2019年のF1日本GPで優勝を手にしたのは、メルセデスのバルテリ・ボッタスだった。チームメイトのルイス・ハミルトンも3位に入ったことで、メルセデスは今季のコンストラクターズタイトル獲得を、4レースを残して決めた。
予選で速さを見せたのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。台風の影響により、土曜日の走行がキャンセル……今年の日本GPは日曜日の朝に予選が行われることとなった。前日の大雨により路面のラバーが洗い流され、しかも吹き返しの強い風が残った。当然、フリー走行3回目が行われなかったことで、データ量も少ない……そんな難しい状況にも関わらず、ベッテルは1分27秒064を記録。これは鈴鹿サーキットのレコードタイムである。
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予選で圧倒的な速さを見せたベッテル。しかしその強さを決勝レースでは見せられなかった。
ベッテルはスタートで一瞬フライングし、すぐにストップ……幸いにもこれにペナルティが科せられることはなかったが、本来のスタートにはタイミングが合わずに失速。ボッタスに先行されることになってしまった。
結果的にはここで勝負あった。ベッテルはボッタスについていくことができず、徐々に引き離されてしまったのだ。
当時のレースペースを見てみると、ボッタスは1回目のピットストップを行うまで1分34秒台のラップタイムを並べていたのに対し、ベッテルのペースは当初こそ1分34秒台だったものの、10周目以降は1分35秒台に落ちていってしまう。そして16周目に最初のピットストップを行った。
ただこのピットストップで、フェラーリはベッテルにソフトタイヤを履かせた。彼はスタート時にもソフトタイヤを履いていたため、もう一度ピットストップをしなければいけなかったのは明白……フェラーリは戦略の手の内を明かしてしまったようなものだった。
ただ勝負の分かれ目はそのピットストップにあったわけではないと考える。その勝敗の分かれ目は、フェラーリのタイヤマネジメント。前述のとおり、スティント途中でペースが落ちてしまうのが、フェラーリにとっての最大の弱点だった。
この傾向は、金曜日のフリー走行でも見て取れた。ベッテルはミディアムタイヤでロングランを行い、1分35秒台で走り始めたものの1分37秒台までタイムを落とした。またチームメイトのシャルル・ルクレールも同じセッションで、ソフトタイヤでロングラン。やはりベッテルと同じように、ペースを突然落とした。
つまり予選では圧倒的な速さを見せたベッテルだったが、決勝で勝つのはそもそも簡単なことではなかったのだ。唯一望みを繋ぐためには、スタートを完璧に決め、ルクレールと共に1-2体制を築き、”チームプレイ”で後続を抑えるしかなかったわけだ。しかしスタートで2台が揃って出遅れ、ボッタスに首位を奪われてしまった。さらにルクレールはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンと接触してフロントウイングにダメージ……早々にピットストップを行わねばならなかったことで、ベッテルを援護することもできなくなってしまった。
ここは鈴鹿サーキット。コース上でのオーバーテイクは簡単ではない。レース終盤にベッテルがハミルトンを抑え切ったことを考えれば、スタートで前に留まることができれば、勝利の可能性も十分にあったはずだ。
ベッテルにとって唯一幸運だったのは、レース終盤にハミルトンが”不必要な”ピットストップを行い、その前に出ることができたことだった。
ただ、ここ最近のルクレールの活躍により、ベッテルも目を覚ましたかもしれないという兆候を見せてくれた。予選での驚異的なアタックは、かつての速く強いベッテルが帰ってきた、そんな印象だった。
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