ヒュンダイ流 ドイツ「御三家」との戦い方
ジェネシスの最新モデルG70が初披露された。
ヒュンダイの新生ラグジュアリー・ブランドで、2017年末からアウディ、BMW、インフィニティ、ジャガー、レクサス、メルセデス・ベンツといったプレミアム・ブランドに戦いを挑む。
LAモーターショーで披露されたのは入念にデザインされたセダンで、2021年末までには英国を含む欧州のマーケットに複数のバージョンが導入される予定だ。
「英国市場の潜在力はわかっていますが、今現在はまだ韓国、米国、それに中国でジェネシス・ブランドを確立することに集中しています。中長期的には欧州市場にも参入する計画ですが、準備にはもう少し時間がかかりますね」とG70のプロダクト企画のチーフ、スー・キムはいう。
ソウル近郊にあるヒュンダイのナミヤン研究開発センターの新デザイン・スタジオでメディア向けに公開されたG70は、新開発の後輪駆動プラットフォームを持ち、構成部品は最近発表されたキア・スティンガーと共用する。
このジェネシスの最新モデルは、全長4685mm、全幅1850mm、全高1400mmで、3シリーズ・セダンより61mm長く、39mm幅広く、31mm低い。
また、ホイールベースは2835mmでライバルのBMWより25mm長くなっている。
プレミアム・ブランドのライバルたち同様、このニューモデルではリアにマルチリンク・サスペンションを採用している。機械的LSDと組み合わされ、四輪駆動モデルではトルク・ベクタリング機能も有している。ジェネシスによると前後の重量配分は50:50だという。
標準的な後輪駆動のほかオプションで四輪駆動モデルがあり、韓国では3タイプのエンジンが選択可能だ。
韓国市場のエンジンは3種 ただし走りよりも品質
A4、3シリーズ、Q50、XE、IS、それにCクラスの直接的なライバルと目されるG70には、販売当初は3種類のターボ・エンジンが用意される。トップレンジの3.3ℓV6ガソリン、2ℓ4気筒直噴エンジン、それに2.2ℓ4気筒コモンレール・ディーゼルで、後輪駆動と四輪駆動が選べる。
トップレンジの3.3ℓV6ガソリン・エンジンは最高出力370ps、最大トルク53kg-mを発揮し、四輪駆動のG70スポーツAWDは、直線ではBMW340i xDriveよりも速いと豪語している。0-100km/hは4.7秒、最高速度は270km/hだ。ギアボックスは標準的な8速トルコンATである。
比較のため記すと、340i xDriveは3ℓ直列6気筒ガソリン・ターボエンジンで、最高出力は325ps、最大トルクは45.9kg-m、ギアボックスは同じく8速ATで0-100km/hは4.9秒、最高速度は250km/hである。
一方、2ℓ4気筒ターボは標準で255psの最高出力と36.6kg-mの最大トルクを発揮し、オプションのスポーツ・パッケージでは最高出力は258psとなる(最大トルクは同じ)。これは、320iの同じ2ℓ4気筒ガソリン・ターボを3psと1kg-mしのぐ数値だ。
一部の市場では2.2ℓ4気筒コモンレール・ディーゼル・ターボも選択可能だ。最高出力は205ps、最大トルクは45.9kg-mで、BMW320dの2ℓ4気筒コモンレール・ディーゼル・ターボと比べると、12psと5kg-m上回る。
しかし、このニュー・モデルではパフォーマンスよりもむしろ上流顧客の満足度に主眼を置いていると、ジェネシスのボスであるマンフレッド・フィッツジェラルドは強調する。
「ジェネシス・ブランドを立ち上げて以来、われわれは革新を求め続けてきました。今後とも後発組として市場をリードしていきたい。ジェネシスのもつ最先端の安全性、デザイン、テクノロジー、コンフォートといったものを確かなものにすべく努力しています」
フィッツジェラルドの言葉を裏付けるように、最新のJDパワーの品質調査によると、ジェネシスは13のプレミアム・ブランドのトップに躍り出た。
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