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ホンダ ステップワゴン試乗レポート ハイブリッド搭載のスパーダはもりもりのパワフルさ

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ホンダ ステップワゴン試乗レポート ハイブリッド搭載のスパーダはもりもりのパワフルさ

ホンダの主力車種の一つであり、2015年に5代目となったステップワゴンがマイナーチェンジを受けた。目玉となるのは、SPADAのデザイン変更、2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」搭載仕様の追加、そして先進安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車標準装備としたことだ。10月に御殿場周辺にて試乗が叶ったので、ハイブリッドモデルを中心にレポートをお届けしたい。<レポート:まるも亜希子/Akiko Marumo>

■ミニバンの国内市場

今マツダに何が起きているのか? ブランド価値を大きくアップグレードするのは間違いない

はじめに、少し国内のミニバン市場とステップワゴンの販売状況の話をしておくと、世界的には空前のSUVブームと言われているが、国内のボディタイプ別シェアでは軽自動車がトップ。次いでコンパクトカー、ミニバン、SUVという順になる。

そのミニバンの中では、ここ数年はダウンサイジングの波もきているが、やはり主力となるのはステップワゴンやセレナ、ノア/ヴォクシー/エスクァイアが属するミドルクラスで、全体の約50%を占める。ぶっちゃけ、ミニバンで最も売れているのはノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟で、2017年6月のデータでは月販1万3990台。セレナ(ランディ含む)は7376台。そこへいくとステップワゴンは2880台にとどまり、やや寂しい状況だ。

室内の広さや「わくわくゲート」に代表される使い勝手の良さ、1.5L直噴ターボエンジンの軽快な走りなど、魅力的な要素はライバルと比べても見劣りしないどころか盛りだくさんなだけに、もう少し売れてもいいのでは? と言われ続けてきたのが現行モデルだ。

個人的には、ちょっと大人しすぎるフロントマスクのデザインと、やはりハイブリッドモデルが無いことが原因のひとつだと感じていた。人気の主流はもう少し威張りの効いた迫力あるデザインだし、ライバルにはハイブリッドモデルがあり、一般的な子育てファミリーの間では「ハイブリッド」という単語がブランド化している。それが無いというだけで、購入検討の選択肢から漏れる可能性が高まってしまうほどなのだ。それに、2016年に登場した新型フリードの出来栄えが良く、ひとつ上となるステップワゴンとの差が縮まってしまったことも関係しているのではないだろうか。

■デザイン

とはいえ、1996年に初代が登場してから累計149万台を販売しているステップワゴンは、ミドルクラスミニバンの代表格。今回のマイナーチェンジによって再び輝きを取り戻せるかどうか、まずはデザインから見ていきたい。

大きな変更が施されたSPADAには、標準タイプ/Cool Spirit/HYBRIDと3タイプのデザインが用意されているが、どれも遠目からでも迫力と存在感がグンとアップした印象を受ける。厚みを増したフロントグリルの重厚感や、フルLEDヘッドライトと5連LEDフォグライトによるシャープさが際立つフェイスに加え、盛り上がるようなホイールアーチやボディサイドを横切るキャラクターラインで、ドッシリとしつつも突進感のあるダイナミックさが伝わってくる。

そしてテールゲートスポイラーも空力性能の高さを感じさせる形状となり、リヤビューもよりスタイリッシュになった。HYBRIDには、新デザインの16インチアルミホイール、クロームメッキのドアハンドル、クリアレンズのテールランプなどが採用され、先進感をプラス。Coolspiritには17インチアルミホイールや内部がダーククロームメッキとなるヘッドライトが与えられ、ワイルドさも増している。

パッケージングとしては、HYBRIDはガソリンモデルに比べてフロントオーバーハングが+25mm、フードの高さが+25mmとなっているが、フィットのセンタータンクレイアウトを応用して、ハイブリッドシステムのIPUやリチウムイオンバッテリーを1列目シート下に搭載しているので、室内の広さはわずか-20mmにとどめ、荷室容量や3列目シートの床下格納機能はキープ。

最小回転半径もガソリンモデル同等の5.4mとなっており、ステップワゴンの魅力のひとつである室内の広さ、使い勝手がそのまま生かされているのが特徴だ。もちろん、バックゲートが縦だけでなく横にも開く「わくわくゲート」も設定されている。

■パワートレーン

HYBRIDモデルに搭載されたパワートレーンは、2.0L DOHC i-VTECエンジン+SPORT HYBRID i-MMD。これはアコードやオデッセイと基本的には同じもので、モーターとジェネレーターを内蔵する電気式CVTを搭載。出力/トルクはエンジンで145ps/175Nm、モーターで184ps/315Nmとなっており、1.5L VTECターボエンジンの150ps/203Nmを大きく凌ぐ。

体感では3.5Lエンジン並みの動力性能を実現していながら、燃費はJC08モードで25.0km/L、新しい基準のWLTCモードで20.0km/Lというから、環境性能も経済性も優秀だ。加えてフロントがマクファーソン、リヤがトーションビームとなるサスペンションも専用チューニングが施されたほか、ホンダミニバン初のパフォーマンスダンパーを、トップグレードのSPADA HYBRID G・EX Honda SENSINGに採用している。

そして、専用の吸音材を配置したり、フロントガラスの板厚アップをするなど、静粛性にもこだわっているという。走り、乗り心地、静粛性すべて、1クラス上を狙ったということがわかる。

■試乗
それではさっそくHYBRIDモデルに乗り込んでみると、インテリアもインパネなどの素材やシートの柄が新しくなり、ちょっと落ち着いた上質感がアップ。1列目・2列目シートのヘッドレストのクッション性も向上させているという。

頭上をはじめ広びろとした室内の開放感は健在で、試乗車のSPADA HYBRID G・EX Honda SENSINGは7人乗りのキャプテンシートタイプだったため、とくにゆったりとした雰囲気だ。ちなみにHYBRIDモデルはすべて7人乗りとなり、ガソリンモデルのみ2列目がベンチシートとなる8人乗りが選べる。

スタートボタンを押すと、シンとした静寂の中でメーターが鮮やかに起動する。走り出しもEVモーターでスルスルとなめらかだが、モリモリとしたトルクの力強さを感じさせ、アクセルを踏み足すとグイッと押されるようなパワフルな加速フィールだ。

ボディの背の高さがウソのように、重心が低い位置にあるドッシリとした感覚の安定感があり、確かに車格がひとつ上のクルマを走らせているようだ。加えて、街中を走っているときに感じたのはステアリングフィールのナチュラルさ。とくに、交差点を曲がるときなどにヨイショと切るようなかったるさがなく、自然に向きを変えてくれるように軽やかだ。

そして高速道路に入ると、一気に押し寄せるような強烈なトルクの波は驚くほど。あっという間に速度が上がり、クルージングも悠々とした余裕を感じさせてくれる。ここでは、ステアリングの反応が少し過敏かなと思う場面もあったが、ジャンクションでの減速からカーブを曲がり切るまでの挙動はとても安定していて、ピタリと思い通りになる気持ちよさまで感じた。

また、帰路では2列目シートにも座ってみたが、乗り心地にはゴツゴツ感が少なく、身体に不快な揺れもほとんどなく、とても快適。この日は大雨だったが、ドライバーとの会話もクリアにでき、さすがの静粛性へのこだわりが実感できた。

参考までにガソリンモデルのSPADA Honda SENSINGにも試乗したが、こちらも軽快感があって加速フィールにもまったく不足はなく、乗り心地にも落ち着きがあって十分に快適。ただHYBRIDに乗ってしまうと、やはり圧倒的な力強さや剛性感、そして静粛性の面での差が感じられる。それほどに、新しく加わったHYBRIDは気合の入った作り込みがクルマ全体から伝わってきたのだった。

全タイプに標準装備となった先進の安全運転支援技術「Honda SENSING」は、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、LKAS(車線維持支援システムといった8つの機能が揃って充実したものだが、0km/hから作動する渋滞時追従機能はHYBRIDのみで、ガソリンモデルは30km/h以上での追従機能となる。ここが差別化されたのは残念だが、それでも大切な家族を乗せるクルマとしての安心感は、従来よりはるかに高まっている。

待望のHYBRIDを手にいれた新しいステップワゴンは、外観も走りも安全性を始めとする装備もそれにふさわしく磨き上げられており、従来からの使い勝手のよさも健在。子どもが生まれたばかりの頃から、部活をやるような年齢になるまで、より長く使えるファミリーミニバンに進化したと言える。

■価格

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