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ニューモデル 2017.9.2

スバルBRZ(新車) vs TVR T350(中古) どちらが買い? 走りで勝負

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もくじ

ー新車のBRZか中古のTVRか
ーサイズ感、内装の違いを検証
ー内装ディテール 感じる時代
ーキャラクターはTVRが圧倒
ーそろそろ勝者を決めよう
ー2台のスペック比較

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新車のBRZか中古のTVRか

この手の話題には終わりがない。2年前の比較では、共に£30,000(427万円)だった510psの中古のジャガーXKRと、269psの新しいプジョーRCZ Rを対決させたが、プジョーが僅差で勝った。

ジャガーも良いクルマだったが、若干劣る部分があったのだ。ダビデとゴリアテの戦いのようなものだ。

今回の主役は、2017年にマイナーチェンジされたばかりの、控えめな出力を持つコンパクトクーペ、スバルBRZだ。その対戦相手は、ピーター・ホイラー時代に生み出されたTVRの傑作、タモーラをベースとする排気音がたくましいT350tだ(T350cはクーペで、T350tはタルガトップとなる)。

僅か500台弱のT350が製造され、中古車として購入できる台数も少ないものの、価格はBRZの新車価格の£26,500(377万円)前後で見つけられる。

T350は前のオーナーがかなり手をかけており、レッドローズ仕様とライトウエイト・スペックを装備し、価格は£32,500(463万円)だった。

因みにレッドローズ仕様とは、ピストンのストロークを伸ばし、標準の3600ccから4000ccに排気量が拡大され、最高出力も355psから385psに向上、加えてブレーキの強化、エキゾーストパイプの変更、ビスカス式のリミテッド・スリップデフなどが備わるパッケージだ。

またライトウエイト・スペックの方は、標準のグラスファイバーボディに代わってビニルエステル系樹脂製のボディとなり、約30kgの軽量化となっている。

それにより、199psで車重1242kgのスバルに対して、車重は142kg重いが最高出力は約2倍となり、パワーウエイトレシオはスバルの161ps/トンに対して、349ps/トンとなる。

サイズ感はどうだろう? 意外とTVRとの関係を知らないかたも多いのではないだろうか。

サイズ感、内装の違いを検証

狭いリアシートを持つためBRZの方が266mm全長が長いが、共に見た目はコンパクト。

スバルの特徴的なライトの形状やボディラインが組み合わされたスタイリグに対し、TVRはスムーズでアグレッシブなスタイリングである点が対照的だ。

インテリアはTVRの方がコストを大幅にかけられており、上質なレザーではないものの、アルカンターラが用いられ、標準装備のロールゲージも巧みに覆われている。

ペダルや操作スイッチ類はアルミニウム製だ。エンジンスタートスイッチを押し、LEDの電飾が点灯するだけでも心が躍る。シート表皮は張り替えられているが、キャビン全体の状態は58000kmの走行距離なりといったところ。

一方、スバルのシートはレザーとアルカンターラが用いられているものの、全体的にインテリアは魅力的とはいえないプラスティックが多用されている。

レザー調にエンボスが付けられた硬い樹脂のままのドアパネルや、スイッチ類のデザインが不揃いな点などは残念だ。

逆手に取り、豪華な仕上げは車重を増やすだけだと、自分に言い聞かせるほうが懸命かもしれない。

BRZのトランクスペースはT350より狭いのだが、必要に応じてリアシートのバックレストを倒し荷室を広げることが可能だ。

内装ディテール 感じる時代

ドライビング・ポジションはBRZの方が着座位置が低く若干良い。どちらも扱いやすい直径と形状のステアリング・ホイールで、チルトとテレスコピックの調整が付く。

T350はシートバックに背骨が若干沈む印象で、背の高いドライバーだと、右前方の視界をロールケージが妨げてしまう。

一方でBRZは、丁度よい背もたれの角度を見つけることが難しい。とは言え、全体的にどちらも快適だ。

BRZのコンベンショナルなインパネのアナログメーターを補うのは、4.2インチのディスプレイで、リアルタイムの馬力とトルクなどのデータが表示される。

£1,500(21万円)のオプションとなるアルパイン製ナビゲーションの動作は若干遅い。

TVRの板面が白色となるアナログメーターは、10mph刻みで目盛りが振られ、タコメーターにはレッドゾーンの表示がない。また、表示は小さいが有益なモノクロのLCDディスプレイが付く。

T350のステレオセットは前のオーナーが使用していなかったが、エンジンを掛けた瞬間に理由がわかった。

けたたましい轟音に包まれるのだ。

キャラクターはTVRが圧倒

TVRの大きなマフラーから聞こえる不協和音は、まるでゴリアテの戦争でも始まったかと勘違いするほどのボリュームだ。

路上では、緊張感のある破裂音の方が目立つのだが、4000rpmを超えると音量が開放され始め、5000rpm辺りになると直列6気筒エンジンは地鳴りのような爆音を放つ。

耳をつんざく音は、聴覚が麻痺するのではないかと思うほどで、シフトアップ直後2000rpm程に回転が落ちるのもつかの間、スロットルを開けてシフトアップ・インジケーターが緑から橙、赤と変わる度に狂気が繰り返される。

2017年の今、もっと簡単に385psを生み出す方法はあるが、ここまで気勢なエンジンは他にない。

ABCのアルミニウム製ペダルの位置はオフセットしているが、T350のショートストローク5速マニュアルは締まった機械的な感触がある。

機能を優先で作られているはずだが、古くなることのない常套手段、ヒール・アンド・トウの決まりも良い。

一方で、現代の多くのクルマよりも面白みがあるとは言え、スバルの水平対向4気筒エンジンの感覚は、TVRの直列6気筒に比べると、予想通り普通の印象となってしまう。TVRの狂気のような排気音を聞いた後だと特に。

6速マニュアルは同様に締まった節度の良い操作感で、ペダルの位置も良好だ。0-100km/hの加速には、3.9秒でこなすTVRの倍の時間が必要だが、遅いという印象はない。

エンジンは2000rpm以下では活発さに欠け、3250~4000rpmの間にトルクが落ち込む谷がある。シフトアップする際は、4750~7000rpmのスイート・スポットを意識して操作したほうが良いだろう。

しかし、スバルのシャシーはTVRが持ち合わせていない俊敏さと落ち着きをバランスさせている。

またスバルの電動パワーステアリングの設定はTVRの油圧式よりも漸進的で、中央付近のフィーリングは希薄だが、スピードを上げていくとぐっと重さが増し、路面の変化を伝えるようになる。

スバルのステアリングは十分クイックで正確なだけではない。

そろそろ勝者を決めよう

スバルのステアリングは十分クイックで正確なだけでなく、非常に落ち着いており、荒れた路面でもいとわない走りをする。

T350の足回りは、4輪ダブルウィッシュボーンにナイトロン社の調整式ショックアブソーバーを装備しており、ボディーロールはしっかり抑えられている。

BRZは、フロントがマクファーソンストラット、リアがダブルウィッシュボーン。両車とも突き上げ感などの気になるハーシュネスは感じられない。ロールはT350よりも許すが、郊外の国道などではスバルの方が相性が良い印象だ。

タイヤとトレッドの幅が広いこともあり、コーナーでのグリップはTVRの方が上手だ。コーナーの入り口からノーズを切り込み、良いペースを保ったままエイペックスを抜ける。385psのパワーがあれば、コーナーの出口でリアタイヤをスライドさせるのも思いのままだ。

BRZの限界値はTVRよりも低いが、一方で現実的なスピードで楽しむことが可能だ。コーナーの連続するような道なら、元気な犬とじゃれあっているような感覚とでも言うだろうか。TVRもじゃじゃ馬だとはいえ近づきやすいクルマだが、スバルほどの親密さには至らない。

どちらのクルマも都市部の交通の流れに合わせることは難しくなく、110km/h巡行走行でのエンジン回転数は、BRZが6速で3000rpm、TVRが5速で2500rpmとなる。

ただ、クルーズ状態でもTVRのエグゾーストノートはかなりうるさい。実際、前のオーナーは耳栓をして乗っていたようだ。

TVRはサーキットでこそ生きるクルマで、わたしもピットレーンからスタートしたいところ。

そして今回は、路上でのダイナミックスが非常に優れたスバルBRZを、より高く評価したい。ただし、聖書によればダビデが勝利するが、ゴリアテは生き残る。

実践の場において、その才能は群衆の尊敬を集め、その存在は歓迎されるものでもある。

2台のスペック比較

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(AUTOCAR JAPAN リチャード・ウェーバー)

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