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CX-8試乗 走り/内装/3列目シートの評価は? 12/14発売

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CX-8試乗 走り/内装/3列目シートの評価は? 12/14発売

もくじ

どんなクルマ?
ー マツダの3列シートSUV 6人乗り仕様
ー CX-9、CX-5とココが違う ーー 静粛性

『マツダCX-8XD Lパッケージ 初試乗』すべての写真をみる

どんな感じ?
ー 車重1830kg CX-5比プラス190kgだが……
ー ディーゼルのエンジン音、ロードノイズは?
ー 「サードシートは実用的?」

「買い」か?
ー 3列目/プレミアム性で判断を シートアレンジ画像

スペック
ー CX-8 XD Lパッケージ(FF 6人乗り) スペック/サイズ情報

どんなクルマ?

マツダの3列シートSUV 6人乗り仕様


外観の印象はCX-5ストレッチキャビン。インパネ周りの基本造形もそっくり。ユーティリティ向上の派生モデルでは? と少々侮っていたのだが、CX-5の上位モデルたる内容をしっかりと備えていた。


搭載エンジンは2.2ℓターボディーゼル。型式はCX-5と同じSH-VPTS型だが、2ステージ・ターボの大径ターボ側に可変ジオメトリー機構を付加し、燃焼室形状も燃料噴射制御も変更している。別エンジンとまでは言えないが、増加した重量に応じた出力/トルク向上と燃焼音低減などの改良は重量増対応だけでなく、車格に相応な走りの質を狙ったものである。


CX-9、CX-5とココが違う ーー 静粛性


シャシーは国内未導入ながらマツダSUVの最上級モデルとなるCX-9をベースに開発。フロントピラーから前部の車体構成はCX-5を踏襲するなど、CX-9のナローボディ仕様とも言い難いのだが、CX-9をベースにCX-5のハードやセッティングを導入したと考えていい。


興味深いのは遮音対策である。ルーフライニングやリアホイールハウス周りに遮音材を付加するとともにリアエンドの風切り音低減のためにルーフスポイラー形状も工夫が施されている。サードシート乗員の環境の一環だが、車内での会話明瞭度など多人数乗車でドライブを楽しむクルマとしてCX-5よりも一歩踏み込んだ静粛性を求めた設計なのだ(黒内装の写真:7人乗り仕様)。


こういった配慮はCX-8が国内向けマツダSUVの頂点車種のみならず、MPVの撤退も含めて手薄となっているミニバン系の補完を狙った車種の側面も併せ持つ。


どんな感じ?

車重1830kg CX-5比プラス190kgだが……


CX-5と比較すると走り出しで重くなった車重を意識するが、それ以外の動力性能面での重量ハンデはほとんどない。CX-8 XD Lパッケージの車重はFFで1830kg、4WDで1900kg。同等装備のCX-5と比べて約190kg重い見当である。一方、パワースペックは最高出力が15ps増、最大トルクは3.1kg-m増である。


車重増が約12%で、最大トルクの上乗せが7%強なら収支は赤字になってしまうが、それをカバーするのが約8%ローギアード化された総減速比だ(タイヤサイズは同じ)。つまり、同速ギア選択時の駆動輪に発生するトルクは計算値ではCX-8のほうが多少ながら大きい。


実のところ、試乗印象でCX-5以上のゆとりが感じられたので計算してみたのだが、プレミアム感やユーティリティのために大きく重くなっても、マツダの最上位クラスに相応の走りを補償すべく、しっかりとハードウェアにも手を入れてあるのだ。


ディーゼルのエンジン音、ロードノイズは?


低い総減速比のツケは巡航エンジン回転数の上昇に現れるが、100km/h巡航(6速)時で2000rpm弱でしかない。CX-5対比で150rpmくらい高い程度なので、ギアで稼いでいる印象は皆無に等しい。変速制御も1500~2000rpmの巡航に合わせた制御。この辺りはCX-5と大きく変わらず、悠々としたドライブフィールと省燃費の一石二鳥型。どちらも国産車のトップクラスであり、とくにトップギアの加速性能と維持能力は高速ツーリングでの心地良さに大きく寄与している。


付け加えるならば静粛性もエンジン回転数を意識させない要因のひとつだ。静粛性でも定評のあるマツダ・ディーゼルだが、CX-8はエンジン騒音量を減少させるだけでなく、燃焼音をさらに穏やかにしている。巡航中はロードノイズに隠蔽されてしまうほど。そのロードノイズにしてもSUVとしては耳当たりでも騒音量でも優等生だ。


「サードシートは実用的?」


フットワークは重量とサイズを感じさせるプレミアム感が見所。マツダのアナウンスではスポーティな操縦感覚でCX-5に引けを取らないとのことだが、乗って見れば明らかに重質である。「緩い」とか「怠い」といった類のルーズさはないのだが、重さに振り回されるような無駄な動きがなく、どっしりとした収まりの良さに車格を実感。粗雑な振動や挙動が少ない洗練された身のこなしが大人のプライベートタイムを予感させてくれる。


CX-8の評価で難しいのはキャビンである。サードシートは実用的か?と問われると「まあまあ」としか答えようがない。セカンドシートを最後位置、つまりCX-5の後席相当にセットした状態でも標準的な体格の成人男性が座れるスペースが確保される。しかし、膝前に余裕がなく、ヘッドルームは長身ならば頭をかしげてなければならない。床面に対して座面が低いため、膝を抱えるような着座姿勢になりやすく、足元も窮屈。ヴォクシーなどの1BOX型ミニバンの代替には厳しいが、プレマシーなどのワゴン型ミニバン相応と考えれば良い。3列シートSUVではかなり実用的なサードシートだが、CX-8のプレミアム性からすれば「プラス2」以上ではない。


「買い」か?

3列目/プレミアム性で判断を シートアレンジ画像


CX-5との価格差は約70万円。勝手に配分させてもらえば、サードシートが20万円、走りや装備による快適性の向上が30万円、内装や走りの車格感で20万円という感じか。乗り比べれば洗練感も車格感もキャビンユーティリティも向上している。300万円台のプレミアムSUVでは最も魅力的な1車なのは間違いないのだが、ターボディーゼルの圧倒的な余力や高速や山岳路でも扱いやすく安心感の高いフットワークなど基本部分で共通する魅力を備えたCX-5が悩ましい存在である。


高いアイポイントと3列シートに着目してミニバン系と比較すれば、安全&運転支援装備も充実したステップワゴンのスパーダ・ハイブリッドのGホンダセンシングが約335万円。CX-8の中位グレード、XDプロアクティブより20万円弱安いが同価格レンジである。多人数乗車必須となればCX-8では役者不足だが、サードシートをプラスαの適応性と捉えるなら性能やプレミアム感は大きな魅力。


もちろん、SUVの悪路踏破性はレジャー用途適性でアドバンテージ。ならば3列シートSUVでは? エクストレイルが実用面でのコスパで優等生だが、内外装でも走行性能でもプレミアム感が段違い。

で、全部引っくるめて見ると、その交差ポイントで際立つ魅力を発するのがCX-8というクルマなのだ。

CX-8 XD Lパッケージ(FF 6人乗り) スペック/サイズ情報

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