忘れられない広告を
AUTOCARの読者ならば、今まで、気に入って読んできた雑誌の紙面などで、数千、あるいは数万という数の自動車広告を見てきたはず。
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その中で、どれくらいの内容を覚えているだろうか? 広告の内容はすぐに忘れてしまうことが多いから、覚えているものはほんの一握りだろう。でもまれに、記憶に残るような広告に出くわすことがある。過去半世紀の中から、そんな自動車広告を紹介したい。
フォルクスワーゲン・ビートル(1960年)
この広告はアメリカのみに出稿されたものだが、後に世界中で知られるようになった、おそらく最も有名な自動車広告だ。
当時、ビートルのグローブボックスの蓋に付いていた、クロームメッキのパーツには欠陥があった。裏のページには、なぜこのビートルがレモンなのか、その理由が説明されている。
そしてこの広告が、クルマの欠陥を英語でレモンと呼ぶきっかけとなった。コピーには、この欠陥はフォルクスワーゲンの3389人いる品質管理検査官のひとりが見つけたと説明してある。
最後の行には、「レモン(欠陥品)は摘んで、プラム(本来のもの)をお渡しします」とある。
ミニ850(1963年)
ミニが発表されてから4年後の1963年に出稿された広告だが、この広告の魅力はいまだに薄れていない。もはや伝説ともいえるものだ。
フォルクスワーゲン・ビートル(1966年)
フォルクスワーゲンの別の広告。
ビートルが少しナンセンスだと前置きしておきながら、結局は、間違いなく全てのライバルよりも優れている、と説明している。
確かにビートルは、そう思えるクルマだ。モデルは、伝説のバスケットボール選手、ウィルト・チェンバレン。
アウディ・ディーゼル(1981年)
ディーゼルエンジンがヨーロッパでの主流になりつつあった当時、この広告が出稿された。ディーゼルエンジンの普及は、アウディのような自動車メーカーの努力のおかげなのだ。
ミニ1000(1981年)
長年にわたって、ミニの広告にはクリエイティブで素晴らしいものが数多く見られた。わたしのお気に入りのひとつは、この非常にシンプルな広告だ。
フォードXR(1981年)
同じモデルレンジでの比較広告を行なったフォード。イギリスにおいてXR3と並行して、スポーティなXR2の販売を狙ったものだが、振るわないプロモーションとなった。
シトロエンBX(1983年)
本当はもっと古い、この「運転は好きだが、ガレージ(修理工場)は嫌い」シリーズの広告を探していたのだが、見つけられなかった。代わりに、パンフレットを紹介する。お許しを。
今日のクルマの広告は、スタイリングやイメージ、技術や豪華さが中心で、この広告のように信頼性を訴えることは少ない。1983年当時は、クルマが壊れない、ということは広告の重要な要素だったのだ。
フィアット・パンダ(1983年)
キャッチコピーは「とても役に立つダーリン」。自動車メーカーが誇大妄想に陥っているのか、自虐的に自社をからかって楽しんでいるのか、この広告からは読み取れない。フィアット社に対して好意的に解釈すれば、恐らく後者なのだろう。
シトロエン2CV(1984年)
シトロエンは古びた2CVが揶揄されても気にしていないようだ。
当時は、経済的なクルマに関しては、シンプルさを強調することが一般的な方法だった。しかしこの広告では、高級車と比較して、それらと同等の移動手段であることを訴求している。2CVの最高速度は115km/h程度だが、100km/hで走っているフェラーリなら追い越せるはずだ。恐らく。
アウディ・クワトロ(1985年)
四輪駆動がここまで一般的なものになった理由のひとつは、アウディ・クワトロの驚異的なインパクトがあった。そして、アウディの広告の通り、しばらくして四輪駆動は、全てのモデルレンジに採用されることとなる。
フォード・グラナダ(1986年)
アンチロック・ブレーキシステム(ABS)は、今となっては新車には標準装備されているものだが、1985年に3代目となるグラナダがヨーロッパでデビューした当時は、まだ珍しい装備だった。全てのグラナダでABSが標準装備された事実は、広告する価値が十分にあったのだ。
ジャガーV12(1986年)
1980年半ば、V型12気筒エンジンを搭載していたクルマが限られていた当時、ジャガーは12気筒のXJSを全面に打ち出した。しかし残念なことに、気高いXJ12の販売促進には余り結びつかなかったようだ。
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