2020年第1回F1バルセロナテストが3日目最終日を迎え、全10チームの16人のドライバーがそれぞれのニューマシンで周回を重ねた。トップタイムをマークしたのはメルセデスのバルテリ・ボッタスだった。
引き続きドライコンディションとなった2月21日は、赤旗が4回掲示され、3日間のなかで中断が最も多い一日となった。
午前にはフェラーリのセバスチャン・ベッテルとウイリアムズのニコラス・ラティフィ、午後にはハースのケビン・マグヌッセンとルノーのダニエル・リカルドが赤旗の原因を作った。
【第1回F1バルセロナテスト3日目・タイム結果】メルセデスが1.3秒差の首位。ホンダ勢は4人で290周走り順調にデータ収集
■メルセデスが今年2回目の1-2。チームは信頼性の高さを重要視
メルセデスはテスト初日に続き、タイムシート上のトップ2を独占した。午前中の走行を受け持ったボッタスが、65周のなかで最もソフトなC5タイヤで1分15秒732をマーク、3日間総合のトップに立った。ボッタスのこのタイムは、自身が2019年スペインGPで記録したコースレコードとなるポールポジションタイムからわずか0.3秒落ち。この日2番手の僚友ルイス・ハミルトンより0.784秒、3番手ルノーのエステバン・オコンがC4タイヤで出したタイムより1.370秒速いタイムだった。
ハミルトンの自己ベストタイムは1分16秒516(C5タイヤ)で、周回数は73周にのぼった。メルセデスはこの日、合計138周を走り、ドライバーたちもテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンも、高い信頼性を発揮できたことを喜んでいる。
■リカルドにトラブルも、ルノーは169周を走行「ドライバーふたりともがマシンに満足」
ルノーは午前にオコン、午後にダニエル・リカルドを走らせた。オコンは1分17秒102(C4タイヤ)で、ルノーにとって3日間通しての最速タイムをマークした。
リカルドはセッション終盤、ターン9でトラブルによりストップ、この日4度目の赤旗をもたらした。リカルドは後にコースに復帰、1分17秒574(C4タイヤ)で7番手を獲得した。エグゼクティブディレクターのマルチン・ブコウスキーは、この日169周という距離を走れたことを喜び、「マシンのパフォーマンスは良好でバランスもよく、ドライバーはふたりとも満足している」とコメントした。
■レーシングポイントのストロールが4番手「1年前よりはるかに状況がいい」
レーシングポイントが再び速さを発揮、ランス・ストロールが1分17秒338(C4タイヤ)で4番手となった。午前セッション終盤にギヤボックスセンサーの問題が発生したものの、ランチタイムの間に修復、午後にはロングランに取り組んだ。ストロールは「RP20は昨年型とはフィーリングが全く違う。1年前よりかなりいい状態だと思う」と語っている。
■アルファタウリ・ホンダが再び5番手「新車への理解を深めつつある」とチーム
アルファタウリ・ホンダは、ドライバーふたりを起用。午前中のテストを担当したダニール・クビアトは、62周を走り1分17秒427(C4タイヤ)で5番手。アルファタウリはテスト1の3日間すべてで5番手を獲得した。午後に登場したピエール・ガスリーは、59周を走行し、1分17秒783(C4タイヤ)で9番手となった。
アルファタウリのチーフレースエンジニア、ジョナサン・エドルズは、3日間を通してAT01を向上させるためのデータを大量に集め、マシンの挙動や特徴への理解を深めつつあると、テスト1を振り返った。
■アルファロメオのジョビナッツィ、ドライバー別周回数で最多の152周を走行
アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィが1分17秒469(C5タイヤ)で6番手となった。ジョビナッツィはドライバー別ではこの日最多の152周を走行、チームは3日間のテストのなかで高い信頼性を示せたことに満足感を示している。
■レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは8番手「今はラップタイムを追求してはいない」
レッドブル・ホンダは、午前にマックス・フェルスタッペン、午後にアレクサンダー・アルボンを起用、RB16のテストを進めた。フェルスタッペンは86周のなかで1分17秒636(C2タイヤ)を記録し、8番手。「今はラップタイムを追求してはいない。さまざまなテストを行って、すべてがうまく機能する状態に持っていくための作業に注力している」とコメントし、満足いくテストができたとしている。
アルボンは83周を走り、1分18秒154(C2タイヤ)で10番手だった。アルボンも「今週は信頼性の面やシステムチェックに重点を置いてきた。すべてがスムーズに進んだ」と述べた。
■マクラーレンのノリス、トラブルと赤旗で十分走りこめず
マクラーレンもふたりのドライバーを走らせ、午前はカルロス・サインツJr、午後はランド・ノリスが担当した。サインツは76周を走り1分18秒273(C2タイヤ)で11番手、ノリスは1分18秒454(C3)で14番手だった。ノリスはトラブルに見舞われ、途中、ガレージで待機する時間帯があったため、周回数は49周にとどまった。「赤旗もあって走行時間を少しだけ失ったけど、マシンの感触がよくなってきている」とノリスはコメントしている。
■ハースのマグヌッセン、トラブルによるパンクでクラッシュ
ハースは午前にロマン・グロージャンが走行、午後にケビン・マグヌッセンに交代したが、マグヌッセンは走行をスタートしてわずか数周でコースオフ、その日のプログラムを切り上げることになった。
5周目のターン8でコースアウトしたマグヌッセンは、ウォールにヒット。マシンがダメージを負ったため、チームは走行再開を断念した。チームは、右リヤタイヤがパンクしたことによるコースオフであると説明、その後の調査で、ホイールスペーサーの問題によりリムが損傷を受けたことが、突然のパンクにつながったと明かした。
グロージャンは48周を走行して1分18秒380(C3タイヤ)で12番手、4周走行のマグヌッセンは1分19秒709(C2タイヤ)で16番手となった。
■フェラーリのベッテルがPUトラブルでストップ、13番手にとどまる
セバスチャン・ベッテルがフェラーリSF1000のテストを担当したこの日、午前中にパワーユニットのトラブルが発生、ベッテルはチームの指示によりコース脇にマシンをとめ、この日最初の赤旗の原因となった。
チームはパワーユニット交換を行い、調査のためトラブルが起きたパワーユニットをマラネロのファクトリーに戻した。ベッテルは午後に走行を再開。最終的には合計100周を走ったが、タイムは1分18秒384(C3タイヤ)で13番手にとどまった。
■ウイリアムズのメルセデスPUにも問題発生。ラティフィが走行中断
ウイリアムズのニコラス・ラティフィも午前中にメルセデス製パワーユニットの問題でマシンをとめている。調査のためラティフィは午後のセッション終盤までコースに復帰できず、周回数は72周、タイムは1分19秒004(C3タイヤ)で15番手だった。
第2回テストは2月26日から28日にスペイン・バルセロナで開催される。
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