伝説的なF1デザイナーであるゴードン・マレーは、FIA世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスへの参戦に興味を示しており、WECのプロモーターであるACO(フランス西部自動車)やFIAと接触していることを明かした。
マレーは、ブラバムやマクラーレンで活躍したF1デザイナー。1978年のF1スウェーデンGPでニキ・ラウダが圧勝するも、わずか1戦で使用禁止となったことで有名な”ファンカー”ブラバムBT46Bや、年間15勝を達成したマクラーレンMP4/4など多くの独創的なF1マシンを開発。その後は市販車のデザインに転身し、マクラーレンのロードカー『マクラーレンF1』を生み出した。
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マレーが率いるゴードン・マレー・オートモーティブは、今年6月に第1号車となる『T.50』を発表した。このマシンは、コスワース製の4リッターV12エンジンをリヤミッドシップに搭載。独自のカーボンファイバーモノコックによる軽量化により、定員3名分のスペースを確保しながらも、980kgという車重を実現している。
またマクラーレンF1と同様、ドライビングシートがセンターに配置されており、電動ファンによるアクティブ空力デバイスを備えた”ファンカー”となっている。
1995年にマクラーレンF1-GTR(J.J.レート/ヤニック・ダルマス/関谷正徳組)がル・マン24時間レースを制していることもあってか、マクラーレンF1の精神的な後継車とされているT.50でレースを戦いたいという声が顧客から寄せられていると、マレーはmotorsport.comに説明した。
「(WECの)シリーズを運営している人々は、(マクラーレン)F1-GTRという歴史を持つ我々が復帰することに非常に興味を持っている。今年2月に、ACOとFIAに話をした」
「その後、レースに非常に興味を持っているカスタマーがいた。ここ(ゴードン・マレー・オートモーティブ)のみんなはレーサーなので、レースにもとても興味があるんだ。それが我々のDNAだ」
「我々は、T.50の開発に風洞を使用するため、あるF1チームとの提携を間も無く発表する予定だ。だから、我々はすでにレースに一歩近付いているんだ。F1はイノベーションを刺激する」
しかしながら、マレーはT.50のレース参戦について決定されていることはないと強調。『スポーツカーレースの方向性に関して、一般的な考え方を理解できるようにするため』、各国で様々なGTカーレースをプロモートしているSROのステファン・ラテルCEOとも会う予定であることを明かした。
T.50は2022年に限定100台が製造される予定だ。WECのハイパーカールールにおいて、ベース車両はレース開始から2年間で20台以上生産をしなければいけないところになっているが、T.50はこのルールをクリアしている。
ただし、レース仕様のマシンは”ファンカー”にはならないだろうとマレーは語った。
「それ(WEC参戦)をする場合、我々はチームを分け、ロードカーと並行してプロジェクトを進めるだろう。我々にはすでに、特別な車両オペレーションを行なうユニットを持っている」
「ただ、彼らが我々にファンを使わせるとは思わない。もう一度、それが許されるとは思っていない」
また、ハイパーカークラスの車両最低重量は1100kgと規定されている。ロードカー仕様のT.50ですらそれを下回っているが、サーキット専用バージョンのT.50は890kgまで軽量化されるという。
「レーシングバージョンのT.50はおそらく約900kgで登場するので、数百kgものバラストを搭載するのは魅力的なことではない」とマレーは話した。
「しかし新しいルールでは性能調整が行なわれるため、より軽くより少ないパワーで戦える方法があると願っている」
さらにマレーは、T.50を使ったワンメイクシリーズ開催にも興味があるという。
「ハイパーカーや他のカテゴリーにフィットしないと分かった場合、トラック仕様のクルマでワンメイクシリーズをやるという選択肢がある」
「1万2000回転のクルマが20台グリッドに並ぶんだ。想像してみてくれ、楽しいだろう」
ゴードン・マレー・オートモーティブは、2020年の夏に最初の開発車を走らせ、T.50のデリバリー開始までに18カ月間に及ぶテストを行なう予定となっている。
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