トロロッソ・ホンダの開幕戦予選が終わった。結果はアレックス・アルボン13番手、ダニール・クビアト15番手と残念ながらQ3進出はならなかった。ところが予選後の2人のドライバーの表情は、思ったよりずっと明るかった。今季のトロロッソのマシンと自分自身の戦闘力に、今回の予選結果以上にたしかな手応えを感じていることは、どうやら間違いなさそうである。
まずはダニール・クビアトが予選を振り返った。
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──Q1はよかったのに、Q2は欲求不満の結果に終わってしまいました。
クビアト:そうだね。でもFP1から着実にクルマは速くなっていったし、その意味では満足してるよ。Q2で期待したようなタイムが出せなかったのは不運でしかなかった。セットアップ変更が裏目に出てしまったのもあったし、僕の目の前で(セバスチャン)ベッテルがコースアウトして、その影響もあったかもしれない。それ以外にもどのマシンも本当にタイム差は僅差だし、ほんのちょっとしたことで大きく順位は上下してしまう。それは開幕戦だけでなく、これからもずっと続くだろうね。
──とはいえ、今年のトロロッソのポテンシャルの高さは実感できた。
クビアト:そう思う。結果的にQ1のタイムで、Q3に行けてたわけだからね。もし今後もクルマのスイートスポットに入れることができれば、期待できるシーズンになりそうだよ。
続いて、アレックス・アルボン
──この週末、着実に速さを増している印象です。自分でも満足できている?
アルボン:初日のFP1で走り始めた時と比べると、予選でははるかに自信を持って運転できるようになってたね。それと同時に、自然にタイムも上がっていった。クルマの中に隠れていたプラスアルファが、それまでなかなか掴めずにいたのが、少しずつ自分のものにできるようになったという感触かな。
──セットアップ作業も自信を持って進められるようになった?
アルボン:そうだね。でも、このサーキットは経験のない新米ドライバーのデビュー地としては本当に難易度が高いんだ。ドライバーのちょっとしたミスも、全然許してくれないしね。初日のスピン、クラッシュは、まさにその洗礼を受けた感じだった。バンピーな路面も、それをうまく使わないとちゃんとタイムが出ない。事故の後、しっかり走ったことでそれがようやく理解できたし、タイムにも反映されるようになった。セッティング変更も、それに合わせて出来るようになったしね。時間はかかったけど成し遂げたことには満足してるよ。
──初日にはヘッドレストの問題にも手こずってましたね。
アルボン:ああ、あれね(笑)。もう問題ない。バルセロナテストでさんざん走った時には全然そんな問題は出なかったから、ちょっと驚いた。でもここのターン11、12みたいなコーナーはバルセロナにはないんだよね。ものすごい高速コーナーだし、おまけに左右と素早いステアリング操作が要求される。その時に浮かせていた人さし指がヘッドレストに引っかかって、ステアリングが戻せなくなってコースオフしてしまったんだ。
──クルマの挙動も初日から2日目にかけて、ずいぶんよくなった?
アルボン:そう思う。フリー走行の時は予測不能の動き方をする時があったけど、今日のFP3からはほとんどそんなこともなかったしね。でもまだ完全じゃない。ある程度、満足のいく速さを出せたけど、今の僕には予選セッションでさえ、すごく有益な学びの場なんだ。この2日間はテストとは比べ物にならないくらい密度の濃い時間が流れてるから、クルマへの理解はすごく進んだ。そして僕自身もすごく進化したと思う。初日は自分でも意識しないで限界を超えてオーバードライブしていたことが、今はよくわかるしね。
──ここに来る前、「少なくとも予選はトップ10に進もう」とか考えていました?
アルボン:全然。僕はそもそも、そういう具体的な目標を立てて突き進むタイプじゃないんだ。むしろ目前の課題を少しずつクリアしていって、結果的に目標を達成するというか。それが自分には合ってると思うし、そうやってここまでやってこれたしね。
──クビアトの前のグリッドを獲得したのは大きな達成じゃないですか?
アルボン:そうでもないよ。そういう結果云々より、トロロッソのマシンを気持ちよく運転できるようになったことの方が大きいかな。
──第2戦以降もやれそうな手応えを感じている?
アルボン:そうだね。そう思う。でも同時に、中団グループはものすごい接戦だよね。予選のタイムシートを見て、タイム差があまりに接近してるからひっくり返りそうになったよ(笑)。今後もそれはずっと続くだろうし、でもそんな状況にすごくワクワクしてるよ。
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