現在MotoGPに復帰4年目のアプリリアは、ここまでのところ苦戦が続いている。彼らはコンセッション(優遇措置)無しのメーカーに対する“エンジン仕様変更の許可”というアイデアに反対しているようだ。
アプリリアは2016年から本格的にMotoGPへ復帰。しかしマニュファクチャラーズランキングでは2017年にMotoGP参戦を開始したKTMの後塵を拝している状況だ。
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彼らはコンセッションの適用を受けているメーカーのひとつ(もうひとつはKTM)であり、それにより通常は禁止されているシーズン中のエンジン開発を許可されている。
コンセッション未適用のメーカーはエンジン仕様の変更ができないという規則により、2017年のスズキはエンジン仕様選定の失敗からの復調に時間がかかっていた。また、近年不調に喘いでいるヤマハの立ち直りに対する妨げになっているという言説もある。
そうした中、コンセッション未適用のメーカーに対しても、シーズン中のエンジン仕様の変更を可能にするべきだという考えをヤマハが唱えたこともあった。
アプリリアで技術代表を務めているロマーノ・アルベシアーノは、コンセッションに含まれる他の優遇措置(ファクトリーライダーによるテスト、ワイルドカード参戦数の増加、エンジン使用可能基数の増加)といったものは小さな違いを生み出すものであり、エンジン開発の優遇こそが鍵だと語った。
「我々はコンセッションルールのアドバンテージを利用してはいる」
「何年も前、コンセッションルールが非常に大きなアドバンテージをいくつかのメーカーに与えていたことを覚えているよ。そして、年々コンセッションによるアドバンテージは小さくなっているんだ」
「MotoGPは未だ、(アプリリアのような)トップグループを追う立場のメーカーを助ける必要があると、私は考えている」
「コンセッションにはいくつか他にもルールがあるが、恐らくエンジン開発の優遇が残された最後の“コンセッション”だ。これこそが最も重要なもので、それを維持したいと思っている」
同じくコンセッションが適用されているKTMでテクニカルディレクターを務めているセバスチャン・リッセも、エンジン開発の優遇措置は重要な点だとして、規則の変更には慎重な立場を示した。
「全メーカーにエンジン仕様の変更を許可することは、明らかに我々の開発に対して影響があるだろう。我々はコンセッション適用チームで、それを利用しているからだ。今シーズン、我々は既に3番目の仕様となるエンジンを使っているんだ」
「参戦以来、どのシーズンでも我々は1度以上エンジン仕様を変更してきた。その部分は我々がとても努力している場所であり、投資をし、そこから成果を得ている」
「他のメーカーの動きによって、そのルールが無くなったなら……我々はその議案について話し合う必要があるだろう」
ホンダのテクニカルマネージャー、横山健男はこうした動きが、ビッグチームに対してエンジンのアップデートでリスクを採ることを可能にするかもしれないが、コストの上昇につながる可能性についても示唆した。
「シーズン中、全てのメーカーにエンジン仕様の変更を許可した場合、シーズン開始時に(エンジン仕様の選定を)失敗した時の助けになります」
「冬季の開発失敗が許されるなら、もう少し挑戦的な開発が行えます。ですが、より保守的な開発をしなければならないのなら、根本的なエンジンのハードウエア変更は行うことはできません」
「一方で、さらなるリソース……開発費用、マンパワーといったものが必要になります。こうしたものが協議の対象になった場合、慎重に考える必要があると言えます」
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