2月22~24日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)第4戦が行われ、LMP2クラスのアルガルベ・プロ・レーシングの24号車リジェJS P2(アンドレア・ピッツィトーラ/ハリソン・ニューウェイ/エイト・ディルク・デヨンク)が優勝。GTクラスは木村武史/ケイ・コッツォリーノ/ジェームス・カラド組Carguy Racingの11号車フェラーリ488 GT3が制し、クラスチャンピオンとル・マン24時間への出場権を獲得した。
アジアン・ル・マンは、クラス王者にル・マン24時間出場権利が与えられるル・マン・シリーズのアジア版。今シーズンは2018年11月から19年2月までに上海、富士、タイのチャン・インターナショナル・サーキット、そしてセパンを転戦し、これを勝ち抜いた3クラスのチャンピオンがル・マンに招待される。
富士戦消える。2019/20年アジアン・ル・マンは上海、ベンド、セパン、チャンの4戦に
プラクティスを経て23日に行われた予選では、アレクサンダー・ウエスト/コメ・レドガー/ピポ・デラーニ組スピリット・オブ・レースの8号車リジェがポールポジションを獲得。レースでも序盤リードを奪ったが、トラブルを抱え後退してしまう。
途中、開始から1時間22分、さらに2時間30分が過ぎたころにコース上のストップ車両回収のためにセーフティカーが導入されるが、大きなクラッシュ等はなくレースは推移。そんななかトップに立ったのはアルガルベ・プロ・レーシングの24号車リジェで、第2戦富士以来となる勝利を飾った。2位に入ったのは、ユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェをドライブしたフィリップ・ハンソン/ポール・ディ・レスタ組で、LMP2クラスのチャンピオンを獲得している。
LMP3クラスは序盤から接近戦が展開されたが、これを制したのはインター・ユーロポル・コンペティションのジェイコブ・スミエコウスキー/マルティン・ヒッペ組13号車リジェ。エキュリー・エコッス/ニールセン・レーシングの7号車が2位、ユナイテッド・オートスポーツの2号車が3位となった。
■予選での先行を許すも、CarGuy Racingが完勝
GT3カーで争われるGTクラスは、木村武史/ケイ・コッツォリーノ/ジェームス・カラド組CarGuy Racingの11号車フェラーリが開幕から3連勝を飾り、チャンピオン獲得まであと1ポイントに迫るかたちで最終戦を迎えていた。チャンピオンの権利を残すのは、同じくAFコルセがメンテナンスするスピリット・オブ・レースの51号車フェラーリのみとなっていた。
ただ、最終戦を迎えるにあたりティアンシ・レーシングが2台を走らせているアウディR8 LMSが、エボリューションキットを投入。さらにアウディ勢に有利な方向で性能調整が見直され、予選ではアウディが先行。カラドがアタックを担当するも、CarGuy Racingはわずかに届かず、予選ポールでの1ポイント獲得はならなかった。
しかし決勝では、木村がスタートドライバーを担当するとポジションを上げ、堅実なペースで走行。コッツォリーノ、カラドが快調なペースでラップを重ね、ピットストップも完璧にこなすパーフェクトなレースを行いトップに浮上。最後は危なげなくチェッカーまで走りきり、開幕から4連勝で見事チャンピオンを獲得。ル・マン24時間への出場権を獲得した。
アンカーを務めたカラドの走りをピットで見守っていた木村は「まだ実感がありませんが、4連勝というかたちで獲ったチームは今までもあまりないと思うので、良かったですね。チーム、ドライバーに恵まれました」、そしてコッツォリーノも「ホッとしました」と笑顔をみせることに。ふたりによればすでにル・マンに向けた準備が始まっており、充実の体制で臨むことになりそうだ。
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