2021年のF1新ルールパッケージにおいて、マシンの最低重量が変更され、現在の743kgから25kg増の768kgと規定された。理論的には、新レギュレーションによって、コース上でマシン同士が近づきやすくなりバトルが増える一方で、スピードは今より遅くなるといわれる。しかし各チームがマシンをうまく改良していき、最終的には現在の速さを取り戻すものと期待されている。
FIAは、2021年仕様のF1マシンは今より3秒から3.5秒遅くなるものと予想しているが、重要なのはコース上でのバトルのしやすさであると述べている。最低重量引き上げは、タイヤの18インチ化、一部パーツの標準化、安全対策やコスト削減対策等を考慮して決められた。
「F1コスト制限導入の前年には記録的な予算を費やすことになる」とレッドブル代表
「マシン重量が増えるのは良いことではないと思う」とハースのケビン・マグヌッセンは主張した。
「でもそうしなければならなかったんだろう。さもなければ目的を達成できなかったんだ」
「チームは時間をかけてこのことを克服するだろう。おそらく最初の数年は、マシンは少し遅くなる。すごく遅いとまではいかなくてもね。そしてどこかの時点で、今の速さに近づいていくんだ。チームは常にどんどんパフォーマンスを向上させていく。マシンがまたすごく速くなることを期待しているよ。誰もが速くてグリップのあるマシンで走りたいと思っている。地球上で最速のマシンをドライブしたいんだ」
一般的に、重いレースカーは誰からも敬遠されるが、F1ではなおさらそうだ。
「走行中にマシンがスムーズな動きをしなくなるだろう」とハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは語った。
「だが、技術や安全面、ハイブリッド技術を考えると、重量を増やす以外になかった。私は25kgの重さがマシンを遅くする最大の要因になるとは思わない。それより大きいのは空力の要素だ」
「おそらく最初の頃は望むような状態にはならないだろう。だが最終的には今のマシンと同等に速いマシンになると私は確信している。そして同じようにタイヤも大きな要因だ」
ロマン・グロージャンは重量の問題について次のように考えている。
「F1マシンは地上で一番速いクルマだ。だから1周あたり数秒失うとしても、良いレースができるのなら、世界の終わりのような話ではないと思う。物事を大局的に考えなければいけない」
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