツをできるだけ使い、価格を下げることだ。SR311の価格は最初85万円、最終でも88万円という安さであり、これはモータースポーツエンスージャストにとっても、とてもありがたいことであった。このポリシーはZのアメリカ西海岸での基本プライス3596ドルになって実を結んだ。

Zの北米での大人気を生んだ理由はこの安さにもあったのだ。そして、新しいメカニズムを積極的に導入していた。4輪ストラット式サスペンションはその最たるものだ。さらにフェアレディZはスポーツカーというよりもグランド・ツーリングカー(GT)とはっきり謳っていた。フェアレディからの流れを汲みながらフェアレディZは新しいGTカーとして誕生した。

流麗なスタイリングは現代でも称賛されており、愛好家も多く存在する

■ヤマハと日産の関わりが2000GTに繋がる!?

 フェアレディZのスタイリングはフロントエンジンのスポーツ&GTカーたちのプロポーションで、私はフェラーリ275GTB/GTB4あたりの影響を感じる。その後発表された開発段階の資料によれば、
ピニン・ファリナよりもフルア(編集註・ピエトロ・フルアのこと。イタリア人デザイナーでボルボP1800やマセラティ・ミストラルのデザインで知られる)あたりに近かったように思える。

 私はこのフェアレディZについて面白い話を聞いた覚えがある。Zのプロトタイプの開発はヤマハでやったというのだ。それはDOHCヘッドで2Lユニットを持ったファストバッククーペであった。そして、どんないきさつか、その後ヤマハはトヨタと関係を持ち、あのトヨタ2000GTを作る。トヨタ2000GTも2LDOHCユニットを持ち、ファストバックスタイルであったことを想うと当時日本の2大メーカーの舞台裏での闘いがうかがい知れてとても興味深い。

 日産がこのヤマハ製"ニッサン・ジャグァー"をキャンセルした最大の理由はコストにあったのではなかろうか。フェアレディZは84万円からとトヨタ2000GTの238万円に比べると3分の1にすぎない安さだ。フェアレディZはその安さもあってアメリカでよく売れた。S30Zは9年間に40万5744台というスポーツカーとしては信じられないくらいの台数が販売された。"Z(ズィー)カー"はスポーツカーの代名詞となり、日本人にとってのMG、ジャグァー、ポルシェと同じくらいの尊敬と憧れを持って呼ばれたのだ。

■GT-Rと心臓を共有したZ432とS30のベストグレード

 フェアレディZには3つのエンジンがある。L20型直6、2LSOHCエンジン搭載のZとL24型直6、2.4LSOHCエンジン搭載の240Z、そしてスカイラインGT-Rと同じS20型直6DOHC4ヴァルブエンジン搭載のZ432である。L20はSUツィンキャブで130馬力を発生したが、けっしてスポーティなエンジンではない、丈夫で信頼性はこの上ないが、私は名機だとはさらさら思っていない。

Z432のネーミングの由来は「"4"バルブ/"3"キャブレター/"2"カムシャフト」といわれている

 Z432はスカイラインGT-Rと同じS20だけになんとも勇ましいものだった。5000rpmあたりから2段ロケットに火が付いたようにグンとトルクが出ていくが、なかなか実力を発揮してくれないし、サーキット以外その場所もなかった。もう時効だからいうが、この432で快感を味わった。当時日産の広報車に"R"仕様があった。豪華仕様を取り去り、深いバケットシートを与えられたものだった。

 こいつで東京を明け方の3時30分に出発し、東名を大阪に向かった。走行中ダブルカム、4ヴァルブ、6本のラムパイプの吸気音が混じり合い、室内はかん高いシンフォニーで覆われ尽くした。しかし、私のベストは240Zだ。L24型は150ps/5000rpm、21.0kgm/4800rpmを発生した。この21.0kgmの最大トルクはZ432の18.0kgmに3kgm勝っていた。Z432Zのスポーツ性は1番だが、メインテナンスに手がかかりすぎる。その点、240Zは3速ATでも楽に高速巡行ができ、低速トルクはホイールスピンを見せるほどだった。

 240Zには240Z-Gというロングノーズモデルがあり、空気抵抗が減るため、最高速が伸びたが、オーバーハングが大きくなり、運転がしにくかった。また240Zよりも25kg重くなった。ロングノーズのZをさらに鼻を伸ばした240Z-Gは人気となったが、運転が楽しいのは240Zあるいは装備のいい240Z-Lのほうだ。

"Gノーズ"というロングノーズを装着することで空気抵抗削減を狙った「240Z-G」

 '74年になると4シーターの2/2が登場した。ホイールベースが300mm大きくなり、全長は240Z比+310mmの4425mmとなった。短時間でも4人が乗れることで実用性は増したが、GTカーとしてのバランスの取れたスタイリングと、それにも増してシャープなハンドリングを失ってしまった。

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(ベストカーWeb ベストカー編集部)

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