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スポーツ 2019.11.3

WAKO’S山下、執念の最終コーナー。KeePer優勝もチームルマンが17年ぶりのチャンピオンに輝く/GT500クラス決勝

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 2019年シーズン最終戦となるスーパーGT第8戦が11月3日にツインリンクもてぎで開催され、スーパーGT GT500クラスのチャンピオン争い、そしてレースの優勝争いも2019年シーズンが最後の参戦となるレクサスLC500同士の争いとなった。7ポイント差でランキングトップWAKO'S 4CR LC500とランキング2位のKeePer TOM'S LC500によるタイトル争いの結果、TOM'S、チームルマンともに持てる力を出し尽くした文字どおりの“死闘”を制したWAKO'Sがドライバーズチャンピオンを獲得。レースはセカンドロウから出たKeePer TOM’S LC500が最終戦を勝利で飾っている。

 2020年から新たな車両規定“Class1(クラス1)+α”の採用が決まっているGT500クラス。それに伴い、ホンダ陣営は新たにFR仕様としたNSX-GTを新規開発し、ニッサンもR35型GT-Rをアップデート、そしてトヨタはブランドのフラッグシップ、GRスープラでの参戦を表明していることから、レクサス・レーシングとしてのGT500クラス参戦はこれが最後となる。

    チェッカー目前の逆転で11号車GAINER GT-R優勝。高木&福住組ARTAが2019年王者に/スーパーGT第8戦もてぎ GT300決勝

 その節目のシーズンで最後までタイトル獲得の権利を残したのもレクサス勢で、例年ノーウエイト勝負のもてぎ予選で圧倒的速さを示し、今季は予選ポールポジション獲得が逆転王座の必須条件だったMOTUL AUTECH GT-Rも撃破したau TOM'S LC500がポールを獲得。

 2番手には選手権首位のWAKO'S 4CR LC500がつけ、レクサス勢がフロントロウを占拠し、王座争いのライバルであるKeePer TOM'S LC500がセカンドロウ4番手と、ツインリンクもてぎとLC500の相性を見せつける予選結果となった。

 この日曜も曇り予報ながら雨はなく、ツインリンクもてぎには3万5500人のファンが来場。ウォームアップ走行前には、2020年規定の3車がそろってデモランを披露するなど、会場のボルテージが高まるなか13時30分定刻にパレードラップを迎えた。

 スターティンググリッドではCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがトラブルでグリッドに着くことができずにリタイアとなり、GT500のマシンは全14台でスタート。

 すると53周レースのオープニングラップからタイトル候補たちのバトルが始まる。au TOM'S中嶋一貴はホールショットを奪ったものの、2番手WAKO'Sの大嶋和也は1コーナーでMOTUL GT-Rのロニー・クインタレッリにインを刺されて3番手に後退。

 続く3コーナーまでの加速で各車ウィービングを見せてタイヤへの熱入れを意識しながら進むと、4番手KeePerのニック・キャシディがWAKO'Sをロックオン。ディフェンスラインを取る大嶋がブレーキングでわずかに膨らんだ隙を突き3コーナーで前に出ると、加速が鈍ったWAKO'Sは続く4コーナーでKEIHIN NSX-GTにも先行され、5番手に後退する厳しい出だしとなってしまう。

 5周目に入ったところでレース前にシーズン3基目へのエンジン交換を行ったカルソニック IMPUL GT-Rが15秒のピットストップペナルティを消化するのと時を同じくして、コース上では2番手争いが激化。MOTUL GT-Rのテールに張り付いたKeePerのキャシディは、GT300クラスのバックマーカーが絡み始めた6周目のターン3で一気に仕掛け、難なくオーバーテイク。

 ペースに苦しむMOTUL GT-RのクインタレッリはKEIHINの塚越広大にも先行を許すと、翌周にはWAKO'Sの大嶋にも4番手を譲ることに。

 首位を行くTOM'S勢2台は約1秒のギャップを保ったまま逃げ始め、3番手KEIHIN以下、WAKO'SやMOTUL GT-Rがじりじりと離されていく。前を行く塚越を秒差圏内で追い詰め、なんとかライバルを追いたいWAKO'S大嶋だったが、オーバーテイクへの決定打を欠く状況が続く。

 すると15周目には5コーナー先のファーストアンダーブリッジを過ぎたところで12番手を走っていたカルソニック GT-Rのエキゾーストから炎が上がり、コースサイドにストップする事態に。しかしセーフティカー出動は見送られ、FROが現場に急行して消化作業を進めてレースはそのまま続行。

 コース上での決着を急ぐ大嶋は、19周目の1コーナーからKEIHIN NSX-GTに並びかけると、バックマーカーに行く手を塞がれながらも粘りを見せ、3コーナーのインを奪ってついに3番手へ。

 すると続く20周目にKeePerが先手を打ちピットへと向かい、38.9秒の静止時間で平川亮にドライバーチェンジ。同じラップでMOTUL GT-R、ZENT CERUMO LC500らもピットへと向かっていく。

 首位au TOM'Sも続く21周目にピットへと向かうと、この動きを見たWAKO'Sも同時にピットロードへ飛び込み、38.8秒とKeePerの静止時間をわずかに上回ってトラックへと復帰。しかしポジションを入れ替えるには至らずau TOM'S関口雄飛、KeePer平川、WAKO'S山下健太の並びになると、アウトラップのコールドタイヤでブレーキングを誤った首位の関口がターン3でワイドに。

 このロスタイムで背後まで迫った平川と最終セクターまで競り合いとなり、からくも首位を守る緊迫の場面が繰り広げられる。

 25周目にはピットタイミングを引き延ばしていたKEIHIN NSX-GTがピットに入るも、レクサス勢をアンダーカットすることはできず。auやWAKO'Sらと同じ周にドライバー交代を済ませていたARTA NSX-GTやZENTにも先行され、6番手までドロップしてしまう。

 レース折り返しを過ぎたところで先頭のTOM'S勢は約2秒のギャップを保ち、3番手WAKO'Sの山下はそのさらに2秒後方で周回を重ねていく。タイトル争いで直接のライバルとなる2番手KeePerをかわせば文句なしの初戴冠となるだけに、力走を見せる山下は30周を過ぎるころにはKeePer平川のすぐ背後にまで迫る。

 そして32周目。首位を行くau関口のペースがGT300マシンに引っかかってわずかに鈍り、その隙を逃さずターン3のイン側から平川がクリーンに前へ。3番手のWAKO'S山下も続く気配を見せたが、5コーナーから関口の老獪なディフェンスが炸裂。コース全周にわたって絶妙なブロックで行く手を阻み、背後からは4番手ARTA NSX-GTの野尻智樹も迫ってくる。

 逆転タイトルに向け首位に立った平川は順調なペースで、5周後の37周目終了時点で約4秒のマージンを構築。チームメイトの逃げを容認するように3番手WAKO'Sを押さえ込んできた関口だったが、グリップダウンの苦しさは隠せず。すると38周目、運命のときが訪れる。

 バックストレート手前のヘアピンでバックマーカーにも絡んでペースの落ちたau TOM'S LC500と、WAKO'S 4CR LC500は並走した状態でダウンヒルへ。一度アウトに行く動きを見せてすぐにインを抑えた山下は懸命のレイトブレーキングで90度へ飛び込み関口を攻略したかに見えたが、「ガチンコで勝負を」と語っていた関口は諦めず、最終ビクトリーコーナーへ向け山下のクロスラインを取ってイン側にマシンを進めて、2台はサイド・バイ・サイドに。

 山下と関口は横並びのままビクトリーコーナーへ向かったが、互いに接触して思うようにターンインできず、2台揃って最終コーナーをショートカットするようにコースオフ。

 ボディサイドを擦り付けたままの2台はそのままホームストレートへ文字どおり“飛び出して”立ち上がり、WAKO'S山下がau TOM’S関口の前を奪い、2番手でコントロールラインを通過していった。

 首位のKeePer平川は、このシーズン終盤戦で誰よりも巧みなタイヤマネジメントを披露してきたドライバーであり、2番手WAKO'S山下は誰よりもスピードで魅了したドライバー。ともに持てる才能を存分に発揮したシーズンは、12秒169のギャップでチェッカー。

 ともに、できることをやり切ったKeePer TOM'S LC500が最終戦を勝利で飾り、WAKO'S 4CR LC500が2位表彰台に上がると同時に、2019年のドライバーズチャンピオンに輝くこととなった。

「1周目が大事なのはわかっていて、気合を入れてタイヤのウォームアップを進めたけど、充分ではなかったみたいで、抜かれた瞬間は本当に悔しかった。でもそのあとは気持ちを切り替えて、追い上げることはできたと思う。後半の(山下)健太が素晴らしい走りをしてくれて、感謝しています」と先輩の大嶋がチームメイトの労をねぎらう。

 すると自らの走りでポジションを奪還した山下も「このもてぎ戦はチームルマンにとって特別な1戦だったし、タイトルが獲れてよかった。(コースオフしながら抜いた)あの瞬間は結構な衝撃で、その後はマシンにもバイブレーションが出て『大丈夫かな』と心配だったけど、最後まで持ってくれてよかったっす」と山下節で安堵を示した。

 チームルマンにとっては、2019年で監督就任4年となる脇阪寿一監督が自らステアリングを握ってタイトルをもたらした2002年以来となる17年降りのの栄冠。監督としては初のシリーズタイトル獲得となった。

 3位表彰台はau TOM’Sが獲得したほか、4位にはZENT CERUMOが入ってレクサスLC500がトップ4を独占。5位にはホンダ陣営のKEIHINが続き、6位には今大会がスーパーGTラストランとなるジェンソン・バトンも搭乗したRAYBRIG NSX-GTが続いた。ニッサン陣営は予選2番手だったMOTUL GT-Rの8位が最上位だった。

 2019年のスーパーGTシリーズ戦は、これで終了となったが、11月23~24日には富士スピードウェイでDTMドイツ・ツーリングカー選手権との特別交流戦が開催され、GT500車両とDTMマシンが激突する。

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(AUTOSPORT web )

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