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BMW X3新型 2.0ℓディーゼルに試乗 価格上昇も洗練/実用性を約束

掲載 更新
BMW X3新型 2.0ℓディーゼルに試乗 価格上昇も洗練/実用性を約束

もくじ

どんなクルマ?
ー ボディ拡大で環境改善 重量は変わらず

『BMW X3 xDrive20d』すべての画像を見る

どんな感じ?
ー 内装、質感が向上 後席もタイト過ぎず
ー 2.0ℓディーゼル好印象 乗り心地は要検証

「買い」か?
ー 「特筆すべきクオリティや実用性、洗練性」

スペック
ー BMW X3 xDrive20dのスペック

どんなクルマ?

ボディ拡大で環境改善 重量は変わらず

成長を続けるBMW製のSUVの中でも身近なX3シリーズが3代目となり、右側通行のモロッコの道ではあったが、右ハンドル車の初試乗を行なった。

先月のxDrive30dに引き続き、より倹約的なxDrive20dに触れる初めての機会だ。なお、X3のエントリーモデルは、12月に発表予定のガソリンモデル、xDrive20iとなる。 

先代とは異なり、3代目のX3のアーキテクチャは3シリーズではなく、5シリーズがベースとなっており、初代のX5よりも全長も全幅も大きくなっている。

2代目のF25型よりも51mmも長くなったボディは、ホイールベースが伸ばされ、主に後席のスペース拡大につながっている。

成長したボディサイズや、消音材の増加などにも関わらず、アルミニウムや複合素材などの使用量を増やすことで、2.0ℓのディーゼル・モデルの車重は、先代と変わらない1825kgとなっている。

エンジンは従来型と同じものが引き続き搭載され、190psと40.8kg-mのパワーにも変更はない。0-100km/h加速は8.0秒と十分で、8速ATを介して駆動される。

ちなみにこのX3、英国でもついにマニュアルギアを選択できなくなった。リアのデファレンシャル・ギアは軽量化され、電子制御のxDriveシステムは、7シリーズからの流用となる高効率なものにスイッチ。

後輪への駆動力配分の割合が高められるとともに、100%のトルクをフロントかリアの車軸へ任意に伝達することも可能となっている。

急勾配での走行を補助するヒル・ディセント・コントロールが標準装備。BMWは、「このX3は待ち望まれていたオフローダーだといえます」と紹介する。 

どんな感じ?

内装、質感が向上 後席もタイト過ぎず

従来型よりもエアロダイナミクスに配慮されたエクステリア・デザインとなったが、気流の滑らかさだけでなく、流麗さが増したように受け取れるスタイリングだ。

大きくなったボディ・ディメンションのおかげで、われわれが試乗したMスポーツでは特に、人目を引くような彫刻的でアグレッシブなスタイリングとなった。

コックピットのレイアウトは従来型から大きな変化はないが、スマートさと視覚的な魅力は増しており、操作感にも変更が加えられている。

キーとなる箇所の素材も上質で、小物入れなどの収納スペースも増えた一方、硬いプラスチックはほとんど見当たらなくなった。

ドライビングポジションも適正だし、調整幅も大きい。Mスポーツ仕様のシートは座り心地も良くスポーティだが、組み合わされるスポーツ・ステアリングホイールは若干握りが細い印象だった。

後席空間は非常に広くなった。高さ方向にも余裕があり、185cmの身長の人でも十分余裕を持って座れる空間が確保され、後方視界にも優れている。たとえ後席中央に座らされたとしても、窮屈さはないだろう。また後席にも独立したエアコンが標準装備とされている。

トランクスペースに関しては550ℓと変更はないが、リアシートを畳んだ状態での容量は1600ℓに拡大され、利用しやすいスクエアな形状となっている。

リア・ストラットの部分が荷室を狭めてはいるが、段階式に開けることができるパワー・テールゲートと、綺麗に畳まれるシートバックは、荷物の出し入れする際に非常に有用に感じるはずだ。

先代から引き継がれたB47エンジンの洗練度も印象深い。

2.0ℓディーゼル好印象 乗り心地は要検証

高回転時のこもったような唸り声も許容範囲だし、アイドリング時のハミングも極めて控えめなものになっている。

十分に太いトルクが約1700rpmから4500rpmの間で発生し、使い勝手も高い。ターボラグが若干感じられるが、低速域でも扱いやすく、回転数が上がってしまえば無視できるレベルだ。

8速ATのギア比も適切だし、ノーマルモードでもスポーツモードでも、ステアリングホイールに備わる小さなパドルをフラップして、任意のギアを選択できる。変速時の反応の遅れも少なく、変速スピードも速いが、スムーズさを優先した味付けだ。

コンフォート・モードでのステアリングの重さは適切だが、スポーツモードでは重さが増して、人工的な印象が強まってしまう。オプション装備となるが、バリアブル・スポーツステアリングの機能で、スタンダード・モードを維持した方が良いと感じた。

とはいえ、X3のステアリング・レスポンスは十分に楽しめるもの。3シリーズ程ではないことも確かだが、正確性も高く、優れたボディコントロールとトラクションの良さで、九十九折の道でも攻めた走りが可能だ。穏やかにアンダーステアが発生し、限界も掴みやすい。

オプションとなる、外部ノイズを遮断するアコースティック・フロント・ウインドウを装備したテスト車両での巡行走行は洗練されたもので、上質に尽きる。

綺麗な路面ならラグジュアリーな乗り心地を提供し、高速であってもロードノイズや風切り音も許容できる範囲だ。

唯一指摘するとすれば、試乗コースとなったモロッコの路面特有の小さな波打ちが、テスト車両に装備されていたアダプティブダンパーとMスポーツ仕様の19インチ・ランフラットタイヤとの相性が悪く、落ち着かない場面があったこと。

きつめの起伏での挙動に関しては、改めて英国で検証したいところだ。

「買い」か?

「特筆すべきクオリティや実用性、洗練性」

X3の価格は全般的に2代目よりも上昇しており、例えばMスポーツを選択するには£2000ほど値上がりしているが、バックカメラやLEDヘッドライト、3ゾーン・エアコンが付くし、質感も向上していて、室内空間も拡大している。

また新たに半自律の運転支援機能もオプションで選択可能になった。ほぼ同価格となるアウディQ5 2.0 TDI 190とは、パフォーマンスや経済性も近似している。

もしコストバリューやダイナミクスを重視するなら、より軽量で俊敏な、エントリーレベルのアルファロメオ・ステルヴィオの四輪駆動モデルという選択肢もある。

来月には、これまでになくスポーティで洗練された仕様となるX3 M40iが英国でリリースされる。

しかし、xDrive20dは優れた操縦性だけでなく、特筆すべきクオリティや実用性、洗練性を持ったモデルなことに違はない。 

BMW X3 xDrive20dのスペック

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