「伝説のマツダRX-7“254”の顔を自作！？」内外装パーツはもちろんプッシュロッドサスまで手作りの超絶SA22C！

マツダのル・マン出場マシン“254”フェイスをプライベートで再現！？

旺盛な好奇心と凝り性の性格がマシンの進化を突き進めていく

マツダのル・マン出場マシン“254”(RX-7で初完走を果たしたマシン)をモチーフにしたフロントカウルを備えるSA22C。

どこぞのショップデモカーと思いきや、カウルまで含めてオーナーが専門家に頼らず独学で作り上げた作品なのである！

細部をじっくりと見ていこう。まず、マツダ254を意識したチルトカウルは、ボンネットの縁にラインを入れるなどして、全閉時はチルト仕様に見えない仕上げに拘った。フェンダー部のチリ(スキ間)など、驚くほど精密に合わされている。また、自立用ダンパーも装備するなど実用性も考慮されている。

ガルウイングや、アイローネゲートなどももちろん自作で、どちらもしっかりダンパーで開放固定されるようになっている。これらは緻密な設計図など作らず、完成をイメージしながら現物合わせで製作作業を行ったというから驚かされる。

特徴的な縦2連ヘッドライトは、ケースや取り付けステー、アクリルのカバー、光軸調整機構まで自作した。ヘッドライト本体のカバー(レンズ)は、アクリルだと熱に負けてしまうためポリカーボネイトを選択。アクリルとポリカでは特性が異なり、失敗を繰り返して成形術を会得したそうだ。

さらに、クリアウインカーまで型を作った上でアクリル板を加熱して製作。レンズのカットは、加熱した時に金網などを押し付けて作るそうだ。また、原形のあるものをシリコンで型取りして樹脂で複製する。LEDテールの機構はもちろんレンズまでアクリル板から製作している。

さらに衝撃は続く。なんとリヤサスはプッシュロッドシステムを自作！ 機能というより、勢いで作ってしまったそうだがその仕上がりは見事。サスペンションの入力は、カムを介して2回向きを変えるが、レバー比は１：１のため基本な作用レートは変わらない仕組み。しかし、バネ下重量が軽くなったのかフィーリングは明らかにノーマルより良くなったそうだ。

これらの機構はスチールの板材や棒材を組み合わせ、溶接して仕上げたもの。ちなみにフロントは日産R31スカイラインのストラットが移植されているが、こちらは意外と簡単に流用できたそうだ。

一方のインテリアは、派手さはないが小技や流用で埋め尽くされている。メーターパネルは純正で、社外メーターを統一感を出して組み合わせるために文字盤や透過照明をリメイク。さらに、アルミ材から自分で削り出したベゼルリングでフィニッシュ。

ちなみに、ベゼルリング製作時にアルミの良い材料が身のまわりに無かったので、アルミ缶を熱で溶かして型に流して…という仰天の発想でアルミの材料を作ったというから恐ろしきプライベーター精神である。

ステアリングには「SUZUKI」のロゴが入っているが、これは軽自動車用の電動パワステをシャフトごと流用したからだ。

エンジンは、遥か昔に仲間とドラッグレースをやっていた時に組まれた12A両面ブリッジ仕様。ウェーバーのダウンドラフトキャブで燃料供給されている。最高出力は推定200ps程度とのことだ。

じつはエンジンも13Bペリ仕様を自作していたりもする。その手法も凄まじく、ペリハウジングは、鋼管にネジを切ってフランジをはめ込んだ後、穴を開けたハウジングに締め込み、水穴をデブゴンで埋めるというもの。最終的には、このペリハウジングを完成させて自作のエンジンでドラッグレースにカムバックすることが夢なんだとか。

溶接加工からFRP成形、塗装まであらゆることを独学で学びながら愛車をコツコツと仕上げていく。まさに、究極のプライベーターの姿だ。(OPTION2 2012年1月号より抜粋)

Comments

作り込みはすごいけど、ステアリングがミスチョイスですね。何でスズキのウレタン純正なんだろう？すべてが台無し。マツダスピードのステアリングか、せめてレザーかスウェードを選んでほしかった。

本文をきちんと読んだほうが良いですよ
あなた　浅いです。