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スポーツ 2019.10.26

MotoGP:Moto3の背景とデータから分析するワイルドカード参戦ライダーのマシン性能差

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 10月18~20日にツインリンクもてぎで開催されたMotoGP第16戦MotoGP日本GP。この大会のMoto3クラスにはふたりのMotoGPライダーがワイルドカード参戦した。そんなふたりの日本GPを二輪ロードレース専門誌『ライディングスポーツ』が分析する。

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    MotoGPオーストラリアGP:ビニャーレスがウエット、ドライの初日で総合首位。クアルタラロは転倒によりFP2不参加

■厳しい結果に終わった全日本J-GP3王者
 ツインリンクもてぎで開催されたMotoGP第16戦日本GPのMoto3クラスにはふたりのライダーがワイルドカード参戦したが、2019年の全日本ロードレース選手権J-GP3チャンピオン、長谷川聖(Team Anija Club Y’s)は残念ながらフリー走行でトップタイムの107%をクリアできず、予選に進むことができなかった。

 長谷川は全日本J-GP3仕様のホンダNSF250Rに、Moto3の共通ECU(ハード/ソフト)を装着して参戦したが、金曜日のフリー走行1回目(FP1)ではエンジンがかからず、わずか7周したに止まった。午後のフリー走行2回目(FP2)では走行はできたものの、スロットルを開けてもエンジンがバラつき、まともに加速しないという状況で、最高速のデータでもレギュラーライダーに比べて20km/hほど遅いスピードしか記録できないマシンに苦戦。全日本もてぎで記録した自身のタイムにも及ばない状況だった。

 2日目にマシンはようやく走るようになったものの、フリー走行3回目(FP3)はウエットコンディションとなり挽回できず。フリー走行総合ではドライのFP2がベストタイムとなり、トップタイムの107%を0.246秒クリアできず、予選への出走はならなかった。

 現在のMoto3クラスにレギュラー参戦するライダーのマシンは、ホンダNSF250RWとKTM RC250GPの2車種となっている。どちらのマシンもMoto3専用に開発されたワークスマシンで、イタリアのデロルト製共通ECUを装着し、ワンメイクのダンロップタイヤを履く。

 ちなみに、年間エンジン使用基数は最大6基となっており、エンジン1基の最大価格は1万2000ユーロ(約150万円)、エンジン、ECU、データロガー、トランスポンダーを含んだコンプリートローリングシャシー価格の上限は8万5000ユーロ(約1000万円)とされている。

 2018年まで、日本GPのMoto3クラスにワイルドカード参戦する国内ライダーのほとんどが、全日本仕様の車体にレンタルしたMoto3仕様のエンジンを搭載して参戦していた。レンタルのMoto3仕様エンジンは、NSF250R用エンジンをベースにスイスのGEOテクノロジー製Moto3用キットパーツを組み込んだものだ。

 しかし、Moto3クラスがスタートした時点のNSF250Rユーザーの定番だったこのエンジンも、すでに実戦開発がストップしており、現状のMoto3クラスではポテンシャルが十分とは言えず、長谷川のマシンは実績のある全日本仕様をベースとしたエンジンで臨んだ。
 レギュレーションで義務付けられている共通ECUを受け取れるのはレースウイークに入ってから。そこからECUのセットアップを進めなければならないため、かなり不利な戦いを強いられた。ECUはエンジン制御の要となるパーツだが、事前テストもできないため、これが初日のエンジン不調の原因となった。この共通ECUのセットアップがワイルドカード参戦ライダーにとって、第一の関門となっている。

「FP3でバイクがやっと走るようになりました。短い時間でしたが、世界グランプリのライダーと走ることができ、コーナーでは負けていないと思いました。この経験をこれからに活かしていきたいです」と長谷川は語っている。

 Moto3クラスがスタートした2012年当初、Moto3マシンはスーターやカレックスなどのオリジナルシャシーにホンダの市販レーサー、NSF250Rベースのエンジンを搭載したものと、KTMのRC250のワークスマシンがメインとなっていたが、KTMが投入したワークスマシンが強く、2012年、2013年とKTMが連覇。2014年からはホンダもこれに対抗してワークスマシンのNSF250RWを投入した。

 ただし、限られたワークスマシンのみがトップを争うことを避けるため、現在のMoto3マシンは、エンジン価格の上限などの規定が導入された上で、各マニュファクチャラー(メーカー)は、チームから要望があった場合、最大12台、同じスペックのマシンを供給しなければならないなどの規則が作られており、マシンのパフォーマンスが拮抗するようになされている。こうした結果、現在のMoto3クラスは毎レース接戦が展開されている。

 ここ数年、ワイルドカード参戦ライダーは苦戦が続いているが、その大きな理由がレギュラーライダーたちが駆るマシンとワイルドカードライダーが駆るマシンのポテンシャル差にある。

■ワイルドカードでポイント獲得の山中
 一方、もうひとり、ワイルドカードで日本GPのMoto3クラスに参戦した山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)は、Moto3ジュニア世界選手権にレギュラー参戦しており、今回の日本GPにもMoto3ジュニア世界選手権で乗り慣れているNSF250RWで参戦し14位入賞を果たした。

 山中は2019年所属するエストレージャ・ガリシア・0,0より、2020年シーズンのMoto3クラスにレギュラー参戦することが決まっており、今回が2019年シーズン4回目の世界グランプリMoto3クラス参戦(代役参戦1回、ワイルドカード参戦3回)だった。

 ワイルドカード参戦ライダーがマシン差で苦戦するのは日本GPに限ったことではない。例外はMoto3ジュニア世界選手権参戦ライダーがワイルドカード参戦する場合だが、約2週間ごとに実戦を重ねてきているレギュラーライダーたちのスキルは高く、シーズンが進めば、マシンのセットアップも決まっているため、レギュラーライダーたちと同等のマシンを駆っていても、その壁は厚いのが現状だ。

 なお、Moto2クラスでは2019年シーズンはワイルドカード参戦は受け付けられていない。これは2019年からオフィシャルエンジンサプライヤーがトライアンフに変更されて1年目のシーズンのためだ。

 Moto2クラスも2019年シーズンでデータが収集され、2020年以降はワイルドカード参戦が復活する見込みだ。

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(AUTOSPORT web )

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みんなのコメント

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  • rkg*****|2019/10/29 17:50

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    1番の問題は…全日本J-GP3がMoto3とレギュレーションが違う事。今の現状で、Moto3クラスにワイルドカード参戦する意味が果たしてあるのか…。コーナーは負けてない?強がりかもしれないがそれはどうか…車両のスペック、特性、周回数、タイヤ等々が違えば、当然、走らせ方も違う。それを加味した上での発言なのか…。言い訳は言ったらキリが無い。ECU、配線、オイル、ガソリン、タイヤ等々、ウィークに入ってから支給される事は分かっていたはず。オイル、ガソリン、タイヤは事前にテストする事も可能だったと思うが、ECUと配線は中々難しい。でもそれが無ければエンジンもかからなければ何も出来ないから、結局、本番と同じ状態でのテストは出来ない…。そんな状態が近年の全日本参戦組のワイルドカード参戦の現状…果たしてどんな意味があるのだろう…。

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