レース規定やレギュレーションに合わせて設計
モータースポーツがクルマという道具を使って行なうスポーツである限り、必然的に自動車メーカーは深く関わっていくことになる。とくに市販車をベースとしたモータースポーツではベース車の性能が結果に直結するだけに、「レースで勝つために」生み出されたモデルが少なからず存在している。
国産セダンがポルシェの前を走った日「スカイライン」モータースポーツ列伝
とくに1990年代に盛んになった国際自動車連盟(FIA)の「グループA」のレギュレーションに合わせて作られた市販台数の多さが要求されていたクルマは、「レースに出るために生産された」といっても過言ではないだろう。ここでは、そんな状況下で生み出されたクルマ5台を紹介したい。
日産 スカイラインGT-R(BNR32)
市販車での性能が結果を左右するグループAレギュレーションにおいて、国内で最強といえたのがスカイラインGT-R(BNR32型)だろう。排気量、タイヤサイズ、駆動方式のすべてがグループAレースにおける勝利の方程式を追求して生み出されたパッケージだ。開発に関わった人から「もし、スカイラインGT-RがFRだったとしたらエンジン排気量は2.4リッターとするのが正解だった」と聞いたこともあるが、そこまで徹底的にレギュレーションを分析していたのだ。
スバル インプレッサWRX STi
また、グループAといえば世界ラリー選手権(WRC)でも適用されていた時期がある。その時代に活躍したトヨタ・セリカGT-FOUR、三菱・ランサーエボリューション、スバル・インプレッサWRX STiといったモデルも「レース(ラリー)で勝つ」ために生み出されたモデル。2リッターターボエンジンに4WD駆動システムというパッケージは偶然の一致ではなく、WRCのレギュレーションからの必然であった。
三菱 ランサーエボリューション
その、グループAラリーカテゴリーでの最強マシンといえるのがランサーエボリューションだろう。なかでも”エボ6”は、TOYOTA GAZOO Racing ワールドラリーチームの代表をつとめるトミ・マキネン選手の四連覇を支えたモデルであり、チャンピオン獲得を記念して「ランサーエボリューションVIトミ・マキネン エディション」という特別仕様車まで登場したほどだ。
ランサーエボリューションやインプレッサWRX STiは全日本ラリー選手権でも活躍したが、全日本ラリーでの小排気量クラスにおいて勝利を奪い取るべく、生み出されたクルマも存在。その代表といえるのが、スズキ・アルトワークスR(2世代)とダイハツ・ストーリアX4、ブーンX4の4モデルだ。
スズキ アルトワークスR
アルトワークスRは、モータースポーツ専用のクロスミッションを搭載したほかエンジンのポテンシャルも引き上げた仕様。初代ワークスRは標準車が乗用仕様だったのに対して、あえて商用仕様とすることで細かい部分でも有利に働くよう工夫された。おそらくモータースポーツで勝つために生まれた唯一の商用ボンネットバンといえる。特に2代目のワークスRは、インタークーラーやインテークの大型化などで外観からも特別な一台とアピールしたことは記憶に残る。
ダイハツ ストーリアX4/ブーンX4
ダイハツ・ストーリアX4は、前述のアルトワークスRに勝つために生まれたモータースポーツ専用モデル。エンジンは排気量713ccの4気筒DOHCターボとなっていたが、これは当時のレギュレーションに合わせたもの。排気量にターボ係数1.4をかけて1000cc以下になるよう計算されつくした専用エンジンで、ブーンX4も同様にレギュレーションに合わせた専用エンジンを持つ。こちらは排気量936ccでターボ係数1.7をかけて1600cc以下になることを狙ったものだ。
その他
現行モデルでもモータースポーツをメインに考えたクルマは存在する。代表例といえるのがマツダ・ロードスターのワンメイクレース仕様NR-Aだ。前後けん引フックやロールバー、バケットシートといった競技専用部品を純正アクセサリーとして用意していることもあって、参加型モータースポーツのすそ野を広げる役割を果たしている。
なお、国内のワンメイクレースとして盛り上がっている86/BRZレースについては、トヨタ86はTRDコンプリートカーとして「86 Racing」を設定、スバルは「BRZ RA Racing」というカタログモデルで対応している。
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