MotoGPの2019年シーズン開幕戦カタールGPではある珍事が発生した。ジャック・ミラー(プラマック・ドゥカティ)の駆るマシン、デスモセディチGP19のシートがレース中に外れてしまったのだ。
ミラーは予選で4番グリッドを獲得し好スタートを切ったが、レース開始から2周目の早々に、問題のシートに手を伸ばすために減速を余儀なくされた。外れたシートを放り投げることになったミラーは、順位を10番手まで下げざるを得なかった。
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しかし問題のシートを捨てたものの、そのシートのグリップが得られないことで、ミラーは適切に身体を動かすことが出来なくなってしまう。そのため、彼は普段とは異なるライディングスタイルを余儀なくされ、ペースを維持するためにフロントタイヤをより早く消耗させることになった。
結局、ミラーは13周目に白旗を上げ、ピットに戻りリタイヤすることを選択している。
「シートはサブフレームに接着されていて、そのサブフレームは塗装されている。その塗装が十分じゃなかったんだ。接着剤がシートをもぎ取っていくと、塗装も取れてしまった」
ミラーは、シートが外れたことについてそう説明している。
「ちょうど3つの右コーナー(ターン12、13、14)の高速セクターを通っていた。最初のターン12は良かった。ふたつ目、ターン13ではシートが壊れて内側にほぼ落ちかけていた。それから一旦シートが固定されたように感じられたから、大丈夫だと思ったんだ。だけど、次のターン14で衝撃があって、シートは剥がれてしまった」
「次の左コーナー(ターン15)を通って、下を見下ろすとシートが捻れているのを確認できた。だから、シートを掴んで投げ捨てたんだ」
シートが外れた後も走行を続けていたミラーだが、その時のライディングについては次のように語っている。
「塗装とシートが剥がれると、剥き出しになったカーボンが氷のようになっている。すると、お尻は何もグリップしなくなる。僕はなんとか留まろうとしていた」
「コーナーに入っていくと、僕の尻はグリップするどころか、外側に滑っていった。肩を外に出すことすらできなかったんだ。僕はマシンの中央に座って、バンク角を深く使う必要があった」
「そうしていると、フロントタイヤのエッジが壊れてくる。普段は47度位でクリアするコーナーを、60度近いバンク角で走っていたせいだろう。するとかなりアンダーステアやチャタリングが発生してきたんだ」
「僕はマシンを止めることにした。走り続けていたら、恐らく転倒していただろうから、より安全な選択肢だったはずだ」
「だけど、僕は満足しているよ。表彰台に立てると本当に感じられたし、すごく良いレースウィークだった。シートが剥がれるまではそれを示せていたと思う」
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