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ダイハツ フルチェンジした「ミラ イース」は大幅な軽量化を実現し、走りの質感と低価格を両立

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ダイハツ フルチェンジした「ミラ イース」は大幅な軽量化を実現し、走りの質感と低価格を両立

2017年5月9日、ダイハツは6年振りに5ドア・ハッチバックの軽自動車「ミラ イース」をフルモデルチェンジし、同日から発売を開始した。2011年に登場した初代ミラ イースは「第3のエコカー」がキャッチフレーズだったが、今回登場した新型は従来からの低価格、低燃費に加え「安全、安心」を追求し、「超深化エコ&スマート」が開発コンセプトになっている。

■クルマ作りの革新と開発コンセプト
この開発コンセプトは、進化&深化した第3のエコカーを意味している。開発にあたっては、第一にユーザー層を徹底的に調査してその要望に応えること。第二にダイハツが進めるモノ作り「良品廉価なクルマ作り」の原点と位置付け、企画・デザイン、開発、生産・物流、販売の各部門が一体となってクルマ作りの見直しを行ない、低コストと優れたデザイン性、質感や使い勝手の向上を両立させることが追求されている。

こうしたミラ イースを開発するためのの取り組みは、2~3年後に登場が計画されている新プラットフォーム「DNGA(ダイハツ・ニューグローバル・アーキテクチャー)」の原点となる活動と位置付けられているのだ。

新型ミラ イースの具体的なコンセプトは、従来モデルと同じ35.2km/Lの燃費を維持しながら動力性能を向上、エントリーモデルは84.2万円からという低価格、スマートアシストIIIの装備と安全・安心の基本性能の追求、力強さと先進性を表現したデザイン、日常生活に最適な快適装備の4点に集約される。

この中で特に注目すべきは、燃費は従来モデルと同じで、ボディの80kgにおよぶ軽量化を図り、動力性能の向上に振り分けていることだ。これはユーザー調査の結果、燃費に対する関心が低く、従来モデルは中間加速や登坂性能での不満が大きかったことで決断されたという。

エクステリア・デザインは、これまでの個性、特徴の薄いデザインから、存在感のある力強さと先進性を表現した、知的で端正なデザインへと大きく進化。軽自動車スタンダードであるミラ イースの価値観をダイレクトに訴求できるデザインに進化している。

■ボディの大幅な軽量化
新型ミラ イースのプラットフォームは、従来型のプラットフォームを使用し、衝突安全性や剛性を高めるなどの改良を加え、例えばフロント・サブフレームには新たに差厚鋼板を新採用し、メンバー間の結合部もより強化されている。

アッパーボディは、2014年のムーヴからダイハツが採用した「Dモノコック」構造に。これはサイドパネル全面を高張力鋼板にしボディ全体で応力を受け止めることで剛性を高め、ボディ補強材を少なくすることができ軽量化させるという独自手法だ。

またアウターボディのフロント・フェンダー、リヤドア、フューエルリッド、燃料タンク、ラジエーター・サポート、Cピラーカバーなどに樹脂部品を採用し、これらも軽量化に貢献している。

さらに内装では新軽量シート、ダッシュボードの薄肉化、ガラスの薄板化などの軽量かも合わせ、約30kgの軽量化を行なっている。なお樹脂部品の中でリヤドア部はサプライヤーからの納入だったが、今回から九州工場での内製となっている。

シャシーでは、ダンパーなどはサイズアップしながらハブキャリア、サスペンションアーム、ステアリング、ブレーキ部品を軽量化し、さらにB、Lグレード用の13インチのスチールホイールとタイヤは、世界最軽量を実現している。

この結果、従来型ミラ イースの車両重量が730kgであったのに対し、新型のB、Lグレードは650kgとなっている。

また、軽量化と同時にきめ細かな空力性能の向上も追求され、約3%改良して軽自動車ではトップとなるCd=0.3を切る数値を達成しているという。

■エンジンと動力性能
新型ミラ イースに搭載されるエンジンは、従来からのKF型3気筒エンジンを搭載し、CVTと組み合わせている。KF型はデュアルインジェクター、オルタネーター回生、可変バルブタイミング、アイドリングストップなどを継承しながら、補機ベルトの摩擦抵抗を低減するなど改良を加えている。CVTはケースの薄肉化により軽量化も行なっている。

またエアコンにはスクロール式を採用し、さらにLEDヘッドライト搭載モデルも設定するなど実用燃費も向上させている。

新型でのハイライトは、スロットル開度の特性を見直し、リニアな特性に改良。これまでの燃費を最重視した設定から素直な加速特性へと改められている。

また新ECUが採用され、CVT用のECUも内蔵され、より高精度な協調制御も実現している。このようにスロットル開度、CVTの特性をリニアにすることで、40km/h→80km/hの追い越し加速は、従来の10.4秒から9.8秒に早まるなど、市街地での加速、高速道路への合流、登坂などでストレスのない動力性能となっている。

また、ボディ各部の騒音源対策を徹底し、Aピラー内部に発泡材を使用したり、吸遮音材を入念に配置することでキャビン内の静粛性を向上。走行中の会話明瞭度もクラス・トップレベルに仕上げている。

■シャシー
市街地での乗り心地の良さと高速道路での安定感を両立させる、しなやかでフラットライドな乗り心地とししている。

なおB、Lは13インチ・タイヤ、上級グレードのX、Gは14インチタイヤとし、それぞれサスペンションを専用チューニングしている。サスペンションは13インチ用はベース仕様で、コイルスプリング形状の変更により、ダンパーへの横力を低減し、バネ下重量の軽減なども合わせて、乗り心地の改良を行なっている。

G、Xは、フロント・ダンパーを25mm径から30mm径にアップ。サイズアップによりバルブの応答性を高めた上で、軽自動車初となるカヤバ製の超飽和バルブと専用ベースバルブを組み合わせた新ダンパーを採用。摩擦抵抗の低減と、大入力時の伸側減衰力を大幅に抑制し、高速域でのフラットな乗り心地となる特性が与えられている。さらにリヤはスプリング・ブッシュを大型化。これらにより低速から高速までより上質な乗り心地を実現している。

電動パワーステアは、モーターの小型化、ギヤのフリクションの低減、アシスト制御の最適化などにより、軽い操舵力で、スッキリとした素直な操舵フィーリングに。なお最小回転半径は従来通り4.4mで、市街地での取り回しに優れている。

また乗り心地に影響するシートも、新骨格構造の採用や、シートレール位置を改良することでシート・クッションの効率を高めている。

■ドライバー支援システム、装備
新型ミラ イースはBを除くグレードにスマートアシストIIIを装備したモデルを設定している。スマートアシストIIIは、2016年11月にマイナーチェンジしたタントから採用されているが、小型ステレオカメラをメインのセンサーに採用したシステムで、クルマだけではなく歩行者も検知できる能力を持っている。

機能としては、衝突回避ブレーキの他に先行車発進告知機能、オートハイビーム機能、車線逸脱警報も持つ。さらに軽自動車初の前後各2個の超音波センサーを組み合わせたことで、コーナーセンサー機能に加え前方、後方の誤発進抑制機能も備えている。

ヘッドライトは、X、GグレードはLEDヘッドライト、L、Bはマルチリフレクター式ハロゲンライトを採用している。LEDライトはロービーム用がLED4個、ハイビーム用が2個を配置している。

インテリアでは、全車が自発光式デジタルメーターを採用。上級グレードはブルーイルミネーション+液晶マルチファンクション・ディスプレイ、L、Bグレードはアンバーイルミネーションとなっている。液晶マルチファンクション・ディスプレイは、メンテナンス情報や燃費スコアなど多彩な情報を表示できるようになっている。


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