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新型スイフト・スポーツ(ZC33S)試乗 1.4ℓターボ 6MTと6AT

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新型スイフト・スポーツ(ZC33S)試乗 1.4ℓターボ 6MTと6AT

もくじ

どんなクルマ?
ー 高性能版スイフトというよりも…

お金をかけないリッチライフ(最終回) フェラーリ456 GTA 試乗記

どんな感じ?
ー 1.4ℓターボ搭載 その特性は?
ー MT試乗 オートマ車はCVTから6速ATへ
ー 10mmくらいの突き上げでは…

「買い」か?
ー RStとの価格差 それだけの価値は?

スペック
ー スズキ・スイフト・スポーツのスペック

どんなクルマ?

高性能版スイフトというよりも…

車名からすればスイフトに高性能エンジンを搭載してハードサスを組んだモデルのように思えるが、スイフトを母体に開発された新型車と理解すべきだろう。スズキ自身もホットハッチを謳っているが、設計変更点の数や内容からしても、スイフトの上位に位置するBセグの新型プレミアムコンパクトカーとしたほうが実態に近い。


外観はエンジンフードおよびルーフ、リアゲート以外の外板をすべて専用開発とした。全長が50mm拡大しているのはフロントノーズとリアバンパーの大型化による。グリーンハウス周りの印象に大きな変化はないが、一目で別モデルと分からせるには十分だ。また、過度なスポーツ性演出もなく、品よくまとまっていた。


搭載エンジンは先にエスクードに追加された1.4ℓターボの同型だが、噴射口を一つ増やして7孔式としたマルチホールインジェクターや可変燃圧制御などの導入と改良を加えている。結果、最高出力は3kW(4ps)増だが、最大トルクは20Nm(2.0kg-m)も増加。同じK14Cでも高性能仕様となっている。ミッションは6速のMTとトルコン/遊星ギア型のATを用意している。



車体骨格はキャビン後半にスポット溶接打点を12カ所追加。サスは先代でも好評だったモンロー製ダンパーの他に、フロントのハブベアリングを大容量化、リアはトーションビームやトレーリングアームまで専用化した新型を用いる。「チューニング」の変更ではない。

もうひとつ見逃せないのはACCと半自動操舵機能式LKAの導入だ。ともに全車速対応ではないがBセグでは安全&運転支援機能で頂点クラスとなった。

どんな感じ?

1.4ℓターボ搭載 その特性は?


エンジンがんがん回して軽業師のようにコーナーを攻める、という類のホットハッチではない。軽量小型を忘れさせるような骨太な高性能が特徴だ。


1.4ℓターボの基本特性はダウンサイジング型。メーター読みでレブリミットは約6200rpmだが、切れ味よく加速してくれるのは多めに見て5800rpmくらい。そこを超えると急激に失速する。失速するまではエンジンフィールも軽く大トルクに乗せた加速を維持する。



MT試乗 オートマ車はCVTから6速ATへ


5500rpmでアップシフトした場合のシフト後回転数は次のようになる。6速MTは2速/約3100rpm、3速/約4100rpm。同様に6速ATは2速/約3200rpm、3速/約3600rpm。最大トルク発生回転数の上限は3500rpmだが、俊敏な加速反応とピークを過ぎてもなお太いトルクで切れのいい加速が楽しめる。しかも、回転数に神経質にならなくても思った加速を得られるのも好感。


6速の100km/h巡航回転数はMTが約2700rpm、ATが約2200rpm。これだけトルクがあれば2000rpm未満の設定でもよさそうだが、どちらも燃費稼ぎの巡航ギア比になっていない。高速域まで途切れない加速性能を求めた設定なのだ。その威力を公道で試すわけにはいかないが、6速維持での高速加速性能のよさは特筆できる。ATのDレンジ走行では巡航ギア維持能力に表れている。


一般的な走行では1500rpm以上も回っていれば太いトルクで楽々走れる。一般道でも流れがよければ5/6速で賄えるのでMTでも扱いは容易。発進停止絡みでは1-3-5速の飛ばし変速もなかなか快適である。



10mmくらいの突き上げでは…


こういった懐深い動力性能を支えるシャシー性能もまた懐深い。段差高10mmくらいの瞬間的な突き上げでは硬さを意識するが、微小域から深い領域まで連続性のあるストローク制御が軽量小型車らしからぬ良質な乗り心地を示す。据わりよく腰のある動きは上級クラスにも似た味わいである。


軽量小型の有利さは操舵初期反応に活かされている。切った分だけ鼻が入ってくる感じだ。しかし、加減速に伴う方向性の乱れは抑えられていて、巻き込むような挙動が少ない。後輪をがっちりグリップさせて、前輪でぐいぐい引き込むハンドリングは操舵や加減速による修正操作を不要とする。速度を適切に保てば思い通りのラインをトレースできる。


タイトなワインディングも得意なハンドリングだが、クラス内相対で圧倒的な強味となるのは高速域の安定性。コーナリングも直進性も立派に高性能ツーリングカーの領域にある。しかも、ACCに自動操舵補正を行うLKAも採用されているのだ。




出来がいいので解除されると、もったいない気分になる。全車速とは言わないまでもACCの作動領域くらい支援すれば有り難みも倍増すると思うのだが…

「買い」か?

RStとの価格差 それだけの価値は?


ACCやLKAを含むセーフティパッケージ装着時のMT車の価格は約192万円(試乗車はさらに全方位モニター用カメラパッケージ装着:約198万円)。AT車は約7万円高である。スイフトのRSt(1ℓターボ/6速AT)のセーフティパッケージ仕様は約180万円。MT車なら12万円高、AT車なら19万円高である。それだけの価値はあるか? おおありである。内外装も走りの質感も高速の安心感も格上。運転支援装備の充実はスイフト・スポーツを選ぶ大きな理由のひとつになるはずだ。


MTは扱いやすく、それでいてマニュアルシフティングを楽しくさせる勘所も巧み。深く踏み込んだ時には踏力、浅いところはストロークを主としたブレーキフィールはタウンユースとスポーティ走行を上手く両立している。ATは6速のリズミカルな変速もパドルシフトの攻め感もあり、通常時は大トルクで回転数を抑えた余力感たっぷりの走り。MT/ATのどちらを選ぶかは使い方次第だが、良質なスポーティカーを求めるにしても、コンパクトな本格ツアラーを求めるにしても、スイフト・スポーツは間違いなく筆頭候補である。

スズキ・スイフト・スポーツのスペック(セーフティパッケージ/全方位モニター用カメラパッケージ装着車)

6速マニュアル車

■価格 1,980,720円
■全長×全幅×全高 3890×1735×1500mm
■燃費 16.4km/ℓ
■CO2排出量 141.6g/km
■乾燥重量 970kg
■エンジン 直列4気筒1371ccターボ
■最高出力 140ps/5500rpm
■最大トルク 23.4kg-m/2500-3500rpm
■ギアボックス 6速マニュアル
6速オートマティック車(差分のみ)

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