F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、フェラーリが2020年にタイトル獲得を目指すのなら、チームにとってセバスチャン・ベッテルの自信を回復させることが“必須”であると述べている。
ベッテルは徐々にではあるが、確実にチームメイトのシャルル・ルクレールの影に隠れつつある。先週末の第14戦イタリアGPでは、ベッテルは決勝レース序盤にスピンを喫するという大きなミスを犯した。
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またコースに復帰する際にはランス・ストロール(レーシングポイント)に接触し、ストロールもスピン。ベッテルは、危険なコース復帰をしたとしてスチュワードからストップ&ゴーペナルティを科せられたほか、ドライバーズライセンスにペナルティポイント3点が追加された。
これによりベッテルのペナルティポイントの合計は9点となり、出場停止処分となる12点に近づいている。
かつてフェラーリでテクニカルディレクターとストラテジストを務めたブラウンは、今のフェラーリには4度の世界チャンピオンであるベッテルに完全なサポートを与えることが、極めて重要であると考えている。
「ベッテルは明らかにF1における偉大なドライバーのひとりだ。だが彼はこの難しい時期に自信を取り戻すために、チームからのサポートを必要としている。現時点では、彼へのサポートが欠けているように思われる」とブラウンは、恒例のレース後インタビューで語った。
「マシン開発を推し進めるのと同様に、マッティア・ビノット(フェラーリF1のチーム代表)は彼へのサポートをこれからの数週間における優先事項としなければならない」
「簡単なことではないが、特に2020年のためには不可欠なことだ」
■ルクレールのアグレッシブなドライビングは「偉大な王者になる特質」
イタリアGPの予選Q3では、フェラーリはベッテルとルクレールが交互に互いのスリップストリームを利用できるように戦略を立てた。ところがセッション終盤、各車は集団の先頭になることを避けようと速度を落として走行したため、コース上は大渋滞。最終的にはほとんどのマシンが2度目のアタックを行えずに予選を終えたのだった。
「しかし、レース結果は彼の実力のみによるものだ」とブラウンは述べた。
「セバスチャンは7周目に2つのミスをした。スピンし、ストロールに衝突したのだ。そのミスはルクレールのスパとモンツァでの優勝と比べると、いっそう酷いものに見える」
「ドライバーが誰であろうが、チームの状況がどれだけ良かろうが、最大のライバルは常にチームメイトであるということは避けられない事実だ」
「セバスチャンは、レッドブルでの最後の年(2014年)に感じたことをある程度経験しているところだろう。その時彼は、若くして優れたペースを発揮していたダニエル・リカルド(現在はルノーに所属)と対峙していたのだ」
2010年のフェルナンド・アロンソの優勝以来、9年ぶりにイタリアGPで優勝したフェラーリドライバーとなったルクレール。彼の記録的勝利を評価したブラウンは、物議を醸したルイス・ハミルトン(メルセデス)に対する彼の防御の動きを、“偉大なチャンピオン”となる特質であると主張した。
「ルクレールはルールが許す限界まで引き下がることはなかった。偉大なチャンピオンというものは常にそうだし、そうでなければならない」
「実際、ルクレールは土曜日のかなりおかしな予選Q3のセッションにおいても、状況に対して非常に抜け目のない対処を行なった」
「第13戦ベルギーGPでの優勝以来、シャルルは素晴らしい週末を過ごした」
「私が彼について感銘を受けているのは、彼がいかに早く自分の行ったことのすべてから学び、ドライバーとして、そして人間として、つねに向上しているかということだ」
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