トヨタは、2019/2020年シーズンからWEC世界耐久選手権のトップカテゴリーに参戦する予定だったアストンマーティンがプログラムを延期したことを受け、LMHル・マン・ハイパーカークラスへの関与を再確認した。
日本の自動車メーカーはアストンマーティンの正式発表があった2月12日に声明を発表し、状況に対するトヨタの立場を「検討し確認を行う」と述べていた。その後、TOYOTA GAZOO Racingのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンは金曜日のサーキット・オブ・ジ・アメリカズにおいて、LMHプログラムを予定どおり継続することを明言している。
WEC:アストンマーティンが2020/21年の参戦延期を正式発表。ハイパーカーを再評価へ
「アストンマーティンの件についてできることはほとんどないため、このニュースを受け入れるしかない。今のところ、来シーズンの状況が変わったこと以外に何もかわりはない」と語ったバセロン。
「いま我々は、誰が2020/21年シーズンのグリッドに登場するのかに注目している。それ以上のことはなんとも言えないね」
「幸いなことに、私たちのクルマはそのほとんどの部品が製造されている。だから元の位置に戻る方法はないんだ」
■LMDhも正しい道のひとつ。しかし、トヨタには適さず
またバセロンは、WECでは2021/22年シーズンに登場する予定であるACOフランス西部自動車クラブとIMSAによるジョイント・プラットフォーム“LMDh”への切り替えについて、トヨタの目標と一致しないため「考慮されない」と述べた。
「私たちはレースでテクノロジーを開発し、技術力を証明するためレースを戦っている」
「我々がLMP2シャシーと、市販のハイブリッドシステムを購入することに興味がないことは事実だ。それは私たちが(レースを通じて)探しているものではない。求めているものではないんだ」
「この(新しい)アプローチが他のメーカーにとって正しいものであることを私たちは充分に理解している。しかし、我々にとっては絶対にそうではない」
「なぜなら、我々は新しい技術を開発し、それをレースの場で証明することを使命としているからだ」
アストンマーティンのプログラム延期によって2020/21年シーズンもまたシリーズの最高峰に参戦する唯一の大手自動車メーカーとなるトヨタは現在、『GRスーパースポーツ・コンセプト』のデザインを用いたプロトタイプ・ハイパーカーの開発を続けており、7月に新車のトラックデビューが予定されている。
そのトヨタのライバルになると考えられているバイコレス・レーシングチームは、同じくプロトタイプベースのLMHをシルバーストンでデビューさせる予定だが、昨年行われた初期のマシンイメージ発表から続報がない状態だ。
一方、アメリカのコンストラクターであるスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは最近、『SCG 007』と名付けられたノンハイブリッド・ハイパーカーのレンダリングを公開。車両価格が200万ユーロ(約2億4000万円)となることを明らかにした他、チームの主要メンバーを発表している。
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