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【インディカー】アイオワ決勝:雷雨に見舞われた”ミッドナイトレース”をニューガーデン制す。佐藤琢磨は上位走行も悔しいリタイア

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【インディカー】アイオワ決勝:雷雨に見舞われた”ミッドナイトレース”をニューガーデン制す。佐藤琢磨は上位走行も悔しいリタイア

 インディカー第12戦アイオワは、チーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンが4勝目を挙げ、チャンピオン獲得に向けてリードを広げた。

 4年ぶりにナイトレース開催となったアイオワ・スピードウェイだが、スタート前にトラックが雷雨に見舞われ、レース進行が大幅に遅れることになった。

■予選4番手の佐藤琢磨「アイオワは特別な場所。良いレースが出来るはず」

 レース開始予定時刻から2時間あまりが経った頃に雨は止み、路面を乾かす作業が進められたものの、路面の継ぎ目やひび割れた部分から雨水が染み出してしまった。この対応に時間を取られ、ドライバーたちがマシンに乗り込んだのは現地時間が22時30分を過ぎたころだった。

 プラクティスや予選とは全く異なる未知のコンディションの中、5時間以上遅れて300周の”ミッドナイト”レースがスタート。2番手スタートのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップに躍り出ると、4番手から佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も好ダッシュ。ポールシッターのシモン・パジェノーやジョセフ・ニューガーデンのペンスキー勢を相次いでオーバーテイクし、2番手につけた。

 後方ではサンティノ・フェルッチ(デイル・コイン)が12番手から7番手までジャンプアップするなど、至るところでサイドバイサイドのバトルが展開された。

 一時はペンスキー勢の前に出た佐藤だったが、ペースでは分が悪く、17周目までにパジェノー、ニューガーデンに抜き返されてしまった。その直後、カーリンのセージ・カラムがスピンし、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)が接触。これで1回目のコーションが出された。

 このコーションで隊列後方のマシンがピットに入る中、上位を中心に13台がステイアウト。約20周ほどピットインの間隔がズレることとなった。

 25周目にレースがリスタート。ここでは、ニューガーデンがパジェノーを捉えて2番手に浮上した。トップをキープしたパワーは、ハイペースで後続を引き離していった。

 8番手スタートだったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)はセットアップを外したか、インに全くつけず徐々にポジションダウン。早めにピットストップをしたマシンにのみ込まれていってしまった。

 トップのパワーは約2秒ほどのリードを築いていたが、周回遅れに詰まってしまい、その隙にニューガーデンが一気に接近。ニューガーデンは勢いそのままにパワーのインに飛び込み、49周目にトップに躍り出た。

 すると、51周目にこのレース2度目のコーションが出された。原因は、なんと再び雨が降り出してしまったためだ。結局55周目に赤旗が掲示され、レースは中断となった。

 幸い雨は強くならず、25分あまりの中断を経てペースカー先導で走行再開。58周を終えたところでピットレーンがオープンすると、リードラップの全車がピットになだれ込んだ。佐藤は、わずかな差でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)に前に出られてしまい、5番手に落ちた。

 66周目からレース再開。佐藤はアウト側からロッシをオーバーテイクし、4番手を取り戻した。ロッシはさらにフェルッチにもオーバーテイクを許し、6番手に後退した。

 トップのニューガーデンとパワーが1秒以内の差でレースを進める中、3番手のパジェノーは少しずつ離されていってしまう。佐藤もそんなパジェノーに迫っていくことはできなかった。

 アウト側のラインを走るフェルッチと、イン側のラインを走るロッシはバトルを繰り返しながらも佐藤に追いつき、4番手争いが三つ巴に。佐藤はタイヤがきついのか、3ワイドになるとあっさりとオーバーテイクを許し、さらにポジションを落としていってしまった。

 佐藤は14番手までポジションを落としたところで、119周目にたまらずピットイン。アンダーグリーンでのピット作業だったため、2周遅れとなった。

 タイヤの状況で勢力図が変わっているのか、ロッシはフェルッチをパスすると、パジェノーに接近。逆にフェルッチは7番手までポジションを落とした。

 ピットに入った佐藤はペースが復活。140周前後に各車が続々とピットに入ると、佐藤は多くのマシンをアンダーカットした形となり、2番手まで浮上した。

 レース折り返しを前に、佐藤はパワーに抜かれ3番手に。すると、155周目に4番手を走っていたパジェノーが壁にヒット。しかしコーションは出ず、なんとか6番手に踏みとどまった。

 佐藤は177周を終えてピットストップ。早めにタイヤを変える作戦を継続した。

 トップのニューガーデンはペースが衰えず、184周目にはタイトル争いのライバルであるロッシを周回遅れに。これでリードラップはわずか6台となった。

 ハイペースで飛ばせば十分上位進出が狙えた佐藤だったが、186周目に前が詰まった際にアクセルオフ。そこにセージ・カラム(カーリン)が突っ込んでしまい、佐藤はスピンを喫した。これでこのレース3度目のコーションが出された。後に、カラムにはドライブスルーペナルティが科せられたが、カラムは193周目にレースを終えた。

 このコーション中に上位陣がピットストップ。佐藤は1周遅れの18番手で200周目のレース再開を迎えた。

 ニューガーデンがトップをキープし、パワー、パジェノーが続く。中でもニューガーデンはペースが良く、パワー以下を引き離していった。佐藤は接触によりマシンにダメージを抱えてしまい、全くペースが上がらず。216周を終えたところでピットに入り、レースを終えた。

 ニューガーデンは一時4.5秒までリードを広げたものの、周回遅れに詰まりペースダウン。それでも焦らず周回遅れを処理していった。

 残り50周頃から、各車が最後のピットストップをこなしていく。パワーはピット入り口をオーバーランしそうになり、急ブレーキ。なんとかピットレーンに入ることができた。さらに、パワーより2周前にピットに入っていたパジェノーがアンダーカットを成功させる形となり、2番手に浮上した。

 さらにパワーにはピットレーン進入違反により、ストップ&ゴーペナルティが出され、13番手まで後退してしまった。

 残り37周、パワーがペナルティを消化している最中にエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がスピンし、バリアに接触。これで4度目のコーションが出された。

 これで得をしたのはディクソン。序盤はマシンの挙動に苦しんでいたが、ピットストップを遅らせていたことが功を奏し、残り30周で6番手に。前を走る5台は、すでに20周以上走ったタイヤを履いた状態だ。

 残り26周でレースが再開。周回遅れが混在する中、ディクソンは4番手に浮上し、さらにパジェノーに迫った。

 残り19周にパジェノーをねじ伏せたディクソンは、その3周後に2番手を走るジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)をも交わし、2番手へ。この時点で、トップのニューガーデンとの差は2.3秒だった。

 しかし、マシンの仕上がり自体はニューガーデンの方が上。ディクソンが周回遅れに引っかかった際に差を広げ、トップでチェッカーを受けた。

 ディクソンは2位。一時は周回遅れにされたシーンもあったが、圧巻のリカバリーを見せた。ヒンチクリフが3位、パジェノーが4位となった。

 ランキング2位のロッシは6位でフィニッシュ。本来のレース開始時刻から7時間以上も経過した深夜1時過ぎにまで及んだレースを制したニューガーデンが、タイトル争いのリードを広げた。

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