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BMW M235iの能力を開放するなら、英「Birds」に頼れ! 試乗記

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BMW M235iの能力を開放するなら、英「Birds」に頼れ! 試乗記

■どんなクルマ?

M235iの「悪癖」を断ちたいなら

BMW、5シリーズGT→6シリーズGTへの上級移行 ユーザーを裏切らない?

BMW M235iは、日常遣いできる現実的なパフォーマンスカーとしては完璧であるはずだ。

速いFR車で、トランスミッションはMTかATが選択できる。ボディサイズは比較的小さく、狭い道や交通量の多い中を楽に走れるが、成人4名が過ごせるキャビンと容量に不足のないトランクを備える。初期モデルなら£20,000(293万円)程度で手に入る。2シリーズの派生グレード的なモデルだが、これはかなり魅力的だ。

ところが現実には、そうそううまくはいかないもの。総じていいクルマではあるものの、欠点もいくつかあることを否定できない。

たとえば、LSDが標準装備されないことだ。パワフルでバランスのとれた後輪駆動のクーペにとって、これは残念な話である。

さらに残念なのが、減衰の足りない脚回り。バンピーな道どころか、調理台くらいスムースな路面でなければ、まるでカンガルーのようにポンポン跳ねる。時として、後輪が路面を掃くように流れ、間近の街路樹へ突っ込みそうに感じることさえある。

それを改善し、M235iのポテンシャルを存分に引き出そうというのが、バーズの「B2」と銘打ったコンバージョン・キットだ。

バッキンガムで長年にわたりBMWのチューニングを手掛けてきたバーズだが、このB2キットの開発は元レーシング・ドライバーのジェームズ・ウィーバーと、ベテランのシャシーエンジニアであるピート・ウェストンが参加し、ビルシュタイン製ダンパーにアップグレードを施すことから始まった。


「バーズ」、具体的に何がちがう?

そのBシリーズスポーツサスペンションは、取付工賃と保証込みで£1,554(23万円)。バーズ専用スペックであることを示すラベルが、ダンパーに貼られる。

そのほかにもバーズは、326psの3.0ℓ直6ターボを390psまでパワーアップするECU(£2,248(33万円))やクアイフのLSD(£1,694(25万円))などをラインナップ。

B2コンプリートコンバージョンキットはそれらに加え、グッドイヤー・イーグルF1を4本と前輪用のスペーサーなどもセットで、税込み£7,238(106万円)となる。

このほか、限界域でのアンダーステア傾向を弱める強化スタビライザーや、MT車用にはシフトレバーのショートストロークキットやクラッチペダルの重さ調整、制動力やコントロールを大幅に向上させるアルコン製ブレーキといったメニューも用意する。


■どんな感じ?

まるで別のクルマ

お世辞抜きで、このチューニングは変身と呼べるレベルだ。乗り心地は落ち着いたものとなり、アップグレードされたサスペンションは不整路面へみごとに対応する。どんな道でもよろめくことなく、ドライバーに自信を与えてくれる。

ボディコントロールも大幅に改善され、上下動のない穏やかで落ち着いた乗り心地を見せる。前輪周りにはスペーサーが装着されるのみだが、ステアリングフィールは精確さを増している。

クアイフのLSDも、このクルマのベストパフォーマンスを引き出すのに大きな役割を果たしている。BMWもオプションでMパフォーマンスLSDを用意するが、あちらは£2,500(37万円)と割高だ。

ノーマルのオープンデフでは、パワーオンで、荷重の抜けたタイヤが絶望的にスピンしたり、突如としてオーバーステアに転じたりして、苛立たしさを感じるだけでなく、次に起きる挙動に確信が持てない。

しかし、このLSDを装備すれば、後輪のコントロール性が向上し、エンドレスに走りを楽しみたくなる。望めば、アリ・バタネンのフォード・エスコートMk2のように派手なドリフトも、タイトコーナーでのもっと控えめで適切な、完璧にバランスのとれたテールスライドも思いのままに決められる。

コーナー出口へ向けてリヤを滑らせ、勢いを殺さずにストレートへ飛び出していくような走りを可能にしてくれるのだ。

ソフトウェアを書き換えたエンジンは、2000rpm辺りから強烈に車体を引っ張り、中速域ではしきりに回りたがり、レヴリミットめがけて凶暴なまでに回転を上げていく。

これは素晴らしく速いクルマで、敢えて不満を挙げようとしても、サウンドがややおとなしいことくらいしか見つからない。


■「買い」か?

能力開放を約束してくれる

もしもあなたがM235iのオーナーで、そのポテンシャルを十二分に解放したいと考えているなら、迷うことなくバーズのキットを選ぶべきだ。

速くて楽しく、なおかつ日常遣いにも不足のないクーペが欲しいなら、中古のM235iを購入してB2コンバージョンキットを追加することをおすすめする。

一度にコンプリートキットを装着できなければ、パーツを個別に取り付けるという選択肢もある。その際は、まずサスペンション、次にLSD、最後にエンジンという順番がベストだろう。

ちなみに、このキットはM135iにも装着可能だ。また、ECU以外はM140iとM240iにも対応する。

バーズBMW M235i

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