フォーミュラE第12戦ニューヨークePrixレース1が行われ、日産・e.ダムスのセバスチャン・ブエミが優勝を果たした。日産にとってはフォーミュラEでの初優勝となった。
ホールショットを決めたのは、ポールポジションのセバスチャン・ブエミ(日産・e.ダムス)。3番グリッドのアレックス・リン(ジャガー)も好スタートを決め、2番グリッドのパスカル・ウェーレイン(マヒンドラ)の前に出ることになった。
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ウェーレインはペースが上がらず、1周目にアレクサンダー・シムス(BMWアンドレッティ)とダニエル・アプト(アウディ)にも立て続けに抜かれてしまう。
また後方でも大混乱が発生。ドラゴン勢同士がターン6で接触して、ホセ・マリア・ロペスがスピン。これに後続が詰まってしまうことになった。
ここで大ダメージを負ってしまったのは、このレースにタイトル決定を懸けて挑んでいたDSテチータの2台。ポイントリーダーのジャン-エリック・ベルニュは前を行くマシンに追突してノーズを壊し、すぐにピットインすることとなった。またチームメイトのアンドレ・ロッテラーも、後方からサム・バード(ヴァージン)に追突され、スピン。やはり大きなダメージを負ってピットに戻ることとなった。
先頭を行くブエミはそのままリードを広げていくかに見えた。しかしペースが上がらず、後続のマシンから厳しいプレッシャーをかけられることになる。特にリンは終始1秒差以内につけ、さらにはアタックモードを早々に起動して、オーバーテイクを狙う。しかしブエミはこれに耐え、1周遅れでアタックモードを起動して、首位のポジションを防衛する。
リンは13周目に早くも2度目のアタックモードを起動。ブエミに執拗なまでのプレッシャーをかけ続ける。ブエミも翌周にやはりアタックモードに入れるが、防戦一方の状態だ。その間に、3番手シムスもこの2台の争いに接近、さらにアプトもこの戦いに加わった。
しかし19周目、2番手を走っていたリンが突如スローダウン。リンは「回生システムのエラーだ」と報告し、コース脇にマシンを止めた。
とはいえブエミは安心できない。今度はシムスがブエミに対して激しいプレッシャーをかけてきたのだった。
ウェーレインはトップグループから8秒遅れの4番手をキープしていたが、21周目にバード、ファンブーストを使ったアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMWアンドレッティ)、そしてミッチ・エバンス(ジャガー)に立て続けに抜かれ、7番手までポジションを落としてしまう。
そんな中、コース脇に止まったリンのマシンを回収するためにセーフティカーが出動。各車の差が一気に詰まる。
23周目からレース再開。リスタートでシムスがブエミを狙い、アプトもその隙を狙うが、順位は変わらず。アプトはアタックモードを起動してまずはシムスを狙うが、これはうまくいかず……逆にダ・コスタに隙を突かれて前を行かれ、そして行き場をなくしたことでなんと9番手まで一気にポジションを落としてしまうこととなった。
26周目、エバンスがシムスをオーバーテイクして2番手に浮上。このシムスをダ・コスタやバードも狙うこととなった。
後方では接触が多く起き、大荒れのレースという様相を呈していった。この中でエドアルド・モルタラ(ベンチュリ)がバランスを崩し、ウォールにクラッシュ。日産・e.ダムスのオリバー・ローランドはこのモルタラに当たってしまい、カウルを大きく壊した。
レースフィニッシュまで残り5分を切る頃には、2番手のエバンスのペースが落ち始め、首位ブエミを追うどころか3番手のダ・コスタ以下のプレッシャーに耐えるのが精一杯という状況になっていく。この間にブエミがリードを徐々に広げていく。
また、スタート直後に大きくポジションを落としたベルニュが、10番手まで復帰。さらにファステストラップも手にした状態でレース最終盤を迎えた。
ファイナルラップにも多重クラッシュが発生。ベルニュがフェリペ・マッサ(ベンチュリ)を抜きに行った際に両者が接触。ターン2に2台が止まってしまったところに、後続の各車が突っ込んでしまったのだ。これでベルニュはマシンを大きく壊し、15番手に落ちたことで、入賞を逃すこととなった。
一方で先頭のブエミは問題なくレースを走りきり、首位でゴール。チェッカーフラッグが振られないという運営側のミスがあったが、最初にフィニッシュラインを越えた。日産にとっては嬉しいフォーミュラE初優勝ということになった。2位にはエバンス、3位にはダ・コスタが入った。
ベルニュは結局ノーポイントに終わり、今季のタイトル決定は現地時間の7月14日(日)に行われるフォーミュラE最終戦ニューヨークePrixレース2に持ち越されることとなった。
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