もくじ
どんなクルマ?
ー 高額オプションが標準装備に
どんな感じ?
ー 手軽に引き出せるパフォーマンス
ー ハンドリングはライバルに劣る
「買い」か?
ー 万人向けではないが、確実にニーズはある
どんなクルマ?
高額オプションが標準装備に
ランドローバーによると、ヴェラールは同社ラインアップにおけるベスト・ドライバーズカーであるという。しかし、これまでの評価は、搭載される低出力エンジンの影響もあり、あまり芳しいものではなかった。しかし、今回のテスト車は、ランドローバーがその導入時に標榜したポテンシャルに見合うだけのスペックを持ち合わせている、レンジ内の最上位に位置するファーストエディションP380であり、JLRが誇る、3.0ℓV6エンジンを搭載する。
最初の1年間だけ設定されるこのファーストエディションは、通常モデルのP380よりも£15,240(229万円)高価な£85,450(1271万円)で発売されるが、通常モデルに比べて、遥かに充実した装備を標準で備える。主な追加装備は、オールテレイン・プログレスコントロール、£1140(17.1万円)のエアサスペンション、そして、£930(14万円)のヘッドアップ・ディスプレイである。
2つのタッチスクリーンとデジタル計器盤からなる標準モデルのキャビン・インフォテインメント・システムは、既に十分過ぎる程の装備であるが、この追加を受けて、このクルマのキャビンはクラスで最も先進的な様相を呈している。
このインフォテインメント・システムは、若干使い勝手に劣るが、一般的に賞賛されるアウディQ5のヴァーチャル・コックピットよりも優れたものである。スクリーンに触れた時の反応速度は、スマートフォンのそれに近いものだ。
一方で、メニューを呼び出す速度はいただけない。今回の試乗車では、例えば、ナビと音楽プレーヤーなど、複数のアプリが同時に起動している時に、アプリを切り替えて一方を呼び出す際に、最悪2秒程度を要することもあった。
どんな感じ?
手軽に引き出せるパフォーマンス
このクルマの大きなフロントシートは、極めて掛け心地が良く、4つのモードのマッサージ機能を備える。多くのスクリーンがそつなくフィットし、ソフトな感触の素材で仕立てられたヴェラールのインテリアは、これ以上のものを求めるまでもないほど素晴らしい。
最初に座ったのがフロントシートであるか、リアシートであるかの問題ではなく、このキャビンに座った瞬間に、ヴェラールというクルマの本質を理解できるであろう。
ジャガーF-PACE Sと共有するこのクルマのV6エンジンは、380psのパワーと45.9kg-mのトルクを発揮し、ZF製の8速自動変速機を介して、通常の走行では後輪へより多くを不均等配分する四輪駆動システムへ伝えられる。因みに、F-PACEとは、アルミ車体ストラクチャーも共有する。
このタフなSUVのパフォーマンスを引き出すために、多くの努力は必要ない。例えば、F-タイプに必要なそれと比べても、比較のしようがないほど手軽なのである。
パドルで操作することもできる、俊敏な変速機は、積極的にドライブを楽しみたいという気にさせてくれるが、それは、パフォーマンスカーに乗っている時のそれと異なり、立ち上がりでアクセルを全開するような衝動に駆られる事はない。燃費を気にするから、というわけではないが。
ハンドリングはライバルに劣る
今回のテストにおける幹線道路での平均燃費は、メーカー公表値の7.4km/ℓには遠く及ばなかったが、そのことは、このクルマが2トン近くの巨漢であることを改めて認識させる。
公道におけるハンドリングは、搭載されるエアサスペンションの選択モードに大きく依存する。このサスペンションは、最も懐の深い減衰を示すコンフォートから、より硬いシャシーのダイナミックまで、多くのモードを備えているが、かといってジャガーF-PACE Sやポルシェ・マカンのような、スポーツカーのごときダイナミクスを期待することはできない。
それでも、よい乗り心地と素晴らしいボディコントロールを持ち合わせている。
ドライバーズカーを名乗るライバル達と比べた時、このクルマが劣るのはステアリングだ。搭載される電動アシスト付きのステアリングは、ダイレクトな操舵感を持つF-PACEやマカンのそれとは比べものにならない。
しかし、それもそのはず。そもそもヴェラールが目指しているところは使い勝手の良さなのだ。ヴェラールは少なくとも、車名を初代レンジのプロトタイプから譲り受けたことが示唆する開発意図に応えている。クラス中、最大の地上高や走破性など、僅差ではあるが、われわれが当然と思う水準以上に、ライバルたちに対して優位性を確保している。
いくつかの理由で、このパワフルなラグジュアリーSUVのキャラクターは、V8エンジンを搭載する上級車種のレンジローバーが、かつてそうであったそれに近いといえる。しかし、それらのモデルは、今日も明確にオフロードにおける走破性を豪語する。
一方で、このヴェラールをはじめとする、オンロードでの使用を念頭に置いて開発されている新車種では、ランドローバーはオフロード性能を追求する姿勢さえも示していない。
「買い」か?
万人向けではないが、確実にニーズはある
ヴェラールの、ドライバーズカーとしてのアピールは、F-PACEやマカンのそれに匹敵するものではないだろう。一方で、オフロードの走破性もまた、同門のレンジローバーのそれに対抗できるものではない。
このクラスでもっともラグジュアリーに仕立てられたSUVは、多くの人にとって理解しがたい、狭いニッチ市場に存在する特定のニーズに向けられて発信されているのだ。
そうした限定的なユーザーを想定していることを踏まえれば、その販売価格や芳しくないであろう経済性に動じないひとびとを満足させるのは重要な要素といえるだろう。
そうした購買層にとって、このヴェラールP380ファーストエディションは、この上ない追加車種だといえる。
レンジローバー・ヴェラール・ファーストエディションP380
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