筑波56秒089をマークする1050キロのコーナリングSPL
パワーと耐久性をバランスさせた440psのエンジン!
「美しきツートンカラーのFD3Sサーキット専用機」1050キロの車重と440馬力の高耐久ロータリーで攻める!
筑波を中心とした国内主要サーキットでのタイムアタックを想定し、東北を代表するチューニングショップ“スクリーン”が製作したFD3Sデモカーだ。
エンジンは、13B-REW改サイドポート拡大仕様だ。ローターにはバスタブ(燃焼室)加工を施した低圧縮のFC3S前期型(8.5→8.3)を用意し、アペックスシールにはWPC処理を行った純正2ピースをチョイスしている。組み合わせるタービンは、HKSのTO4Zだ。
燃料系については、サードのトップフィードタイプ1000ccインジェクター×4とレギュレーター、ボッシュのフューエルポンプで強化。そして、F-CON Vプロで燃料や点火時期などの各種セッティングを綿密に行うことで、最大ブースト圧1.2キロ時に実測443ps/51kgmを発揮する。
「ロータリーはドラッグ仕様を含めて色々やってきました。その結果、無理にパワーを稼いでもパワートレインの負担が増えるだけでメリットが少ないと分かったんです。トラブルフリーで走るためにも、エンジンはパワーと耐久性のバランスを重視しています」とは、スクリーンの千葉代表。
足回りは、減衰力30段調整式のジールファンクション車高調(F22kg/mm R20kg/mm)を装着し、ブレーキには同じくエンドレスのビッグキャリパー(F6ポット R4ポット)を組んでストッピングパワーを増大。
アッパーアームのボディ側取り付け部やスタビマウントといったハードな走行で破損しやすい箇所は、全て補強が入る。アーム取り付け位置は幾度となく変更してテストしたものの、最終的にはノーマル位置がベストと判断した。
アッパーマウント側から車高調のスプリングを抜けるようにワンオフ加工しているのも、スクリーン号の特徴。サーキットでの作業性を高めるための改造だ。これにより、片側のスプリング交換作業は5分以内で完了できるという。
ボディはフルスポット増しやオリジナルロールケージで補強しつつ、カーボンドア&リヤゲートなどを装着して軽量化も敢行。「一時期は1000kgを下回っていましたが、富士を走るのにサイドバーを足したりしたので、現状は1050kgくらいですね」。
ツートンカラーが印象的なエクステリアはRマジック製エアロで武装。ドライカーボンボンネットとリヤデュフューザー&スリークライトはRE雨宮製となる。ホイールはボルクレーシングRE30(10.5J+18)、タイヤにはハンコック(F265/35-18 R295/30-18)を合わせる。LSDはOS技研スーパーロックLSD(2ウェイ)で、ファイナルは3.9だ。
空力も追及し、フロントはRマジックのバンパーに合わせてワンオフリップスポイラーを製作。大きくフロント方向へ延長するとともに、フロア下へエアを導入しやすい形状を狙った自信作だ。
インパネまわりはAIMデータロガーやメーター、スイッチ類をインストールするためにパネルを新設。助手席には40Lの安全タンクが設置される。また、ヒューランド6速ドグミッションを搭載しているため、シフトまわりも操作性を考慮した作りとしている。
これまでのベストタイムは、筑波サーキット56秒089、富士スピードウェイ1分48秒1、鈴鹿サーキット2分7秒928。この数字を見れば分かるはずだ。このFD3Sが、トップレベルのサーキットアタッカーであるということを。
●取材協力:スクリーン TEL:022-348-3761
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