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STCC第4戦:王者セアトとアウディ接触で勝利剥奪。両者禍根を残す週末に

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STCC第4戦:王者セアトとアウディ接触で勝利剥奪。両者禍根を残す週末に

 TCR規定ツーリングカーを採用するSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の第4戦がスウェーデンの名門トラック、ファルケンベリで開催され、2017年王者のロバート・ダールグレン(セアト・クプラTCR)が予選ポールポジションからレース1を制覇。しかしオープニングラップで起こしたトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)との接触により、その勝利が剥奪される事態となり、両者禍根を残す後味の悪い結末となった。

 PWRレーシング・セアト・ディーラーチームのエースとしてSTCC部隊をけん引するダールグレンは、開幕戦勝者で今季好調を維持する女性ドライバー、ミカエラ・アーリン-コチュリンスキー(セアト・クプラTCR)とともに予選を席巻。

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 Q1ではコチュリンスキーがペースセッターとなり、ブリンクのアウディを0.028秒、ミッケ・カーゲルド・レーシングのアンドレアス・アールベルグ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)を0.039秒差で抑える45秒368のターゲットタイムを記録すると、続くQ2ではエースの風格を見せたダールグレンが、ブリンクをわずか0.015秒差でアウトクオリファイし、今季2度目のポールポジションを手にした。

 するとレース1でフロントロウに並んだ選手権ライバルの2台は、スタートからの攻防で激しい火花を散らし、蹴り出しで勝った2番手ブリンクのアウディがセアトに並びかけると、両者は軽いコンタクトを繰り返しながらターン2へ。

 ここでラインを残さず強引に前へ出た元王者は、そのままブリンクを従えて26周を走破しトップチェッカー。3位表彰台にチームメイトのコチュリンスキーを伴って、シーズン3勝目を手にした……かと思われた。

 しかしレース後に「トラック上での敬意ある振る舞いとは言えない」と語ったブリンクは、スチュワードに対し審議を要求。この結果、ダールグレンにレースタイム3秒加算のペナルティが降され、ブリンクが今季初勝利。ダールグレン2位という最終リザルトとなった。

「別にチャンピオンシップを優位にしたくて、こんな話をしているわけじゃないんだ」と語気を強めたブリンク。

「こんなのは勝利を手にするための正しい方法じゃないし、それに自分は素晴らしいスタートを切っていて、あのコーナーでP1を手にするのは確実だという感触があった。でも敬意のないドライビングによるアクシデントで、その確信は吹き飛んだよ」

「ロバートから何度も接触されたが、最初の1発はまだOKだった。でもターン2では確実に私をコース外へと追いやる動きで、それはフェアなレースとは言えない。お互いにスペースを残し、激しくレースを続けるのが正しい方法で、競争相手をコース外へ押しやるのは最低の部類だ」
 続くレース2では、R1トップ5リバースのポールからスタートしたブリンクのチームメイト、アンドレアス・ウェルナーソン(アウディRS3 LMS)がライト・トゥ・フラッグの完勝を挙げ、2位にはフロントロウのホンダ・レーシング・スウェーデン・バイ・MA:GPのマティアス・アンダーソン(ホンダ・シビック・タイプR TCR)が続き、8番グリッドから出たダールグレンはシビックのテールに抑えられ3位に終わり、最終的に未勝利でファルケンベリを後にすることとなった。

 それでも「レースでのマシンは最高の感触だった」と、チームを賞賛するコメントを残したダールグレン。

「レース2でのドライビングには非常に満足しているよ。途中で“誰かに触れられる”ようなこともなかったしね!! ただ自分のチャンスを待ち、それが訪れた時にポジションを獲りに行くことができたんだ」と、皮肉を込めて振り返った元王者。

「僕はマティアス(アンダーソン)とは何度もレースをしたことがあるが、今日の彼とホンダは素晴らしいペースで、コースを目一杯使ったディフェンスを見せていた。僕はそれに関して敬意を表するし、そのドライビングはまるで美しい絵画を見ているようだった。完璧にドアを閉められたので、かなりフラストレーションが溜まったけれどね」

 この結果、ドライバーズランキングではダールグレンが153ポイントで首位は変わらないものの、2位ウェルナーソンが144ポイント、3位ブリンクが126ポイントと続き、残るシーズンも両チームの精神戦を含めた勝負が激化しそうな気配が漂う。

 続くSTCC2019年シーズン第5戦は、8月17~18日にカールスクーガで争われる。

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