南米大陸ブラジルで絶大な人気を誇るツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの2019年シーズンもいよいよ終盤戦に突入。10月19~20日開催の第9戦カスカバルでは、レース1をフェリペ・フラーガ(シムド・レーシング)が、レース2をアッティラ・アブレウ(シェルVパワー)が制し、ルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)も3位表彰台を獲得。そしてシリーズランキング首位を守ってきた王者ダニエル・セラ(ユーロファーマRC)がチームメイトのリカルド・マウリシオに同率首位に並ばれる混戦模様となっている。
8月末に開催された高額賞金の掛かる第7戦"ミリオン・レース"では、ゲスト参戦でポールポジションを獲得したルーカス・ディ・グラッシ(ユーロファーマRC)を撃破したマウリシオが勝利し、100万レアル(約2950万円)の賞金を手にすると同時にシリーズポイントでも僚友セラに大きく肉薄。
元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ、2012年以来のフォーミュラレース参戦へ
続く第9月の第8戦ヴェロパークではフラーガと2014年王者バリチェロが勝利を挙げ、4勝目の元F1ドライバーがランキング4位に浮上するなど、タイトル争いも混迷の様相を呈してきた。
迎えた第9戦は、レース1に向けポールポジションを獲得したガブリエル・カサグランデ(クラウン・レーシング)と、強豪シムドのエースであるフラーガの一騎打ちとなり、勝敗の行方はルーティンピットが分ける僅差の勝負に。
ここでポールシッターの作業時間をわずか0.8秒上回ったシムドの強さが物を言い、35周のチェッカー時には4.528秒の差をつけフィニッシュ。2016年チャンピオンのフラーガが今季2勝目を飾り、2位カサグランデ、3位に5度のタイトルを誇る"帝王"カカ・ブエノ(シムド・レーシング)が並ぶ表彰台となった。
一方、タイトル争いを展開するランキング上位勢は明暗が分かれ、バリチェロを抑えて4位に入ったWEC世界耐久選手権レギュラーでもあるセラに対し、チームメイトのマウリシオはタイヤ選択を外して17位に沈む、苦しいリザルトとなった。
続いてレース1トップ10リバースグリッドで争われたレース2は、フロントロウ発進のラファエル鈴木(ホットカー・コンペティシオス)が7周にわたってトップランを維持したものの、前戦7位だったアブレウが戦略を駆使して上位へと進出。ライバル勢よりルーティンピットを3周ほど遅らせ、コース復帰したときには前が開けたクリーンな状態となり、そのまま38周のトップチェッカーをくぐってシーズン初勝利を手にした。
その背後、2位表彰台にはレース1で13位に終わっていたチアゴ・カミーロが完璧なレース運びで挽回し、開幕から4戦連続を含む今季5回のポールポジションを獲得したスピードを駆使して10台以上を仕留めるオーバーテイクショーを披露。
そして最後のポディウムとなる3位には、中団のバトルで幾度もの接触をくぐり抜けたバリチェロが入り、レース1での5位と合わせて連続シングルフィニッシュの安定感をみせた。
タイトル争いを牽引するユーロファーマRCの2台はそのレース1とはまったく逆の展開となり、マウリシオが5位までカムバックしたのと対照的に、セラは元F1ドライバーのリカルド・ゾンタ(シェルVパワー)やネルソン・ピケJr.(フルタイム・スポーツ)を抑えての15位に終わり、このチームメイトふたりはドライバーズスタンディングで265点の同率首位に並ぶことに。その背後、ランキング3位には249点のカミーロが続き、バリチェロは241点の4位となっている。
いよいよシーズンも残すは3戦。続く第10戦は11月9~10日に、ブラジル南部ポルト・アレグレ近郊のヴェロチッタで争われる。
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