80kgの軽量化だけじゃない! 考え尽くされた装備の数々凄い
2011年にホンダの軽自動車、Nシリーズの第1弾として登場したハイト系のN-BOXは発売から約5年で4度の年間軽自動車販売台数No.1に輝いたヒット作。ミニステップワゴンを思わせる堂々としたスタイル、顔つき、広大かつアレンジ自在の室内空間、両側スライドドアによる乗降性の良さなどがウケにウケ、子育て世代からシニア層まで、幅広いユーザーを獲得した。
そんなN-BOXが2代目に進化。キモは初代を上まわる上級技術を満載していること。しかもプラットフォーム、エンジンを2代目にして刷新。通常ではありえない決断と言える。
新プラットフォーム、新エンジンによってエンジンルームのコンパクト化が可能になり、エアコンまで小型化。結果、パッケージ的にはノーズを5~10mm短くでき、ペダル位置を15mm前に。後席を10mm後方に移動。テールゲートの薄型化などによってクラス最大の室内長2240mmを達成。車重は上級機能、装備を盛り込んだにもかかわらず、先代比80kgの軽量化まで実現できたのである!!
では、新型N-BOXの搭載された上級機能、装備を見ていこう。まず、ひと目でN-BOXと分かる、しかし新鮮なエクステリア。ここではLEDランプを多用し、とくにカスタムは夜の光の演出にこだわり、光が流れるように点滅するシーケンシャルターンシグナルランプを軽自動車初採用。
インテリアはインパネなどすべてが新しく、メーターをステアリングの上に見るアウトホイールメーターを新採用。PM2.5対応のフィルターを備えたエアコンはアイドリングストップ中もエアコンが効く蓄冷式を用いている。上質なシート地は世界初のアレルゲン不活性化&抗ウイルス加工を施したもので、インテリアの上級感に貢献している。
もちろん、時代の要請に応え、ホンダセンシング=先進安全運転支援機能を全グレードに標準装備。しかもフリードのものよりさらに進化したバージョンなのだからびっくりだ。
子育て世代向けの上級機能としては、ベンチタイプとともにある前席セパレートシートの「助手席スーパースライドシート」の設定が見どころ。助手席は570mmものスライド量を備え(先代240mm)、助手席に乗った母親が最後端位置にセットすれば後席の子供に手が届き、ケアしやすくなる。助手席を前端にスライドさせ、背もたれを前倒しすれば運転席から車外に出ることなく後席、スライドドアへの移動、子供のケアも可能になるというわけだ(細身の人なら楽々移動できる)。もう少し、助手席スライドの操作性(重さ)がよければさらにいい。
さらにアクセサリーとして用意されている軽自動車初の「ハンズフリーオートスライドドア」(2万6460円)は子供を抱いている時、両手に荷物を持っている時、多頭の犬を引いている時に超便利。足先をかざすだけでスライドドアが自動開閉してくれるのだ。
ところで、前席床下に薄型燃料タンクを配置するセンタータンクレイアウトゆえ、助手席にロングスライド機構を設けるのは困難。そこで燃料タンクを運転席側に寄せ、さらに薄型化して容量を減らすことで解決。結果、燃料タンクの容量は先代の35リットルから27リットルに減少。とはいえ、モード燃費はNA(自然吸気)モデルで先代の最高25・6km/Lから27・0km/Lに向上しているから、あまり心配することはない。
広大すぎる後席居住性はさらに向上。身長172cmの筆者のドライビングポジションの背後に着座すれば、頭上に260mmは先代同等だが、ひざ回り空間は最小245mm、最大450mmと、先代より10~20mm広がっている。つまり、ステップワゴンの2列目席よりずっと余裕があることになる。
ラゲッジの使い勝手も増している。先代N-BOXは途中から開発陣悲願の後席5:5分割スライド機構を加えたのだが、開発当初から設定していなかったためか、ラゲッジの開口部地上高がスライドなしの480mmから545mmまで高まってしまった。しかし新型は後席5:5分割スライドを標準化してにもかかわらず、ラゲッジの開口部地上高480mmを実現しているのだ。
これは、自転車などの大きく重い荷物の積載性にも大きなメリットをもたらす。とはいえ、開口部を無理矢理!? 低めたためか、後席格納時の拡大ラゲッジフロアは後下がり&段差大。あくまで自転車の積載にこだわったスロープフロアになってしまったのがちょっと残念。
ターボが必要ないと思わせる新エンジンと軽量車体の組み合わせ
さて、新型N-BOXの運転席に乗り込めば、まずは運転のしやすさを実感。アウトホイールメーターのおかげで視線が常に運転視界にあるのに加え、極細化されたAピラー(先代の82mm径から55mm径に)が斜め前方の視界をほぼ遮らないからだ。そして分厚いクッション感ある、アコードのフレームを用いたシートのかけ心地の良さに感動だ。
ここで試乗したのは、どう見ても”犬顔”になった標準車、およびカスタムの58馬力/6.6kg-mを発揮するNA(自然吸気)モデル。
新エンジンはロングストローク化で燃費をかせぐ仕様というが、ロングストロークだとパワー的に不利。そこで上級機能としてS660でも採用されていない、ホンダならではの可変バルブタイミングリフト機構=VTECを採用してしまった。なんというぜいたくだ!!
ゆえに、走りだしから先代NAモデルとは比べ物にならないトルク感、力強さ、アクセルレスポンスの良さがある、中高回転まで回してもウルトラスムースかつノイズを押さえた加速性能を手に入れたのである。それはエンジンのおかげだけではない。車体の軽量化、CVTの改良、最終減速比の加速方向への変更……などの積み重ねによるもの。もはや高速走行の機会が少なくなくても、NAで十分! と言える動力性能を手に入れたのが新型N-BOX、新エンジンなのである。
しかし、それ以上に感動したのが乗り心地。先代型はハイトな車高による転倒の可能性に配慮したせいか、足まわりは硬く、乗り心地は決して褒められたものではなかった。が、新型は乗り心地に関しても劇的に進化していた。この14インチタイヤ装着車(標準車のNA/ターボ、カスタムのNA)は段差などでの突き上げ、荒れた路面でのザラザラ感、ビリビリ感を見事に解消。マイルドなフラットライドに終始してくれるのだ。これはもう、下手なコンパクトカーよりも(先代フィットよりも!)上級・上質な乗り心地と断言したい。
その理由のひとつがサスペンションのバネレートを25%落とした乗り心地重視の設定だ。しかしただバネレートを落としただけだと乗り心地はフワフワ、操縦性も心もとないものになる。そこでホンダの乗用系軽自動車初採用となるリヤスタビライザーを追加。カーブやレーンチェンジなどでのロールを押さえ、安定させる効果ばっちりである。
さらにコーナリング時のステアリング操作に対してVSAを用い、自動的に内側片輪にブレーキを軽くかけ、旋回をアシストし安定させるアジャイルハンドリングアシストという上級機能をふんぱつ。カーブでの安定感、前後バランスは、たとえばフリード並みと言っていいかもしれない。
新型N-BOXの完成度は極めて高い。内装の質感、走り、快適性を含め、それこそコンパクトカーキラーと言っていい上級感を備えている。最後に、街乗りから高速走行まで、別稿で紹介するターボモデルとの動力性能差が先代と比べ、劇的に縮まった事実も報告しておきたい。
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