1月10日に発表された、ホンダの2020年モータースポーツ参戦体制。その中で、佐藤蓮と岩佐歩夢がフランスF4に挑むことが明らかにされた。
佐藤は2019年のFIA F4選手権チャンピオン。14レース中11勝、2位2回という圧倒的な強さを見せた。そのため次なるステップとして海外に挑戦するのは、当然のこととも言える。しかし岩佐は、スーパーFJの日本一決定戦で勝利を収めるなどしてはいるものの、鈴鹿サーキット・レーシングスクール-フォーミュラ(SRS-F)でスカラシップを獲ったばかりのドライバー。そういう意味では、いきなりの海外挑戦は大抜擢だとも言える。
■”日本人の強さ”を持った、国際人を育てたい……新生SRSを支える中野信治に訊く
岩佐抜擢の理由について、SRS-Fのヴァイス・プリンシパル(副校長)を務める中野信治は、次のように語った。
「能力と時間を考慮して、どういうステップが必要かということを色々と考えました。(佐藤)蓮もフランスに行きますから、彼らがパフォーマンスを最大限に活かすためにはどういう体制を作ればいいのか……色々な状況、2年先、3年先を考え、(佐藤)琢磨(SRS-Fのプリンシパル)やホンダさんともディスカッションを重ねて決めたことです。ですから、すごく期待しています」
中野はそうmotorsport.comに語った。しかし、SRS-Fでスカラシップを獲得し、すぐに海外参戦というのは、あまり例がないこと……簡単な挑戦ではないだろう。
「もちろん、1年目なので色々なことを学ばなければいけません。でも僕も彼と同じように18歳でヨーロッパに行っていますし、全然戦えるはずです。これは、やるか、やらないかというだけなんです。そういう意味では、日本で1年戦ってからヨーロッパに”行かなきゃいけない”というのも違うと思います」
「彼はスクールでは圧倒的に強かったドライバーです。全体のレベルが高かった中でも、抜けていた。そういうドライバーには、1秒でも早く海外に行って、色々なことを学んで欲しいと思います。そうすれば、早い段階で自分の能力を知ることもできるし、足りないことを知ることもできる。そして彼が人間力を伴ったホンモノの実力の持ち主であるのであれば、その先に上がっていけるでしょうし、そういう実力が無ければ、日本に戻ってくることになるかもしれません」
中野は、能力あるドライバーにチャンスをしっかりと与えることができるSRSでありたいと語ると共に、岩佐にエールを送った。
「いずれにしても、早くに結果が出ます。本当に楽しみにしていますし、そういうドライバーがどんどん出てきて欲しい。そしてそういう能力があるドライバーには、チャンスを与えることができるSRSであるべきだし、ホンダであるべきだと思っています」
「彼はその第一号。飛び級という形でヨーロッパに行くことなりますが、焦らず、頑張って欲しいと思っています」
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