レッドブルとトロロッソの4台が、予選で1、5、9、10番手を獲得した。ホンダPU搭載車4台が揃って予選Q3に進出したのは、5月のモナコGP以来の快挙となる。モナコではレースでも4台入賞を果たしたが、メキシコではどんな展開が待っているのか。山本雅史マネージングディレクターが、ホンダ側の見解を語った。
──実際に走り始めるまでは、エンジニアもドライバー本人も、「フェラーリにはかなわない」「ポールは無理」と、繰り返していました。そう言いながらも、実はポール獲得を狙っていましたか?
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):どうでしょう。メルセデスとは戦えると、ホンダ側も思っていました。フェラーリに関しては、彼らが予選でうまく噛み合わなかったということなんじゃないでしょうか。結果的にペナルティで3グリッド降格になりましたけど、マックスのことですから、うまくかわして1コーナーまでに前に出るか、たとえスタートで抜けなくてもタイヤを上手に持たせて、レースを作って行くんじゃないでしょうか。
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──あれだけ予選で苦労したメルセデスですら、決勝レースのタイヤ交換は3回や4回では済まないと言っています。
山本MD:そう思いますよ。初日のルイス・ハミルトンの左フロントタイヤなんて、ひどいデグラデーションでしたしね。ロングランとはいえ、周回数は少なかった。タイヤに優しいはずのメルセデスですら、あれですからね。2回ストップは、当たり前でしょう。1回はありえない。
──そんな中、ここ数戦のレッドブルは、決してタイヤマネージメントがうまく行っていません。
山本MD:ええ。マックス自身、タイヤに厳しいと言っていますよね。
──空気が薄くて、冷えにくいことも大きいでしょうね。
山本MD:それは、あります。ブレーキもエンジンも、タイヤも冷えない。
──だったらなおのこと、どうしてミディアムタイヤを3セットしか持ってこなかったんでしょう?
山本MD:どうしてでしょうねえ。過去2連勝したデータを分析して、それで行けると踏んだのか。いずれにしても4台揃ってQ3に進出したのは、本当にうれしいです。トロロッソの初日は、FP1がよくてもFP2で落ちるパターンが多かったんですが、今回は違った。
ピエール・ガスリーはミディアムでも、かなり頑張っていました。フランツ(トスト代表)に聞いたら、「高地に合わせた空力セッティングが、うまく行ったんだよ」と、表情を崩していました。ホンダのパワーユニット(PU/エンジン)も、まだ完璧とは言えないようですが、かなりのレベルまで合わせ込めてる。今週末は両方が、いい方向に回っていますね。
──予選後のガスリーは、ずいぶんやつれてました。
山本MD:出走前には「お腹痛い」と言っていて、少し心配でしたが、いざ走ったらあの速さ。さすがですよ。
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