スーパーGT第7戦SUGO、GT500クラスは#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが雨のレースを制し、今季初優勝を達成した。
雨雲が空を覆ったスポーツランドSUGO。スタート前のグリッドウォーク中に雨粒がポツポツと落ち始めた。この時はまだ路面をしっかりと濡らすほどの雨ではなかったが、スタート10分前になって雨が強まりウエットコンディションに。81周のレースはセーフティカー(SC)先導でスタートすることとなった。
■第7戦SUGO決勝|GT300はARTA NSX GT3が今季初V、王座獲得に大きく近づく
グリーンフラッグが振られたのは4周目。直後から、スリックタイヤでのスタートを選択していた#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)が後退していってしまったのに対し、2番手スタートでウエットタイヤを選択していた#1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)がトップに浮上。#37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)が2番手に続いた。
3番手につけていた#36 au TOM’S LC500(中嶋一貴)は3基目のエンジンを使用したことによる10秒のストップペナルティを8周目に消化。11番手に下がった。
17号車はクラス最後尾までポジションを落とし、ウエットタイヤを履くGT300クラスのマシンにも抜かれる状態。スリックタイヤでの走行は厳しいコンディションで、#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(ヤン・マーデンボロー)が4コーナーで、#38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)が3コーナーでそれぞれスピンを喫する場面もあった。
路面が乾いていく様子はなく、スリックタイヤでのスタートを選んだチームはやむなくピットに戻り、タイヤをウエットへとスイッチした。この際、#19 WedsSport ADVAN LC500は給油中にタイヤ交換をしてしまったとして、のちにドライブスルーペナルティを科せられてしまった。
一時は37号車に迫られるシーンもあった1号車だったが、ペースを取り戻したバトンは快調に後続との差を広げ、そのリードを10秒ほどまで広げた。また、3番手には#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平)、4番手には#23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が浮上。ミシュランのウエットタイヤを履く2台が雨をかき分け、上位につけた。
ポイントリーダーの#6 WAKO’S 4CR LC500は6番手を走行。大嶋和也のペースは悪くなく、#64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン)に接近すると、18周目のSPインコーナーでオーバーテイクを仕掛け、64号車をパスした。直後、64号車はリヤタイヤが滑りスピン。幸いマシンにダメージはなく、走行を継続した。
独走状態に入るかと思われた1号車だが、37号車も食らいつき、その差は10秒以内のままレースが進行した。そして、レース距離の3分の1を消化する27周を終えると37号車はすぐさまピットイン。タイヤを交換せずに、平川亮にバトンタッチしてコースに復帰した。
翌周には6号車もピットイン。こちらもタイヤは変えず、山下健太にマシンを託した。31周終了時点でピットに入った23号車、34周終了時にピットインした3号車はタイヤ交換を実施した。
先頭を走る1号車がピットに飛び込んだのは、36周を終えたところ。チームはタイヤ交換を迅速に済ませ、山本尚貴をコースに送り出した。
1号車は実質2番手を走る37号車の8秒前に出たが、タイヤが温まる前に37号車が急接近。山本は成す術なく、38周目のハイポイントコーナーでオーバーテイクを許してしまった。
すると直後、2コーナーで#12 カルソニック IMPUL GT-Rがスピンアウト。グラベルでマシンを止めたため、SCが出動した。
このタイミングでドライバー交代の義務を済ませていなかったのは、先頭を走る#39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)と7番手までポジションを戻していた17号車。レース再開後にピットに入らざるを得なくなった。
この時点で39号車の後ろ、実質の首位を走るのは37号車。1号車が続き、タイヤ無交換でタイムを稼いだ6号車が4番手につけた。SC出動の直前に日産GT-R同士のバトルを制した23号車が5番手となった。
44周目にレースが再開されると、39号車、17号車はそのままピットへ向かった。次第にマシンが巻き上げる水煙も多くなるような状況の中、速さを見せたのは3号車のフレデリック・マコヴィッキィ。23号車をかわすと、勢いそのままに6号車、1号車も続けざまにパスし、あっという間に2番手に浮上した。
23号車の松田次生も、47周目に1号車を豪快にパス。さらに64号車の牧野任祐もそれに続くと、23号車に強烈なプレッシャーをかけていき、52周目のS字でインサイドに飛び込み23号車をオーバーテイク、3番手に浮上した。
失速した6号車、1号車がピットインしタイヤ交換を決断するほど、コンディションによって勢力図が目まぐるしく変化。トップの37号車もその例外ではなく、徐々にそのリードを減らしていった。
一方、3号車と64号車は雨量が多いコンディションがマッチしたのか、37号車に急接近。37号車はマシンがふらつく場面もあり、抵抗する余力はなかった。54周目の1コーナーで37号車をアウト側から攻略した3号車のフレデリック・マコヴィッキィがトップに浮上。翌周には64号車も37号車を交わし2番手に立った。
その後の3号車のペースは素晴らしく、64号車を徐々に引き離していく。残りが10周となったところでその差は17秒7まで広がり、3号車は雨中のひとり旅を続けた。
難しいコンディションの中で最後まで快走を続けた3号車は19.873秒の大差で今季初優勝。日産GT-R陣営にとっても、待望の今季1勝目となった。
2位に入った64号車が今季初の表彰台を獲得している。3位には23号車が入った。
ランキング2番手の37号車は、トップ3に抜かれた後は踏ん張り4位。6位となったポイントリーダー、6号車とのポイント差を7ポイントに縮め、最終戦での逆転チャンピオン獲得を狙う。
この2台以外に、チャンピオン獲得の可能性があるのは23号車のみ。ただ、6号車との差は20.5ポイントで、もてぎでのポール・トゥ・ウィンが絶対条件となっている。
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