■どんなクルマ?
気になる荷室、先代+30ℓへ
BMW、5シリーズGT→6シリーズGTへの上級移行 ユーザーを裏切らない?
新型BMW 5シリーズのラインナップに、ステーションワゴンのツーリングが加わった。
ドイツ車のなかでもBMWやアウディというと、路上ではステーションワゴンを目にする機会が多いから、これでいよいよ5 シリーズが日本に本格参入、というところだろうか。
5シリーズツーリングのボディ外寸は、全長4950×全幅1870×全高1500mm、ホイールベース2975mmというもの。
ワゴンボディはデザイン的にリアのオーバーハングが長く見えがちだが、実はセダンより全長が5mm長く、全高が20mm高いだけだから、ボディサイズは事実上セダンと変わらないと考えていい。
ちなみにラゲッジスペースの容量は通常時570ℓで、これはセダンのトランクルームの値と変わらないが、リアシートを倒せば最大で1700ℓとなり、先代モデルより30ℓの拡大を果たしているという。
合計で10モデル用意
車種は523i、523d、530i、540i xDriveの基本4モデルに、前2車がStandard、Luxury、M Sportの3仕様が、後2車にはLuxuryとM Sportの2仕様が用意されている。
つまり、細かくいえば合計10モデルある、ということになる。
パワーユニットはすべてツインパワーターボの名を持つ過給機つきで、
・523iが2ℓ直4ガソリンの184ps
・523dが2ℓ直4ディーゼルの190ps
・530iが2ℓ直4ガソリンの252ps
・540i xDriveが3ℓ直6ガソリンの340ps。
組み合わせられるトランスミッションは全車8段ATで、前3車が後輪駆動、540i xDriveが4WDとなる。
つまり、5シリーズセダンには存在する540iの後輪駆動というモデルが、ツーリングボディには設定されていない、というわけだ。
しかも、セダンの場合は右ハンドルの他に、530iと540iに限り左ハンドルの選択も可能だが、ツーリングは全モデルが右ハンドルのみという設定になる。
プライス、すなわち税込み車両本体価格は、523i Standardの650万円から、540i xDrive M Sportの1069万円までの範囲にある。
同仕様のセダンと比べると、およそ30~50万円高価、という価格設定である。
■どんな感じ?
試乗車のスペックと印象は?
台場のBMW Tokyo Bayをベースにした試乗会には、523dと540 xDriveの2モデルが用意されていたが、試乗したのはディーゼルの前車。仕様は豪華装備のLuxuryで、車両本体価格813万円、オプションを含む総額882.9万円のクルマだ。
走り出すと同時に感じたことのひとつは、2ℓ直4ディーゼルターボエンジンの回転感がスムーズで、音も振動も気にならないことだった。
このあたりの感じ方には個人差があるから断定的なことはいえないが、室内にいる限りディーゼル感はまず気にならない。
BMWは同カテゴリーの日本車などに比べると、音に対してあまり神経質でないクルマという印象があったが、この523dツーリングにはそれは当てはまらない、という実感を得た。
と同時にこのエンジン、190psを発生するから、8段ATを介して1800kgの車重を走らせるパフォーマンスも充分、というか、深く踏み込めばそれなりに迫力のある加速を振る舞ってくれる。1750-2500rpmで40.8kg-mを捻り出す太いトルクが、その源だと思われる。
ちなみに1800kgという車重、昨今のクルマの常で決して軽くはないが、同時に乗ったミニ・クロスオーバーPHVの車重が1770kgだったことと考え合わせると、サイズの割りに軽いような気がしてくるから不思議なものだ。
もうひとつ印象的だったのはボディの剛性感で、リアの開口部の大きいステーションワゴンにありがちな後半部の緩さも感じさせず、BMWのイメージに相応しい強固な一体感をキープしていると思った。
ハンドリング、乗り心地は?
5シリーズは、60km/h以下の低速では後輪をステアリングと逆位相に切って回転半径を小さくし、それ以上のスピードでは同位相に操舵して安定性を増すインテグレイテッドアクティブステアリングを、標準装備している。
その恩恵もあって、ステアリング操作に対する反応が特に低速でシャープに感じられるのも、ドライビング好きには朗報かもしれない。
そういった、適度にスポーティな操縦感覚を備える一方で、乗り心地もフラットで快適なものに感じられた。そこには、ツーリング全車に標準で備わるリアのセルフレベリング機能付きエアサスペンションが功を奏しているはずだ。この装備、特にリアの荷室に大きなラゲッジを積んだときなどに、明確な効果を発揮するはずである。
とまあ、気持ちよく走る523dツーリングだが、もちろん気になることも皆無ではない。
それは、路面の継ぎ目や突起を超える際にタイヤから発せられるコンッコンッというショック、いわゆるハーシュネスが割りとはっきりボディに伝えられることだ。
その主因はランフラットタイヤを標準で履いていることにあると思われるが、乗り心地が全般にスムーズなだけに、それが余計に気になったといえる。
試乗車は標準の18インチタイヤを履いていたから、オプションの19インチ装着には慎重になるべきかもしれない。
部分自動運転を可能とした運転支援システム、ドライビングアシストプラスを装備しているのも新型5シリーズのウリのひとつだが、今回は試乗時間が短くその効果を確認することができなかった。なのでそれについては評価できないことを、お断わりしておきたい。
■「買い」か?
プライスをどう感じるかがキー
というわけで5シリーズ・ツーリング、BMWのミドルレンジステーションワゴンにクルマ好きが期待する要件、ボディの剛性感、カッチリとしたステアフィールと充分な直進性、フラットな乗り心地、室内外の仕上げのよさなどを、不足なく備えたクルマだと思った。
そのなかでも523dは、レスポンスのいいパフォーマンスとJC08モード19.4km/ℓの燃費を両立させ、しかも快適さを犠牲にしていない、好ましいチョイスではないかと思う。
Standardで746万円、Luxuryで813万円、M Sportで814万円というプライスをどう感じるかということも、「買い」とするかどうかの判断基準になるはずだ。
BMW 523d ツーリング Luxury
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