分かる人には分かる、いぶし銀の“拘りすぎ”チェイサー!
ボルト一本にまで神経を尖らせた先にある、独創性。
「ボルト一本にまで神経を尖らせた脱定番JZX100チェイサー!」トップチューナーをも唸らせる各部のメイキングは必見!
メルセデス純正のオプティシアンブラックのボディカラーと、カーボンケブラー製ボンネット(バリス製)&トランク(ラスティー製)のコントラストが印象的なJZX100チェイサー。このマシンは、“ドリフト&ドレスアップの伝道師”ことウエルド伊藤さんに「マジでハンパじゃねぇ!!」と言わしめたドリ車だ。
例えばホイール。この手のマシンには、たいていGT-Rサイズのスポーツホイールか、もしくはポリッシュのラグジー系ホイールを合わせるのが定番だが、あえてBBS RG-R(F10J+42 R10J+39)をチョイス。しかもフロント18インチ、リヤ19インチと前後異径にすることで、前傾のサイドシルエットを演出している。サスはジールファンクションでバネはスウィフト、アーム類はカザマオート製の調整式を導入している。
エアロに関してもフロントにT&E、サイドにMスポーツ、リヤにBNスポーツと完全なミックス仕様ながら、チグハグ感を払拭するために取り付け位置を加工し、各エアロの高さを統一するという拘りようだ。
その他、各エアロのフィッティングパーツにはありがちなタイラップではなく、虹色に輝くチタンボルトを使用していたり、ドアミラーにはBMW用のM5タイプを加工流用してたりと、ドリ車とは思えない芸の細かなメイキングのオンパレードなのだ。
そんなオーナーの拘りはエンジンルームにもおよぶ。インタークーラーはHPIコアを使って自らの手で中置き化を敢行し、さらにタバタ製3層ラジエターも自作のマウントステーを介してオリジナル水平マウントを作り上げているのだ。
なお、パワースペックは1JZエンジン本体には一切手を入れず、GT2835Rタービン+HPIエキマニをセットして400ppsを発揮する。
マフラーはワンオフ2本出し。車検対応仕様のため、最低地上高を確保するべく60φの小径サイレンサーを使用している。
一方の室内は、ステアリング&バケットシートをOMPで統一したシンプルメイク。フロアマットは、ボンネットやトランクのカーボンケブラーをイメージしたブラック×イエロー柄で統一している。
ドリフト中にヒジと干渉してしまうアームレストはゴッソリ排除し、アルミ板で作り直すなど、各部にマニアックなカスタムが敢行されている。
ちなみに、インテリアの雰囲気を統一するために、センターコンソールにインストールされているブリッツSBC-iD&パワーメーターiDは、ケースのロゴ類を消してたりもする。
「他人と同じことをするのが嫌いなんです。外装は輸入車のドレスアップ雑誌などからヒントを得ました。その他の作りモノに関しては、アルミの溶接だけは自分で出来ないからショップに任せましたけど、部材の切り出しや位置合わせなんかはやっちゃいましたよ」とオーナー。
続けて「ステーひとつにしても、キットに付属しているものを使うより、自分でデザインして作ったほうが見栄えが良いですし。まっ、気づかない人がほとんどですけど(笑) 分かる人に気づいてもらえれば良いなってノリです」。
なるほど、その分かる人が伊藤さんだったわけだ。ドリ車とは思えない洗練された美、そして計算された細部の作り込みとパーツチョイス…。見れば見るほど、この独創的ドリフトメイクからは、“流行にまどわされず我が道を行く”というオーナーの強い信念が伝わってくる。
●取材協力:ウエルド 神奈川県横浜市都筑区早渕1-31-18 TEL:045-595-0855
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