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【ホンダCIVIC復活記念】 待望の10代目新型シビック・タイプR登場 新型シビックの使命 vol.3

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【ホンダCIVIC復活記念】 待望の10代目新型シビック・タイプR登場 新型シビックの使命 vol.3

これまでvol.1、vol.2と、新型シビックの果たす使命と役割について考察し、ラインオフしたモデルに投入された技術を考察してきた。ホンダの10代目シビックに掛ける熱い思いは、スポーツモデルのタイプRをカタログモデルにしたことにも表れているのかもしれない。今回は新型シビックTYPE Rについてじっくり考察してみた。

タイプRのボディは、シートポジションがセダン/ハッチバックよりさらに5mm低められ、トレッド幅も拡大している。ボンネットは軽量なアルミ製にし、ボディ骨格はドア開口部やリヤハッチ周囲を接着結合することで、一段と剛性をアップしている。その結果、従来型タイプRより16kg軽量化され、ねじり剛性は38%向上している。

エアロダイナミクスもタイプR専用に開発され、、空気抵抗を低減した上で、高速安定性や旋回時の限界性能の向上を目指してダウンフォースを強化している。そのため、フロントバンパーで気流を整流し、さらにダウンフォースも引き出し、ルーフ後端にはボルテックスジェネレーターを配置。薄型になった大型リヤスポイラーとの組み合わせでダウンフォースを生み出すようになっている。

またアルミ製のボンネット上面にはエアスクープも設けられ、エンジンルーム内の通風性能を高めて冷却性能を向上させている。

■サスペンション
タイプRのサスペンションは、これまで通り専用の高性能サスペンションを採用している。フロントはFF車のフロント荷重と強大なエンジントルクに対応するため、先代モデルと同様のデュアルアクシス・ストラット・サスペンションを採用。

デュアルアクシス・ストラットは、通常のストラットでは一体となっているナックルとストラットを分離し、ナックルが転舵を、ストラットが路面からの上下入力を受けもつ構造で、仮想キングピン軸とホイール中心までのオフセット量を大幅に短縮できる。が、新型は従来よりさらに7%オフセット量を縮めてトルクステアを低減し、ダイレクトなステアリングフィールを実現している。

リヤのマルチリンク・サスペンションは、ベースのハッチバックより、すべてのアームとブッシュ類の剛性をアップしている。ハイグリップの20インチ・タイヤのパフォーマンスを最大限に引き出すことができる仕様となっているわけだ。

またダンパーは、ベースのセダン、ハッチバックはBWI社製だが、タイプRはZF/SACHS(ザックス)製の電子制御連続可変(CDC)ダンパーを採用。加速度センサーやストロークセンサーなどから1/100秒単位でドライバーの操作や車両状態を検知し、リアルタイムで連続的に4輪の減衰力を独立制御する最新のシステムだ。

新型タイプRは新構造のCDCを採用し、「コンフォート」から「+R」まで、特性の可変幅を拡大させただけでなく、減衰力を変化させるための制御も進化。従来のバネ上制振制御に加え、4輪の接地荷重変動を抑制する新制御を開発することで、余分なサスストロークの低減、アンジュレーション通過後の収束性を向上させ、抜群のロードホールディングを実現している。

またドライブモードの選択により、CDCダンパーの制御特性だけではなく、パワーステアリングのモーターアシスト量やエンジン特性も統合制御されるシステムとしている。

タイプRのタイヤは、245/30ZR20サイズのコンチネンタル・スポーツコンタクト6という超ハイパフォーマンス・タイヤを標準装着していることも特筆できる。市販そのままの状態で、ニュルブルクリンクやサーキットを走行できるスペックのタイヤである。

タイプRのブレーキは、前後とも赤色塗装で、フロントにブレンボ製モノブロック式4ポットアルミキャリパーとブレンボ製φ350mm×32mm厚のドリルド&ピラーフィン型のディスクを採用。リヤはφ305mm×11mm厚ディスクを採用し、高い動力性能に適合させている。さらにフロントはバンパーからの冷却風をディスクに導く導風板を装備するなど本格的だ。

■タイプR専用エンジン
タイプR用のエンジンは、先代に引き続き、アメリカ・オハイオ州にあるアンナ・エンジン工場で製造される。これもタイプR用ならではのこだわりで、この工場はかつてのS2000用のF20C型の生産技術が日本から移管され、高出力ターボ・エンジンと最新世代のV6エンジン製造に特化されている。したがってタイプR用のK20C型エンジンの生産はこの工場でなければならないのだ。

K20C型は86mm×85.9mmというスクエアなボア×ストロークを持つ、高出力スポーツエンジンとして設計されている。最高出力320ps/6500rpm、最大トルク400Nm/2500-4500rpmを発生させ、先代タプRからさらに10psアップ。スポーツエンジンにふさわしくハイレスポンスを徹底的に追求している。

バルブタイミング可変機構(VTC)に加え、排気側に可変リフト機構(VTEC)を採用。ターボは低慣性で、高出力化に効果を発揮するモノスクロール・ターボチャージャーを採用。同サイズのツインスクロール・ターボチャージャーと同等のレスポンスを獲得し、出力では上回る特性としている。過給圧制御には自由度が高い電動ウエストゲート式とし過給レスポンスを向上させている。

レスポンスを高めるためにエンジン部品も専用設計で、軽量クランクシャフト、強化コンロッド、アルミ製VTECロッカーアームなど軽量部品を採用。シリンダーヘッド一体型排気ポートは、ポートの上下から包み込むようにウォータージャケットを配置。接触面積を大きくして排ガス温度を約100度Cに低減している。また、ピストンはクーリングチャンネルによる油冷式で、排気バルブはナトリウム封入式とするなど熱負荷対策も盛り込まれている。

排気系も専用設計で、メインの排気管はストレート形状とし、リヤエンドに3連排気口を設けている。このユニークな3連式排気システムは、左右がメインパイプで、中央の1本はレゾネーターとの組み合わせで低回転では走り出しの迫力あるサウンド、高回転では負圧効果により不快なこもり音を低減させる効果を発揮する。

またこのエンジンは軽量なシングルマス・フライホイールとタイプR専用の6速MTと組み合わせて採用している。さらにMT用の水冷式オイルクーラー、デフ部にはヘリカルギヤ式LSDも装備している。

さらにエンジンと6速MTの組み合わせでレブマッチシステムを採用した。これはクラッチペダルのストロークセンサー、ニュートラルポジションセンサー、車速センサーとトランスミッションのメインシャフトの回転数センサーからの信号をベースに目標のエンジン回転数を算出する。

シフトダウン時にスロットルを自動的に開けることで回転を合わせ、スムーズなシフトができる。+Rモードではよりダイレクトでスピーディに、それ以外のモードではショックの少ない回転合わせを行なう。また好みによりシステム・オフも選択できる。

■ドライビングモード
タイプRは、コンフォート、スポーツ、+Rという3モードのドライビングモード選択システムを装備する。トグルスイッチによりデフォルトのスポーツモードから+Rまたはコンフォートに切り替えできる。これにより、アダプティブダンパーシステム、パワーステアリング、スロットル、レブマッチシステム等の制御デバイスの特性を切り替えることができるのだ。

またタイプRは、メーターパネル中央の大画面の液晶を採用し、専用にシフトアップのタイミングを知らせるシフトアップ・バックライトを装備。また、自由に表示を切り替えられる液晶画面の特徴を活かし、ドライビングモードの切り替えにより、3モードで異なるメーターデザインとなっている。

「スポーツ」モードではメタリックなメーター外周に赤いライトが映り込んでいるようなスポーティなデザインで、「+R」モードではサーキットの全開走行時にも視認しやすいよう、目盛りと指針の位置関係がわかりやすい色使いとしている。新たに加わった「コンフォート」モードでは、テーマカラーである赤色を敢えて控えめに用いることで、落ち着きのあるデザインとしている。


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