専用コンピュータとマフラーで武装した “走るミニバン”を中谷明彦が斬る!
11月21日、ニッサンの現行車両をベースにスポーティに仕立てた「NISMOロードカー」シリーズに、セレナが仲間入りした。 スタイリッシュさを増した内・外装に対して、走りのポテンシャルはどこまで引き上げられているのか!? 中谷明彦が、テストコースでその実力を試す。
「NISMO」の車種ラインアップを拡大!旧型名車パーツの生産を再開
「ニスモ」といえばモータースポーツの世界では名高い。その「ニスモ」が日産のミニバン”セレナ”をベースに『セレナ・ニスモ』を登場させた。はたしてどんなクルマに仕上がっているのか、追浜のテストコースで試乗する機会を得た。 ベースはセレナ・ハイウェイスター。充実した装備と安全運転支援システムの「プロパイロット」を搭載する人気の上位グレードだ。『セレナ・ニスモ』にもそのまま引き継がれ、得意分野の走りとスポーティな内・外装が与えられる。サスペンションはバネレートを10%ほど高め車高は15mm低くリセット。バネレートだけでなくショックアブソーバの外径をアップし剛性を高めたり、リアサスペンションのトーションバーによるロール剛性をアップしたりと本格的だ。 さらに車体フロア下部、いわゆるシャーシにブレースやステー、ブラケットなどを適所に装備することで、シャーシ剛性も大幅に向上。その効果は停止した状態でもクルマに乗り込むとわかるほど。シャーシ剛性が高まったことで、ボディ全体の佇まいも強く感じられドアの開閉などでもガッチリした剛性感が得られていた。
次にインテリア。シートは座面を中心に固さを増し、ホールド性も高くスポーツカーに座っているような印象だ。約25万円でオプション設定された「レカロ」製スポーツバケットシートを選択すれば、さらにホールド性が高まりスポーツ走行に適す。ただし、レカロを選択すると2列目シート用のUSBジャックやピクニックテーブルが装備されなくなるのが悩みどころだ。
走行インプレ「全域で気持ちのいい走り、安定感が増した」
重めに設定された電動パワーステアリングにより走行フィールも引き締まり、コーナーでの姿勢や直進安定性が大幅に向上している。 また、足まわりを強化し、シャーシ剛性を向上させることで安定感もアップ。ニスモらしくどこでも気持ちの良い走りが可能だ。
専用パーツにより上質かつスポーティなインテリア。 ステアリングには、レッドのセンターマークとアルカンターラ素材で走りを意識。同じく、本革巻き仕様のシフトノブはレッドステッチ付きだ。撮影車は、ディーラーオプションとなるオリジナルグラフィックデザインのエントランスプレートを装備。
シートは専用スエード調シート地にレッドステッチの組み合わせ。乗降性に配慮したレカロ製スポーツシートはメーカーオプションとして用意される。
リニアなレスポンスと加速性能を高めるため専用チューニングコンピュータとチューンドマフラーを装備。心地良いフィーリングを実現させた。
足元は専用アルミホイールに、ポテンザ・アドレナリンRE003(205/50-17)の組み合わせ。優れた高速安定性と上質な乗り心地を確保する。
ボディ外観に施された”ニスモマジック”ともいえる意匠のカッコ良さは、実質的に空力特性の向上効果もあり。 「走るミニバン」として、大きな魅力を授けられていることがわかるはずだ。
セレナ・ニスモ \3,419,280(メーカー希望小売価格)
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