F1プレシーズンテスト後半2日目の走行が行なわれ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップタイムを記録した。一方でメルセデスにはトラブルが発生。不安の残る結果となった。ホンダ勢はアルファタウリのピエール・ガスリーが2番手。レッドブル勢は硬いタイヤで走行を重ねた。
スペインのカタルニア・サーキットで行なわれているF1のプレシーズンテスト。後半2日目は午前中の走り出しこそウエットコンディションだったが、各車が周回を重ねるに連れ、ドライコンディションとなっていった。
■メルセデスPUの信頼性に問題? ウイリアムズ、すでに2度もエンジン交換
そんな中、この日のベストタイムを記録したのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテル。これまではなかなかタイムシートの上位に名を連ねることのなかったフェラーリだが、ここにきてトップタイムを記録してきた。
ベッテルのベストラップは、午前中にもっとも柔らかいC5タイヤで計測した1分16秒841。ただこれは、テスト前半にメルセデスが計測した最速タイムよりも1秒以上遅いものである。
ただベッテルは、レースシミュレーションを含め145周を走破している。最終盤、新品のC5タイヤを投入したベッテルだったが、タイムを計測することなくピットに戻っている。
2番手につけたのは、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーだった。ガスリーは午後、積極的にロングラン。C3とC2のタイヤで周回を重ねた。しかしセッション残り40分を切った頃から、新品タイヤを立て続けに投入。1アタックずつのパフォーマンスランを複数回行ない、C5タイヤでの走行でベストタイムを大きく更新した。最終的にはベッテルから0.225秒遅れの2番手となった。ガスリーはこの日139周を走った。
3番手にはレーシングポイントのランス・ストロール。やはり午前中のタイムがこの日の自己ベストラップとなった。ストロールも午前中は30周止まりだったが、午後にはロングランも実施。合計130周を走った。
ウイリアムズのニコラス・ラティフィは、全ドライバー中最多となる合計160周と順調に走行を重ね、C4タイヤで4番手となった。ラティフィのこのタイムも午前中に記録したものだった。5番手ランド・ノリス(マクラーレン )も、午前中のタイムが自己ベストだ。
レッドブル・ホンダは、午前中にはマックス・フェルスタッペン、午後にはアレクサンダー・アルボンが走行を担当。フェルスタッペンは途中スピンしコースオフ……赤旗の原因となった。ただこの日のレッドブルは、そのほとんどの走行でC2タイヤを使用。アルボンが1セットだけC3を履いたが、まだ爪を隠している状態だ。
心配なのはメルセデスである。午前中に走行したバルテリ・ボッタスは7番手タイム。一方で昨年王者のルイス・ハミルトンは、ロングランを始めて13周を走った後、ターン5の立ち上がりでパワーを失い、そのままターン7でマシンを止めてしまった。
マシンはガレージに戻され修復作業を受けたが、結局コースに戻ることはできず……ハミルトンのこの日の走行は、僅か14周で終わってしまった。トラブルはオイルプレッシャーの異常だったとも言われるが、チームは問題の原因について調査している。
メルセデスは今年のテストで、カスタマーチームのウイリアムズも含め、パワーユニットの信頼性の問題に苦しんでいる。開幕に向けて不安材料となりそうだ。
ルノー勢は午前中にエステバン・オコン、午後にはダニエル・リカルドが走行を担当。パフォーマンスランも行なうという情報もあったが、結局は9番手と11番手に終わっている。
ハースのケビン・マグヌッセンは9番手、12番手アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィはターン4のブレーキングで挙動を乱してコースオフ……バリアにぶつかりリヤウイングを壊したものの、自力でコースに復帰することができた。
今年のプレシーズンテストも残すところあと1日。勢力図が見えてくるのか? 注目が集まる。
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