フェラーリは2016年9月29日、パリモーターショーの会場でフェラーリ創設70周年記念車である「LaFerrari Aperta」を発表した。このラ・フェラーリ・アペルタはソフトトップとオプション装備されるカーボンファイバー製ハードトップを用意した、開放感と高揚感を味あわせてくれるモデルとなっている。
パワートレーンはラ・フェラーリと同じく9250rpmまで回り、9000ropmで800psのピークパワーを発生する6262ccのV12型ユニットと、163psを発生するモーターを組み合わせたHY-KERSシステムを搭載。そのパワーを受け止めるシャシーは、オープントップとなったことによる剛性低下を、ボディ下部の補強も含めた再設計を行なうことで補っている。この再設計によって車重はラ・フェラーリよりもわずかに増えているが、ねじり剛性は同等レベルを実現している。
エアロダイナミクス面では、ラジエターの傾斜角をラ・フェラーリの前傾から、アペルタでは後傾へと変更している。これによってラジエターを通過した熱気はアンダーボディ側へと排出されるようになっていて、車室内に向かう気流と排熱気流が分離され、より高い快適性も実現されている。またこの変更によってフロントグリルから入ってきた気流をボンネット上部へと流すダクトが設けられ、それがダウンフォースの効率的な発生にもつながっている。さらにアンダーボディ側では、排出された排熱気流を流すために新しいボーテックスジェネレーターを設計。その上でアンダーボディの位置も下げることで、ボディ底面でのダウンフォース量も増大。これらの変更によってこのアペルタは、オープン状態での走行でも、ラ・フェラーリと同等のドラッグ数値を実現している。
このように単にクーペボディをオープン化した、というのではない、まったく新しいモデルとして生まれ変わったともいっていいラ・フェラーリ・アペルタだが、限定生産されるすべての車両は、残念なことにすべて売約済みとなっている。
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